敵地脱出

ウィキメディアの曖昧さ回避ページ

敵地脱出(てきちだっしゅつ、:Escape and Evasion, E&E)、または敵手脱出(てきしゅだっしゅつ)とは、敵の支配地で友軍とはぐれた兵士、捕虜になってから脱出することである。

要領 編集

敵地において友軍からはぐれた場合、また航空機で敵地に不時着した場合は速やかに敵地脱出を試み、友好国、中立国、本国へ逃れなければならない。また捕獲された場合、可能な限り早急にまず敵手から脱出しなければならなくなる。尋問の専門家がおり、警備網が厳重な収容施設に送られれば脱出はますます困難となる。

まず脱出に必要となる情報を収集しなければいけない。警備兵・警備犬の位置や数、監視塔の位置、施設の構造や位置関係、防衛線や防衛線における地雷原の敷設状況などは特に重要である。友軍の砲撃や空爆によって生まれる混乱は脱出の機会となりやすい。

脱出を実行したら速やかに捕獲者から距離をとり、障害物や地形を利用して敵が脱出者の姿を見失うように努めなければならない。この際に捕獲者に気づかれるのが遅ければ遅いほど捜索しなければいけない地域が増えて発見が困難となる。脱出者は脱出した後は遅滞なく本国、または友好国、中立国に入る必要性があるが、友好国や中立国に入る場合は敵国と捕虜受け渡しの条約を締結していないかに注意しなければいけない。

国境を越える場合は国境の警備部隊に敵だと誤認されないように慎重かつ厳密に自らの状況を伝え、相手の指示に従い、身分証や認識票を見えやすい所に提示するなどによって相手の抱く疑念を取り除く努力が必要である。脱出者が自軍兵士によって射殺される事例も生じている。

参考文献 編集

  • クリス・マクナブ&ウィル・ファウラー著、小林朋則訳 『コンバットバイブル 現代戦闘技術のすべて』 原書房

関連項目 編集