新序』(しんじょ)は、前漢劉向(りゅうきょう)による故事説話を集めた書物であり、おなじ劉向による『説苑』(ぜいえん)とよく似た内容を持っている。唐以前の書はみな二〇巻とあるが、宋以後、伝えるところはみな十巻とある。

歴史 編集

漢書』楚元王伝の劉向の条によると、劉向は『新序』『説苑』あわせて50篇を著して、成帝に進上した。『漢書』芸文志には「劉向所序六十七篇」とあり、これは『新序』『説苑』『世説』(佚書か)『列女伝』『頌図』をあわせた篇数である。劉向の著作ではなく、既存の書籍を劉向が校訂しただけであるという説もある[1]

もとは30巻であったらしく、『隋書経籍志に30巻(録1巻)、『旧唐書』経籍志にも30巻とする。代にはすでに10巻しか残っておらず、それを曾鞏が編集し直した[2]。曾鞏は『説苑』を20巻まで復元したが、『新序』は10巻のままである。現行本は曾鞏の編集を経たものである。

構成 編集

現行本は10巻で構成され、全部で181章からなる[3]。ある程度内容によって分類されている。最初の5巻は「雑事」と題がついている。6巻以降は「刺奢」「節士」「義勇」「善謀」「善謀下」となっている。多くは先秦の話であるが、最後の巻10は漢代の逸話を述べる。

邦訳 編集

脚注 編集

  1. ^ 野間 (1976) pp.33-35
  2. ^ 『元豊類藁』巻11・新序目録序「劉向所集次『新序』三十篇、目録一篇。隋唐之世尚為全書。今可見者十篇而已。臣既考正其文字。」
  3. ^ 野間 (1976) p.35

参考文献 編集

外部リンク 編集