日本石仏協会(にほんせきぶつきょうかい)は、石神石仏の研究と石造文化財保護思想の普及と会員の交流を図ることを目的として、1977年に設立された全国組織[1]

沿革 編集

戦後間もなく考古学から石仏研究に入った大護八郎の発案により、日本の津々浦々に残された石神石仏の情報ネットワークづくり、研究者・愛好者の人的交流をめざして設立された[1]

設立当時の石仏調査は手探り状態であり「情報交換でもよいから交流の場を作りたい」という大護八郎(1912-2008年)の創案により、熱意をもった同士により発足、学術的な発表の場をつくることも目標としており、設立以来会誌『日本の石仏』を発行してきた[1]

歴代会長 編集

  1. 大護八郎(1977 - 1991年)
  2. 坂口和子(1992 - 2021年)
  3. 大野邦弘(2022 - 2023年)
  4. 川野明正(2023年 - )

会員 編集

初期は500名をこす時期もあったが、社会の老齢化に伴い減少傾向で、現在は約300名(2022年12月31日時点)。

事業 編集

主な事業として、会誌『日本の石仏』の発刊、会員と一般向けに石仏公開講座、写真展、石仏見学会、石仏談話室などを定期的に開催している。

『日本石仏』4月、8月、12月の3回発刊(発売 青娥書房)A版64頁
  • 会員による石神石仏調査の調査及び論考、誌上講座、誌上写真展、見学会報告、広場欄、交流欄などを掲載。現在令5年4月発刊で179号。
「石仏見学会」
  • 1日見学会 3月、5月、9月、11月 会員による現地見学
  • 1泊見学会 年2回実施していたがコロナ禍で一時中止中。現在は1日バス見学会で実施。
「石仏写真展」
  • 年1回1月初旬、東京・半蔵門の日本カメラ財団「JC11クラブ25」
「石仏談話室」東京芸術劇場・明治大学等で開催
  • 毎月第一土曜日午後1時~5時・現在まで310回開催
「石仏公開講座」
  • 年1回7月か8月、会場東京・巣鴨の大正大学で1日4講座
  • 石神石仏、庶民信仰を中心に会員あるいは外部講師による講座

出版 編集

  • 『日本の石仏』全10巻、国書刊行会 1983~84年
  • 『石仏図典』国書刊行会 1986年
  • 『続石仏図典』国書刊行会 1995年
  • 『石仏巡り入門、見方、楽しみ方』大法輪閣 1997年
  • 『野辺の石仏研究講座テキスト」全六巻、東洋文化学院
  • 『石仏の楽しみ方』(写真集)晶文社 1999年
  • 『江戸・東京石仏ウオーキング』ごま書房 2003年
  • 『石仏探訪必携ハンドブック』青娥書房 2003年
  • 伊藤介二『梵字入門』2009年
  • 大野邦弘・大津和弘『金石文入門』2011年
  • 岡村庄造・嘉津山清『石塔入門』2011年
  • 坂口和子『随想集、野の仏にみちびかれて』青娥書房 2018年
  • 『項目別分類牽引』(創刊 - 160号)

脚注 編集

  1. ^ a b c 日本石仏協会 - 公式サイト

外部リンク 編集