朝の天使」(Angel of the Morning)は、チップ・テイラーが作詞作曲した楽曲。メリリー・ラッシュ&ザ・ターナバウツのバージョン(1968年)が最初にヒットした。ジュース・ニュートンのカバー・バージョンもよく知られる。

朝の天使
メリリー・ラッシュ&ザ・ターナバウツシングル
初出アルバム『Angel of the Morning』
B面 Reap What You Sow
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 メンフィス、アメリカン・サウンド・スタジオ(1968年1月)
ジャンル ポップス
時間
レーベル ベル・レコード
作詞・作曲 チップ・テイラー
プロデュース トミー・コグビル、チップス・モーマン
チャート最高順位
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概要 編集

ソングライターのチップ・テイラー(俳優のジョン・ヴォイトの実弟)はこう述べている。「ニューヨークへ向かって車を運転しているときだった。ラジオからローリング・ストーンズの『ルビー・チューズデイ』が流れたんだ。そのあとで僕は『朝の天使』を書いた。あの曲にほとばしる恋情のようなものをつかみたかった」[2]

本作品は当初コニー・フランシスに提供されたが、フランシスは情事を喚起させる詞が自身のイメージを損なうと考え、レコーディングを断った[3]。1967年にエヴィ・サンズ、ビリー・デイヴィス、ダニー・マイケルズらが取り上げたがいずれもヒットはしなかった。

1965年からクラブ・サーキットを続けていたメリリー・ラッシュ&ザ・ターナバウツ(Merrilee Rush & the Turnabouts)は1967年、ポール・リヴィア&ザ・レイダーズの南部ツアーのオープニング・アクトを務め、ツアーの際にメンフィスを訪れた。ザ・レイダーズはアメリカン・サウンド・スタジオでアルバム『Goin' to Memphis』を制作することになるが、グループのリード・ボーカリスのマーク・リンゼイはメリリー・ラッシュをプロデューサーのチップス・モーマンに紹介した。そしてこの頃「朝の天使」にぴたりと合う女性歌手を求め、自費でデモテープをつくり続けていたベーシストのトニー・コグビルの目にもとまり、メンフィスでラッシュのレコーディングが決まった。

1968年2月、シングルとして発売[1]ビルボード・Hot 100で7位を記録。カナダでは1位、オランダでは5位を記録した。ラッシュは本作品により、第11回グラミー賞(1969年3月開催)で最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされた。

BMI調べによる「20世紀アメリカのテレビやラジオで最もオンエアされた100曲」の第21位にランクされた[4]

その他のバージョン 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 45cat - Merrilee Rush And The Turnabouts - Angel Of The Morning / Reap What You Sow - Bell - USA - 705
  2. ^ Edmonton Journal August 8, 1997 "Chip Taylor: a hitman brings heart to Folk Fest" by Peter North p.C3
  3. ^ 'Deadpool' Director Tim Miller and Songwriter Chip Taylor on the Film's Soft-Rock Centerpiece, 'Angel in the Morning'”. Billboard. 2019年8月25日閲覧。
  4. ^ BMI Announces Top 100 Songs of the Century”. BMI.com (1999年12月13日). 2021年12月21日閲覧。