松林家(まつばやしけ[1])は、藤原北家御子左流上冷泉家庶流にある華族男爵家。いわゆる「奈良華族」の一つ[2]

松林家
家紋
本姓 藤原北家御子左流上冷泉家庶流
家祖 松林為成
種別 公家(堂上格)
華族男爵
出身地 山城国
凡例 / Category:日本の氏族

歴史

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上冷泉家当主冷泉為則の五男為成(文政8年6月15日生、明治6年6月1日没)は、天保5年(1834年)に幼くして奈良興福寺に入れられて松林院住職となったが、明治元年(1868年)に勅命により復飾し、翌2年に堂上格を与えられて一家を起こして松林を家号とした[1]

明治6年6月1日に為成が死去し、幼少の一人息子為美(明治5年2月12日生)が家督相続[3]

為美は、明治8年に華族に列し、明治17年(1884年)7月7日の華族令施行で華族が五爵制になると、男爵に叙された[2]

しかし負債を抱えて経済的に困窮したため[4]、明治29年(1896年)5月10日に爵位を返上した[2][注釈 1]

為美に子供はなかった[3]

脚注

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注釈

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  1. ^ 華族としての体面や格式を維持できない家計状態になった場合は、その地位を与えた皇室を汚さぬよう爵位は返上するのが一般的だった[4]

出典

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参考文献

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  • 小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社中公新書1836〉、2006年(平成18年)。ISBN 978-4121018366 
  • 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年(平成8年)。ISBN 978-4642036719 
  • 森岡浩『日本名門・名家大辞典』東京堂出版、2012年(平成24年)。ISBN 978-4490108217