一楽亭栄水

日本の江戸時代の浮世絵師
栄水から転送)

一楽亭 栄水(いちらくてい えいすい、生没年不詳)は、江戸時代浮世絵師

一楽亭栄水
ヒト
性別男性 編集
国籍日本 編集
母語表記一楽亭栄水 編集
読み仮名いちらくてい えいすい 編集
生年月日不明な値 編集
死亡年月日不明な値 編集
職業画家浮世絵師 編集
師匠鳥文斎栄之 編集
活動開始1790 編集
活動終了1823 編集
コレクション所蔵者ネルソン・アトキンズ美術館国立世界文化博物館 編集
作者の著作権状態著作権保護期間満了 編集

来歴 編集

鳥文斎栄之の門人。一楽斎とも号す。姓名不詳。寛政1789年-1801年)から享和1801年-1804年)期にかけて、50余点の錦絵作品を遺している。同門の鳥高斎栄昌と比べると栄水の方が活動期間が長い。そのほとんどは、おっとりとした表情が特徴の美人大首絵である。また、「美人五節句 扇屋内さかき わかは」に描かれている遊女滝川や、「松ばや内染之助」の顔を見ると、その太く黒々とした眉の描写がとても印象的である。画風は栄之風というよりも、晩年の歌麿風である。錦絵では揃物「美人五節句」、「美人合浄瑠璃鏡」シリーズなどが知られ、「兵庫や内 月岡」が重要美術品になっている。また享和元年刊行の洒落本『色講釈』一冊、同年刊行の洒落本『野良(やろう)の玉子』一冊、同年刊行の洒落本『恵比良之梅』(えびらのうめ)一冊、 享和3年(1803年)刊行の黄表紙『安倍川婦女復讐』(あべかわおんなのあだうち)二編5冊の他、狂歌本や若干の肉筆浮世絵美人画も知られる。以上にあげた洒落本、黄表紙の作者は総て十返舎一九であった。

作品 編集

  • 美人五節句 扇屋内さかき わかは」 大判 錦絵 神奈川県立歴史博物館所蔵 
  • 「扇屋内瀧川」 大判 マスプロ美術館所蔵
  • 「松ばや内染之助」 大判 シカゴ美術館所蔵
  • 「丁子や内雛鶴(右向き)」 大判 シカゴ美術館所蔵
  • 「丁子や内ひな鶴(左向き)」 大判 シカゴ美術館所蔵
  • 「兵庫や内月岡」 大判 シカゴ美術館所蔵
  • 「松葉屋内よそおひ」 大判 ベルリン国立図書館所蔵
  • 「松ばや内代々春」 大判 
  • 「美人合浄瑠璃鏡 白井権八 小むらさき」 大判 シカゴ美術館所蔵
  • 「美人合浄瑠璃鏡 おこま 才三郎」 大判 ベルリン国立図書館所蔵
  • 「小紫白井権八」 柱絵 東京国立博物館所蔵
  • 「女万歳」 柱絵 
  • 「美人噛玉章図」 紙本着色(『浮世絵大成』第7巻収録)

参考文献 編集

  • 吉田暎二編 『浮世絵大成』第7巻 東方書院、1931年 ※第601図
  • 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 171頁 ※近代デジタルライブラリーに本文あり。
  • 菊地貞夫 『浮世絵大系 第6巻 歌麿・栄之』 集英社、1975年
  • クラウス・J・ブラント 『HOSODA EISHI』 西ドイツ、1977年(ドイツ語)
  • 「細田派版画作品目録」 『浮世絵聚花 フォッグ美術館・ネルソン美術館』 小学館、1980年
  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』第2巻 大修館書店、1982年
  • 吉田漱 『浮世絵の基礎知識』 雄山閣、1987年
  • 吉田漱 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年
  • 稲垣進一編 『図説浮世絵入門』〈『ふくろうの本』〉 河出書房新社、1990年

関連項目 編集