横山広美
日本の女性科学技術社会論学者 (1975-)
横山 広美(よこやま ひろみ、1975年 - )は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構教授。大学院の学生を東京大学情報学環から受け入れている。専門は科学技術社会論。
概要
編集業績として、先端技術のELSI研究(AIのELSIセグメント、AIオクタゴンメジャメントの提案)、STEMジェンダー研究(社会風土を含むモデル構築)、科学的助言(グループボイスの提案)、Boundary work(予算共同体の提案)、ビッグサイエンスの研究がある[1]。
プロジェクト
人物・来歴
編集中学在籍時に科学雑誌Newtonを読んで物理に興味を持つ[6]。同時に科学と社会の関係を意識し、科学ジャーナリストを志した[6]。雙葉高等学校から東京理科大学理工学部物理学科へ進学[6]。物理学専攻で素粒子実験を学んだ後、科学技術社会論に転向。東京大学広報室長(2021年)をつとめた[7]。Kavli IPMUのCD3メンバー。社会データのデータドリブン解析を試みている。
略歴
編集- 2004年 - 東京理科大学理工学研究科物理学専攻 連携大学院 高エネルギー加速器研究機構、博士(理学)[8]
- 2004年 - 東京工業大学 研究員(専門を物理学から科学技術社会論に変更)
- 2005年 - 総合研究大学院大学葉山高等研究センター 上級研究員
- 2007年 - 東京大学大学院理学系研究科 准教授
- 2017年 - 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 教授
- 2017年 - 国際物理オリンピック2023協会 理事
- 2022年 - 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 副機構長
- 2022年 - 独立行政法人国立高等専門学校機構 理事(非常勤)
受賞
編集- 2007年 日本科学技術ジャーナリスト会議、科学ジャーナリスト賞
- 2015年 科学技術社会論学会、柿内賢信研究奨励賞
- 2022年 第5回東京理科大学物理学園賞
論文他
編集主な論文
- Ikkatai, Y., Hartwig, T., Takanashi, N. et al. Segmentation of ethics, legal, and social issues (ELSI) related to AI in Japan, the United States, and Germany. AI Ethics (2022). https://doi.org/10.1007/s43681-022-00207-y
- Hartwig, T., Ikkatai, Y., Takanashi, N. & Yokoyama, H.M. (2022). 'Artificial intelligence ELSI score for science and technology: a comparison between Japan and the US'. AI & Soc.https://doi.org/10.1007/s00146-021-01323-9
- Y.Ikkatai, T.Hartwig, N.Takanashi & H.M. Yokoyama (2022). 'Octagon Measurement: Public Attitudes toward AI Ethics',International Journal of Human–Computer Interactionhttps://doi.org/10.1080/10447318.2021.2009669
- Ikkatai, Y., Inoue, A., Minamizaki, A., Kano, K., McKay, E. and Yokoyama, H. M.(2021). ‘Masculinity in the public image of physics and mathematics: a new model comparing Japan and England’. Public understanding of science,https://doi.org/10.1177/09636625211002375
- Ikkatai, Y., Inoue, A., Minamizaki, A.,Kano, K., McKay, E. and Yokoyama, H. M.(2021).‘Effect of providing gender equality information on students’ motivations to choose STEM’.PLOS ONE.https://doi.org/10.1371/journal.pone.0252710
- Ikkatai Y.,Inoue A., Kano K., Minamizaki A., McKay E., & Yokoyama H.M.(2019). Parental egalitarian attitudes towards gender roles affect agreement on girls taking STEM fields at university in Japan’.International Journal of Science Education , 41(16), 2254-2270.
- Ikkatai, Y., Inoue, A., Kano, K., Minamizaki, A., McKay, E. and Yokoyama, H. M.(2021).‘Factors related to girls’ choice of physics for university entrance exams in Japan’.Physical Review Physics Education Research. (17), 010141 –
- Ikkatai, Y., Minamizaki, A., Kano, K., Inoue, A., McKay, E. and Yokoyama, H. M.(2020). ‘Masculine public image of six scientific fields in Japan: physics, chemistry,mechanical engineering, information science, mathematics, and biology’. JCOM 19 (06), A02. https://doi.org/10.22323/2.19060202.
- Ikkatai, Y., Minamizaki, A., Kano, K., Inoue, A., McKay, E. and Yokoyama, H. M.(2020). ‘Gender-biased public perception of STEM fields, focusing on the influence of egalitarian attitudes toward gender roles’. JCOM 19 (01), A08. https://doi.org/10.22323/2.19010208.
著作
- 横山広美『なぜ理系に女性が少ないのか』(2022年)幻冬舎新書(ISBN:4344986768)
オピニオン
- 2022/7/28 朝日新聞 開かれた対話の場、信頼作る
- 2020/8/3 日本経済新聞 経済教室 SNSと現代社会(下)専門家も発信力鍛えよ
- 2019/12/19 毎日新聞 発言 女性活躍推進へ平等度向上を
共著
編集- "Environmental contamination from the Fukushima Nuclear Disaster", 10.4 Proposal for Group Voice, 2019 (ISBN: 1108475809)
- 『危機に立つ日本の科学技術』,2018年 (ISBN: 4880380571)
- 『原発事故環境汚染: 福島第一原発事故の地球科学的側面』, 東京大学出版会 2014年 (ISBN: 4130603124)
- 『アステイオン (78) 【特集】科学を試す』, 公益財団法人サントリー文化財団, アステイオン編集委員会 CCCメディアハウス 2013年 (ISBN: 4484132206)
脚注
編集- ^ “横山広美 教授 自己紹介 | 東京大学 Kavli IPMU/学際情報学府”. member.ipmu.jp. 2022年12月17日閲覧。
- ^ “助成研究者情報(横山広美先生1)|セコム科学技術振興財団|特定領域研究助成研究者インタビュー”. www.secomzaidan.jp. 2022年12月22日閲覧。
- ^ “日本に数学や物理学を学ぶ女性が少ないのはなぜ?”. POLICY DOOR ~研究と政策と社会をつなぐメディア~. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 科学技術振興機構, 国立研究開発法人. “事業成果|国立研究開発法人 科学技術振興機構”. www.jst.go.jp. 2022年12月22日閲覧。
- ^ “令和4年版 科学技術・イノベーション白書:文部科学省”. 文部科学省ホームページ. 2022年12月22日閲覧。
- ^ a b c “理系を目指している子どもたちへ 東京大学教授 横山 広美さん”. 朝日小学生新聞 | 朝日中高生新聞. 朝日新聞社. 2024年2月24日閲覧。
- ^ “第31代総長は「対話」を重視する”. 東京大学. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 『Study of low-energy neutrino spectrum in the K2K long-baseline neutrino oscillation experiment K2K長基線ニュートリノ振動実験における低エネルギーニュートリノスペクトラムの研究』(博士 (理学)論文)東京理科大学。学位授与番号: 乙第779号 。2023年2月17日閲覧。