橋本 郁雄(はしもと いくお、1923年2月16日-2009年1月22日[1]は、日本ドイツ語ドイツ文学者。学習院大学名誉教授一橋大学教授。ドイツ語学およびドイツ語史が専門で、特に日本の中世ドイツ語研究においては中枢を占める学者だった[2]。また、小学館の『独和大辞典』など、独和辞典の編纂に注力した[1][3]

人物 編集

鹿児島県鹿児島市皷川町出身[3]。父は第七高等学校造士館 (旧制)漢文学教授の橋本精次[3][4]。祖父の自聽(よりさと)は明治初期に東京から招かれ谷山小学校校長などを務めた人物[3]

鹿児島県立第二鹿児島中学校 (旧制)を経て、1942年3月に第七高等学校造士館文科乙類を卒業[3][5][6]1944年東京帝国大学文学部独文科を卒業[4][7]したが、学年短縮や学徒出陣在隊中の卒業のため実際に大学で学ぶことができたのはわずか1年半だった[3]。復員後の1946年に母校・旧制第七高校のドイツ語教師となる[3][4]。在職中の教え子の一人に赤崎勇がいる[5]。新制大学移行のため1950年に旧制第七高校が閉校されると同時に鹿児島を去り熊本大学助教[3]1953年に一橋大学に着任し[2][3]、教授[5][6]1971年学習院大学文学部ドイツ文学科教授に転じる[2][4][3]1993年まで務め[3]、同大学名誉教授[1][5][7]

脚注 編集

  1. ^ a b c 『現代物故者事典 2009~2011』(日外アソシエーツ、2012年)「橋本郁雄」
  2. ^ a b c 『一橋大学学問史 一橋大学創立百年記念』(一橋大学、1986年3月)1133頁(該当部宮野悦義執筆)
  3. ^ a b c d e f g h i j k 南日本新聞 1999年10月21日 朝刊 5頁 かごしま人紀行
  4. ^ a b c d 南日本新聞社・編『郷土人系 上』(春苑堂書店、1969年)358頁
  5. ^ a b c d 赤﨑勇『青い光に魅せられて 青色LED開発物語』(日本経済新聞出版社、2013年3月)
  6. ^ a b 七高史研究会『七高造士館で学んだ人々 改訂版』(2001年)
  7. ^ a b 共著書『読んでわかるドイツ語』(同学社、1998年)著者紹介