テンプル・オブ・デス』(Temple of Death)は、デイヴィッド・クックD&Dエキスパート・セットで使用するためにデザインしたダンジョンズ&ドラゴンズモジュールである。

Temple of Death
コード X5
日本語題 死を呼ぶ神殿
必要なルール D&Dエキスパート・セット
レベル 6 -10
セッティング ミスタラ
製作者 デイヴィッド・クック
初版出版年 1983
ページ数 32
関連するモジュール
X1, X2, X3, X4, X5, X6, X7, X8, X9, X10, X11, X12, X13, XL1, XSOLO, XS2

これは2連作冒険の後編であり、前編はMaster of the Desert Nomadsである。

1987年には『死を呼ぶ神殿』(しをよぶしんでん)というタイトルで日本語版が出版された。

プロット概要 編集

Master of the Desert Nomadsでは、シンド砂漠の遊牧民部族がマスターという名で知られる謎の人物の麾下に集結し、そしてプレイヤーキャラクターの任務は、共和国に対するこの脅威を無力化することである。Temple of Deathでは、キャラクターはブラック山脈に侵入してグレート・パス(峠)を渡り、ヒュールの国にたどり着かねばならない[1]。グレート・パスをうまく切り抜けたなら、冒険者はヒュール「神聖国」を横断せねばならない[2]。ヒュールは社会の規律が入念に規定された圧政的な全体主義国家であり、マスターの拠点が置かれている[1]。キャラクターは、監察官達の注意を引きつけることなくヒュールの首都を目指さねばならない[1]。冒険者はそれからダーク・ウッド(森林)を通過して死を呼ぶ神殿を発見する必要がある[2]。このシナリオには荒野、街、ダンジョンでの遭遇が含まれている[2]

出版履歴 編集

Temple of Deathはデイヴィッド・クックによって執筆され、アートワークはティム・トルーマン担当で、32ページの小冊子と外装カバーという体裁で、1983年にTSRが出版した[2]。これは連作冒険である砂漠の遊牧民シリーズの後編であり、前編はMaster of the Desert Nomadsである[2]

1987年5月、株式会社新和が日本語版を出版した。

評判 編集

デイヴ・モリスはホワイトドワーフ誌55号でTemple of Deathを論評し、10段階評価で10を与えた。モリスはデイヴィッド・クックが「論理的で、絶えずやりがいがあり、想像力に富み、生き生きと描写された冒険を構築した」と感じ、また「率直に言って、これを上回るD&Dのシナリオを見たことがない」と断言した[1]。モリスはティモシー・トルーマンのアートワークもまた絶賛した。モリスはこのモジュールが「あらゆるロールプレイングゲーム・システムのサプリメントの中で、おそらく上から3から4位に入るだろう」と感じ、最高の評価点を与えてから「私が唯一残念に思っているのは、これがアドバンストD&D用ではなく、エキスパート用であるということだ」と付け加えた[1]

リック・スワンはSpace Gamer誌71号でこの冒険を論評した。スワンは、このモジュールは例えば以下のような場面「全体がキノコでできているゾンビの宮殿、スケルトンに運行されている空飛ぶ船、月まで伸びている光のハシゴ」のせいで「至る所でびっくりさせられる」と感じた。彼はまた地図とイラストが「魅力的かつ機能的」であることに気付き、神殿の外観が、プレイヤーが珍しい建築物を思い浮かべるのを助けるだろうと述べた。彼は、この冒険が主に野外で進行するため、ダンジョンマスターはプレイヤーが正しい方向へ向かうように保つのに苦労するだろう、と警告した。彼はマスターは「今までの出来事からもっと強いと思っていたのにかなり弱い奴」ということで「やや期待はずれ」と感じた。スワンは「2つの砂漠の遊牧民シリーズの冒険は、それぞれ単体では遊んでも面白くない」と述べ、しかし「Master of the Desert NomadsとTemple of Deathを合わせると非常に面白い」と結んだ[3]

参考文献 編集

  1. ^ a b c d e モリス, デイヴ (1984年7月). “Open Box: Dungeon Modules” (review). ホワイトドワーフ (ゲームズワークショップ) (55号): 18–19ページ. ISSN 0265-8712. 
  2. ^ a b c d e シック, ローレンス (1991年). Heroic Worlds: A History and Guide to Role-Playing Games. Prometheus Books. p. 149. ISBN 0-87975-653-5 
  3. ^ スワン, リック (1984年11月/12月). “Capsule Reviews”. The Space Gamer (スティーブジャクソンゲームズ) (71号): 56ページ. 

関連項目 編集