灰重石
灰重石(かいじゅうせき、scheelite、シェーライト、または、シーライト)とは、タングステン酸とカルシウムとの塩を成分とした鉱物である。このため、タングステン酸塩鉱物に分類される。灰重石の英語名「scheelite」は、本鉱を研究したカール・ヴィルヘルム・シェーレ(K.W. Scheele)にちなむ。
灰重石[1] | |
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分類 | タングステン酸塩鉱物 |
化学式 | CaWO4[1] |
結晶系 | 正方晶系[1] |
へき開 | なし |
モース硬度 | 5[1] |
光沢 | ダイヤモンド光沢 |
色 | 白色、黄色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 6.10[1] |
蛍光 | 青白い |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
性質
編集紫外線が照射されると、灰重石は青白い蛍光を発する事で有名である。しかし、一部には蛍光しない物も見られる。また、黄色の蛍光を呈する物もある。パウエル石(CaMoO4)が含まれる事が原因とされる。
用途
編集灰重石の化学組成はタングステン酸カルシウム(CaWO4)であり、鉄重石(FeWO4)と共に、タングステンの主要な鉱石鉱物として知られる。日本では、山口県の喜和田鉱山、京都府の大谷鉱山などで鉱石として採掘されていた。
また、灰重石は耐久性が低いものの、透明度の高い石は、好事家が宝石として保存する場合も見られる[2]。
合成品
編集タングステン酸のカルシウム塩を人工的に合成し、無色透明の物をダイヤモンドのイミテーションとして使う場合があり、さらに、着色に必要な金属元素を混ぜて他の宝石のイミテーションとして使う場合もある[3]。参考までに、屈折率は1.92から1.93程度であり、複屈折量は0.017である[1]。
出典
編集- ^ a b c d e f Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.152 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4
- ^ 松原聰(監修)『鉱物の不思議がわかる本』 成美堂出版 2006年12月20日発行 ISBN 4-415-03570-1
- ^ Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.70 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4
参考文献
編集- 豊遙秋・青木正博 『検索入門 鉱物・岩石』 保育社、1996年、ISBN 4-586-31040-5。
- 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
- 国立天文台(編)『理科年表(平成19年)』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
外部リンク
編集- Numanoite(mindat.org)
- Scheelite Mineral Data(webmineral.com)
- 喜和田鉱山の部屋 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)(鉱遊)
- 光る石資料館(移転先)