炭焼き

木炭を作る職業

炭焼き (en: Charcoal burner) とは、木材炭化させてを製造することであり、またその仕事に従事する人を指す。

炭焼きをする人

概要編集

ナラブナなどの木材を不完全燃焼させることで炭素だけを残し、炭を作成する。 古来、農民の冬期の兼業として行われてきた。 明治期になると木炭の需要は高まり、それにつれて製炭業も拡大し、製炭法も洗練されていった。 しかしその後化石燃料が普及するに連れて炭焼きは衰退していった。 ヨーロッパなどでは小規模ながらギルドが残っており、ヨーロッパ炭焼き協会などが存在する。 [1]

手法編集

基本的な原理は、着火して高温になった木材の酸素供給を遮断し、蒸し焼きにするものである。その状態でも内部は高温が維持されるため、その熱により炭素以外のものが揮発してゆき、最終的に炭素のみが残る。これが炭である。

機械を使わない手法編集

山林に近い農村などで行われてきた伝統的な炭焼の方法では、機械は使われない。 薪や丸太、枝を窯の形に組み上げる(en: Charcoal pile)。藁をかぶせた後、土をかけて隙間を潰す。その後着火する。そうすることで酸素が遮断され燃焼がストップし、蒸し焼き状態になる。 まったく酸素がない場合、熱が発生しないため、小さな給気口を開けて燃焼度合いをコントロールする方法もある。

器械を使う手法編集

基本的な原理は同じで、吸気および排気の制御のために金属製の煙突を差し込んだり、レンガなどでできた専用の窯を用いる。

文化編集

炭焼きは古い技術であり、また世界各国に存在する文化であった。 詩や絵画の題材としても取り上げられ、ドイツなどでは文化財として登録されているものもある。 [2][3]

公害編集

 
炭焼き労働者

炭焼きは炭化の過程で大量のばい煙の発生を伴うが、通常、炭焼きは単純な設備で行われるためそれらはすべて大気中に放出される。 そのため労働者や周囲は煙に含まれる粒子状物質重金属にさらされている。 エジプトでの国内の炭焼き窯の調査では、すべての炭焼き窯が安全基準を大幅に超過しており、大気汚染と周囲への健康被害を引き起こしている[4]ナイジェリアでの炭焼きに従事している労働者を対象とした調査では、炭焼きの煙への暴露量が、血中ヘモグロビンおよび肺の機能低下と相関関係にあることが示された[5]。 フィリピンの首都であるメトロ・マニラでは、木炭製造のための炭焼きによる大気汚染が広がっている。[6]

脚注編集

  1. ^ 炭焼きとは - コトバンク
  2. ^ A. A. Milne, Now We Are Six, Methuen & Co. Ltd. (London), 1927.
  3. ^ Campbell, Thomas Joseph (1907). "St. Alexander (II)" . In Herbermann, Charles. Catholic Encyclopedia. 1. New York: Robert Appleton.
  4. ^ https://www.curresweb.com/ije/ije/2019/ije.2019.8.4.4.pdf エジプトでの炭焼き労働者の労働環境についてのリサーチ
  5. ^ Air quality index from charcoal production sites, carboxyheamoglobin and lung function among occupationally exposed charcoal workers in South Western Nigeria - PMC
  6. ^ 木炭の可能性、マニラのスラム街 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

関連項目編集