「JR北海道キハ261系気動車」の版間の差分

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当初「地方幹線区用の特急車両<ref name="JREA41_10_25711-25715" />」として、[[宗谷本線]]の[[特別急行列車|特急列車]]に用いるために[[1998年]]([[平成]]10年)に開発・導入を開始した。一旦増備を終了したのち[[2006年]](平成18年)以降大幅な仕様変更を行ったグループの製造が開始され、その後も「今後のJR北海道における都市間特急の主力車両<ref name="jrhokkaido/press/2015/150909-1" group="JR北" />」として増備が続いている。2020年(令和2年)4月1日時点で系列全体の在籍数は138両に達し<ref name="RF711_別冊付録" />、JR北海道はもとより、JRグループ旅客6社の特急型気動車としては同日時点で最大の両数となっている<ref name="RF711_別冊付録" />。
 
本系列は大まかに宗谷本線向けの'''[[#0番台|0番台]]'''、2006年(平成18年)以降の増備車である'''[[#1000番台|1000番台]]'''、さらに1000番台をベースとした波動輸送用車両(多目的特急車両)'''[[JR北海道キハ261系気動車#5000番台|5000番台]]'''の3つのグループ([[番台区分]])がある<ref group="注">基本0番台については一部資料では、'''0基本番台'''や'''100番台'''との表記も見られる。また、JR北海道ではプレスリリース等において同一系列の車両の番台区分を「〜代」と呼称しており、本系列についても「'''261系0代'''」「同'''1000代'''」のように呼称している。</ref>。以下、本記事では番台ごとに記述する。
 
== 0番台 ==
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=== エクステリア(0番台) ===
{{Double image aside|right|JRH DMU261-100 Destination sign.jpg|220|JRH DMU261-100 sign board.jpg|220|基本0番台の側面行き先表示器<br />(特急「宗谷」)|基本0番台乗降口横の号車・座席種別案内札}}
軽量構造の[[ステンレス鋼|ステンレス]]製構体を採用する[[オールステンレス車両]]であり、ビード付きのヘアライン仕上げとしている<ref name="RF548_70-73" />。ただし、前頭部のみ[[炭素鋼|普通鋼]]製である<ref name="RF457_69-76" />。車体傾斜を実施するため、建築限界に収まるよう車体断面は客室窓下辺から上方が台形状に窄まる形状としている。
 
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=== 増備車(SE-104編成) ===
基本0番台は当初各ユニット3本づつの12両(4両編成3本に相当)のみで運用され、増結運用時の予備車がない状態であったが、2001年(平成13年)10月11日付で小樽方ユニット2両(SE-104ユニット)を増備し、同年11月1日から営業運転に投入した<ref group="JR北" name="jrhokkaido/press/2001/spsoya" />。この編成のみJR北海道の自社保有であり、座席への手すり設置、肘かけの大型化、補機駆動装置への定速回転装置設置<ref name="RF548_70-73" />など細部仕様に差異がある。
 
=== 喫煙スペース灰皿撤去 ===
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=== 車体傾斜装置使用取りやめ ===
[[ファイル:JRH DMU261-100 HET261.jpg|サムネイル|「HET261」に変更されたキハ261系基本0番台の先頭部ロゴ]]2014年(平成26年)[[8月30日]][[2010年代のJRダイヤ改正#8月30日|ダイヤ改正]]をもって、軌道や車両への負担軽減、機器トラブルの防止を目的として、本系列の車体傾斜装置の使用は取りやめられた<ref group="JR北" name="jrhokkaido/press/2014/140704-1" />。そのため、先頭車ロゴについては'''"HET 261''' ''Hokkaido Express Train'''''"'''に順次変更されている<ref group="記事" name="railf.jp/news/2015/09/22/204500" />。
 
=== 重要機器取替工事 ===
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}}
 
[[2006年]]([[平成]]18年)から断続的に製造が続くグループ。大幅な仕様変更により各部が基本0番台と互換性を持たない。
 
以下、本項中では、本番台の製造年次・形態差等による区分を「次車」として表記する。これについては[[#Tetsudokai201705|岩本(2017)]]、 [[#特急列車年鑑2020_10|中川(2019)]]における記述を参考とした。
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== 仕様(1000番台1・2次車登場時) ==
特記ない限り1次車登場時の仕様について述べる。床下機器配置などは基本0番台から踏襲しつつ、構体などは[[JR北海道789系電車|789系電車]]をベースとする。また、同時期に開発された[[JR北海道789系電車#1000番台|789系1000番台電車]]との共通点も多くみられる。
 
1 - 3次車の製造は、車体構体と台車を[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]から購入し、搭載機器や内装などの艤装作業は自社の[[北海道旅客鉄道苗穂工場|苗穂工場]]において自社およびグループ会社が担当する[[ノックダウン生産|ノックダウン方式]]を採った<ref name="RF548_70-73" /><ref name="railf.jp/news/2008/08/28/134100" group="記事" /><ref name="railf.jp/news/2009/08/27/113800" group="記事" /><ref group="注">JR北海道社内およびグループ会社の技術力向上・技術継承推進を図る観点から。また、基本0番台およびキハ283系を製造した富士重工業は2003年(平成15年)2月に鉄道車両製造事業から撤退([[新潟トランシス]]に事業譲渡)していた。</ref>。なお1次車落成当時、苗穂工場での車両製造はおよそ10年ぶり<ref group="注">1996年2月落成のキハ282-2001以来。</ref>、川崎重工業が国鉄・JRの気動車生産に関わるのは46年ぶりであった<ref group="注">1960年の[[国鉄キハ80系気動車|キサシ80形]]以来。</ref>。
 
=== エクステリア(1000番台1・2次車登場時) ===
{{Double image aside|right|JR Hokkaido 261-1000series Destination sign (Japanese).jpg|220|JR Hokkaido 261-1000series Destination sign (English).jpg|220|1000番台のLED式側面行先表示器(旧)(左:日本語表示時、右:英語表示時)}}
基本0番台同様、前頭部のみ普通鋼とした軽量ステンレス製構体であるが、789系基本0番台の仕様がベースである。このため基本0番台と比較して先頭車の車体長さが200 mm 長くなり、全車の車体高さも30 mm 低くなっている<ref name="RF548_70-73" />。車体側面はビード加工を省略し表面にダルフィニッシュ仕上げが施されている<ref group="注">789系基本0番台と同一の仕上げ。同時期に制作された789系1000番台では構体にレーザー溶接・鏡面仕上げが採用されているが、本番台では7次車まで用いられていない。</ref>。客用扉の配置・寸法・構造は基本0番台と同様である。
 
前頭部の意匠・灯火類配置は789系基本0番台とほぼ同一の貫通構造として、貫通幌はアダプタ付き中間幌の設置準備工事(ほろ掛金用穴等)に留めている<ref name="Nakagawa2019_13-14" /><ref name="RS&T135_33-40" /><ref group="注">先頭車を介した増結は通常考慮しないこととしたため。</ref>。
 
側面の[[方向幕|行先表示器]]は789系基本0番台と同等の、列車名・行先・号車表示・設備表示を一体とした3色[[発光ダイオード|LED]]式(日本語・英語交互表示)とし、サボ受けは廃止した。正面の[[ヘッドマーク|愛称表示器]]は789系基本0番台同様ロール幕式を用いる。
 
客室窓については789系1000番台同様、破損防止のため「[[ポリカーボネート]]&ガラス複合窓ユニット(商品名:IGP<ref>{{Cite press release|author= |url=https://toho-sf.co.jp/train/lineup.html#b|format=|language=日本語|title=IGP®(複合ユニット窓)|work= |publisher=東邦シートフレーム|date=|accessdate=2018-07-22|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180722144320/https://toho-sf.co.jp/train/lineup.html|archivedate=2018-07-22}}</ref>)」を採用し<ref group="注">耐擦傷性コーティングを施したポリカーボネート板(厚さ8 mm)と強化ガラス(厚さ4 mm)を空気層(11 mm)を介して[[複層ガラス]]のようにユニット化したもの。</ref>、従来の方式<ref group="注">[[強化ガラス]]を用いた[[複層ガラス]]の外側にポリカーボネート板を重ねユニット化したもの(「ポリカガード方式」)。785系500番台や789系基本0番台で採用。</ref>と比較して重量とコストが低減した<ref name="RF548_70-73" /><ref name="RJ492_65-67" /><ref name="RS&T135_33-40" /><ref name="JREA50_11_32891-32894"/>。また、側引戸窓などには単板のポリカーボネートを使用している<ref name="Nakagawa2019_14-16" />。
 
中間連結部は、幌が一体成型ゴム製のものに変更した<ref name="RF548_70-73" /><ref group="注">789系と共通のもの。基本0番台とは取付部形状が異なり互換性がない。</ref>。また、[[転落防止幌]]が設置された<ref name="RF548_70-73" />。
 
登場時のエクステリアデザインは基本0番台と同様ブロックパターンを踏襲したが、客用扉窓 - 戸袋部周囲・ロゴのアクセントカラーを黄色から[[オレンジ色]]<ref group="注">[[エゾスカシユリ]]の花をイメージしたもの。</ref>に変更した<ref name="RF548_70-73" />。
 
=== 機器類・車両性能(1000番台1・2次車登場時) ===
{{Double image aside|right|JRN DC261-1000 Engine N-DMF13HZJ 20071018 001.jpg|220|JRN DC261-1000 Truck N-DT261A 20071018 001.jpg|220|キハ260形(1300番台)の<br />主機関 N-DMF13HZJ形|キハ260形(1300番台)の<br />N-DT261A形台車<br />(2007年10月18日、帯広駅)}}
駆動機関は[[DMF13系エンジン (2代)|N-DMF13HZJ形]](定格出力460 PS / 2100 rpm)とし<ref name="RF548_70-73" /><ref group="注">燃焼効率向上による有害排出物の低減を図り燃焼室形状を変更したため。</ref>、加速性能・登坂性能向上のため<ref name="JREA50_11_32891-32894"/>、M1車を含む全車の機関を2基搭載とした。変速機は基本0番台と同一(N-DW16A形)である。台車は140 km/h走行にも対応する N-DT261A 形とされた<ref name="RF548_70-73" /><ref group="注" name=":2">車軸[[ジャーナル]]部(軸のうち[[軸受]]で支えられている部分)の直径を110 mm→120 mmに変更。</ref>。
 
補機駆動装置には、基本0番台SE-104編成ユニットで採用した定速回転装置(SGAD25M形)を各車2台設置し、電源供給を安定化した<ref name="RF548_70-73" />。
 
冷房装置は基本0番台と取り付け位置・大きさを共通化したN-AU201B形とした<ref name="RF548_70-73" />。[[冷媒]]を[[代替フロン|代替フロン(R-407C)]]としたことにより[[冷凍能力|能力]]は26,000 kcal/hに減少した<ref name="RJ492_65-67" />。
 
補助電源装置は[[静止形インバータ|静止型インバータ]](N-IV261)形とし、駆動装置等の制御に用いる系統の電圧については、基本0番台同様電車との総括運転制御を準備工事としているため<ref name="RF558_66-69" />、直流100 Vとした<ref name="RS&T135_33-40"/>。
 
[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ装置]]は伝送方式が基本0番台と異なり、互換性を持たない<ref name="RF548_70-73" />。
 
==== 車体傾斜装置(1000番台1・2次車登場時) ====
[[2013年]](平成25年)以前に増備された車両は[[振り子式車両#空気ばねストローク式|車体傾斜装置]]を装備した。基本0番台のものから制御装置をモデルチェンジし、傾斜角度の検知に用いる高さ調整弁(LV)装置を改良した<ref name="RJ492_65-67" /><ref name="RF558_66-69" />。{{-}}
 
=== 車内設備・インテリア(1000番台1・2次車登場時) ===
基本0番台のデザインを踏襲し、設備の配置もほぼ基本0番台と共通であるが、789系などでの改良点が反映されている。
 
==== 客室(1000番台1・2次車登場時) ====
{{Double image aside|right|JRH kiro261-1102 interior 20090408.jpg|220|KiHa 260-1102 interior 20090408.jpg|220|キロ261-1101のグリーン客室<br/>(2009年4月8日)|キハ260-1102の普通客室(登場時)<br />(2009年4月8日)}}
グリーン客室はMsc車の全車、8列に拡大された。座席は引き続き横1+2配列・1,145 mm間隔{{Refnest|group="注"|ただし、進行方向最前列は妻壁まで900 mm<ref name="RS&T135_33-40"/>。}}の牛革張りシートを採用したが、座席肩に手すりを設けている<ref group="注">但し枕形状が789系基本0番台のものと異なり、本系列基本0番台と同一。</ref>。コンセントは引き続き窓側のみの設置であるが、2人掛け側については2口としている。また床で使用している[[絨毯|じゅうたん]]は上質感と吸音性向上のため789系基本0番台と同等の[[ウール]]100 %へ変更し<ref name="RF548_70-73" /><ref name="Nakagawa2019_14-16" />、菱形模様ではなくなっている。
 
普通客室の座席は当初789系1000番台と機能面で同等の座席とされ<ref name="Nakagawa2019_14-16" />、座席肩に手すりを設けた。座席モケットは緑色と青色の2種類の平織布であった<ref name="RF548_70-73" /><ref name="Nakagawa2019_14-16" />。配置は引き続き横2+2配列・960 mm間隔である{{Refnest|group="注"|ただし、進行方向最前列は妻壁まで755 mm<ref name="RS&T135_33-40"/>。}}。
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==== その他設備(1000番台1・2次車登場時) ====
{{Double image aside|right|JR-Hokkaido 261-1102 cab.jpg|220|JRH DMU260-1326 vestibule.jpg|220|1000番台の運転台。ワンハンドルマスコンとタッチパネル液晶式のモニタディスプレイを装備する。|1000番台の乗降口付近。}}
運転台の構成は基本0番台に準じる。
 
設備配置も基本0番台を踏襲するが、789系の仕様が取り入れられ、M3車(後年M4車も設定)が新設されたことにより、以下のように変更した<ref name="RF548_70-73" /><ref name="RJ492_65-67" /><ref name="RS&T135_33-40"/>。
* 増結方式が異なるため、M1車・M2車の簡易運転台は準備工事とする。
* 各先頭車前位側出入り台に車掌台(戸閉スイッチ・ブザー・非常引きスイッチ)を新設<ref group="注">789系基本0番台やキハ283系と同等の設備。</ref>。
** この関係で先頭部の乗降扉横には開閉可能な小窓が設けられ、乗降扉の引き勝手が基本0番台と反対向きとなっている。
* Mcs車に多目的室を新設。
* Mcs車の車販準備室は基本0番台のカウンター構造をやめ、789系基本0番台と同様の構造に変更。
* Mcs・M1車に設置されていた喫煙スペースを廃止{{Refnest|group="注"|先行製造車落成前の2006年(平成18年)3月に道内完結の特急列車について車内全面禁煙化が行われている<ref name="jrhokkaido/press/2005/051222" group="JR北" />。}}。
* M1車車掌室向かいに設けていた開放構造の車掌台・自動販売機の設置用スペースを廃止。業務用室(密閉構造の車掌台)に変更。
* 便所を789系と同構造(FRPユニット)に変更。洗面台を廃止し、男子用小便所を新設。M1車の車いす対応トイレについては形状が台形から長方形となったため、通路のレイアウトを変更し、トイレ向かいに車いすスペースを設置。
* Mcs車とM3車(のちにM2車にも)客室外に大型荷物置場を設置。
* デッキドア回り内側の配色を、基本0番台の青から、789系基本0番台と同様の萌黄色に変更。{{-}}
 
== 編成・形式(1000番台) ==
以下、方面を示す場合、札幌駅在姿を基準とする。また、車内設備や諸元については特記ない限り1・2次車(M4車は7次車)のものとし、増備・改造による変更は後述する。
 
基本0番台と同様4両編成が基本組成であり、同番号の先頭車 + 中間車の2両がユニットとなっている。ただし、M1車とM2車について方向転換の上、連結位置を入れ替えている<ref group="注" name=":3">最短の4両に組成された際、基本0番台では小樽方から、Mc-M1+M2-Mcsの順で組成されるが、1000番台では小樽方からMc-M2+M1-Mcsの順で組成となる。</ref>。編成番号はユニットごとに付番され、車両番号に記号「ST(=Super Tokachi<ref name="RS&T135_33-40" />)」を冠し「ST-xxxx(車両番号)」のように表される。以下、文中でM1車を含むユニットを「ST-11xxユニット」、M2車を含むユニットを「ST-12xxユニット」と表記するが、これは本項における便宜上のものである。
 
増結時は、基本組成のユニット間に増結車 (M3車、M4車) を1両単位で挿入・組成し、最大10両編成までの組成が可能である<ref name="RS&T135_33-40" /><ref name="railf.jp/news/2016/03/27/200000" group="記事" /><ref group="注" name=":4">1・2次車登場時の紹介記事([[JR北海道キハ261系気動車#RF558|『鉄道ファン』通巻558号 pp.66-69]]など)では「8両編成まで」とされていた。</ref>。
551行目:
:: 釧路・函館方の先頭となるグリーン車(定員24名)、自重は45.5 t<ref name="RS&T135_33-40" />。札幌方のデッキと客室の間に多目的室・車販準備室・業務用室・荷物置き場(上段はリネン庫<ref name="RS&T135_33-40" />)を設ける。
:; キハ260形1100番台 (M1)
:: 中間に組成される移動制約者対応設備を設けた普通車(定員50名)、自重は43.2 t<ref name="RS&T135_33-40" />。1・2次車登場時の座席色は緑色。釧路・函館方にはトイレ(車椅子対応洋式・[[女性用小便器|男子小用]])を設ける。小樽方は車掌室(簡易運転台準備工事)と業務用室を設ける<ref name="RF548_70-73" />。移動制約者対応として、客室の釧路・函館方に車椅子対応座席と車椅子スペースを2席分設けている<ref name="RF548_70-73" /><ref group="注">このため基本0番台のM1車と比べて定員は1名減少。</ref>。屋根上にはFM文字多重放送受信用アンテナを設置する<ref name="Nakagawa2019_20-21" />。{{-}}
 
; ST-12xxユニット
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北海道では、国鉄末期に改造したキハ29・59形「[[アルファコンチネンタルエクスプレス]]」の投入を皮切りに、「リゾート車両<ref group="注">いわゆる「[[ジョイフルトレイン]]」に相当する概念。</ref>」を活用した観光列車やイベント列車の運行を行い、2019年(令和元年)時点でキハ183系[[クリスタルエクスプレス トマム & サホロ|5100番台「クリスタルエクスプレス」]]・同[[ノースレインボーエクスプレス|5200番台「ノースレインボーエクスプレス」]]の2編成を運用していた。この2編成についても老朽化に伴い順次用途廃止されることとなり<ref group="注">うちクリスタルエクスプレスについては2019年(令和元年)9月で運用終了。</ref>、その代替としキハ261系1000番台をベースに仕様を変更した本番台が製造されることとなった<ref name="Tetsudokai201905_51-54" />。
 
本番台は従来の「リゾート車両」と異なり「多目的特急型車両<ref name="RF717_54" />」と位置付けられ、従来リゾート車両が担当していた観光列車やイベント列車、[[修学旅行列車|修学旅行団体臨時列車]]以外に、予備車が少ないキハ261系基本0番台が充当されている「宗谷」「サロベツ」をはじめとする定期列車の代替輸送や<ref group="注">「宗谷」「サロベツ」の運行には2編成/日必要であるが、基本0番台をすべて使用して組成しても最大で3編成しか用意できない状態にある。</ref>、繁忙期の臨時列車などに対応可能としている<ref name="RF717_54" />。
 
「はまなす」「ラベンダー」の愛称を持つ5両編成2本(10両)が新製される予定であり<ref name="Tetsudokai201905_51-54" /><ref name="jrhokkaido/press/20190214" group="JR北" /><ref name="jrhokkaido.co.jp/press/20191017" group="JR北" />、「はまなす編成」が[[2020年]](令和2年)[[10月17日]]運転の団体臨時列車から運転を開始し<ref name="press/hokkaidorailway140_261-5000" group="JR北" />、今後「ラベンダー編成」が2021年(令和3年)4月頃から運用を開始する予定である<ref name="press/20200715_KO_261-5000" group="JR北" />。
891行目:
=== 苗穂運転所 ===
 
==== 基本0番台 ====
全14両が在籍する。先述の通り、SE-104編成を除き北海道高速鉄道開発が車両を保有する。
 
913行目:
 
=== 1990年代 ===
*[[1998年]]([[平成]]10年)[[12月3日]]:基本:0番台試作車4両が落成し、[[苗穂運転所]]に新製配置<ref name="RF459" />。同年12月から翌[[1999年]](平成11年)度にかけ以下の区間で試験を実施<ref name="RF467" /><ref name="RF457_130" />。
** 曲線通過性能試験:函館本線・宗谷本線([[手稲駅]] - [[小樽駅]]間{{Refnest|group="注"|キハ201系も同区間で試験を実施した<ref name="RF467" />。}}、札幌駅 - 稚内駅間)
** 冬季走行試験:函館本線・宗谷本線(札幌駅 - 稚内駅間)、千歳線・室蘭本線・函館本線(札幌駅 - 函館駅間)<ref name="RF457_130" />、函館本線・石北本線(札幌駅 - [[遠軽駅]]間)。
 
=== 2000年代 ===
*[[2000年]](平成12年)[[3月11日]]:基本:0番台が同日の[[2000年代のJRダイヤ改正#3月11日|ダイヤ改正]]より[[宗谷本線]]の[[特別急行列車|特急]]「[[宗谷 (列車)|スーパー宗谷]]」2往復で営業運転を開始<ref name="jrhokkaido/press/pressdaiya" group="JR北" />。当初の最高速度は130 km/h。
** 営業運転開始に際して、量産車8両が1999年(平成11年)12月に落成し、苗穂運転所に新製配置。
** 導入に伴う加速度向上・名寄以南の最高速度130 km/h運転および曲線通過速度の向上により、札幌駅 - 稚内駅間の直通列車の所要時間はダイヤ改正直前の時点の最速5時間50分(急行「サロベツ」)から最速4時間58分とし、52分短縮(うち、札幌駅 - 名寄駅間で38分短縮)された<ref name="RF457_69-76" /><ref name="jrhokkaido/press/pressdaiya" group="JR北" /><ref group="注">ただし、特急「スーパーホワイトアロー」と接続する急行「[[礼文]]」を利用した場合、札幌 - 稚内間は改正直前の時点で最速5時間21分であった。また、2013年(平成25年)11月1日ダイヤ修正直前の時点で、「スーパー宗谷」の所要時間は最速4時間56分だった。
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** [[10月13日]] :同日発表のプレスリリース「今後の都市間輸送対策について―都市間輸送対策検討委員会の主な検討結果―」において「『とかち』のオールスーパー化と『スーパーおおぞら』の増発」が検討されていることを記載<ref name="jrhokkaido/press/2004/041013" group="JR北" /> 。
* [[2006年]] (平成18年)
**[[3月18日]]:同日のダイヤ改正での道内特急全面禁煙化に伴い<ref name="jrhokkaido/press/2005/051222" group="JR北" />、基本0番台は喫煙スペースの灰皿を撤去しフリースペース化。
**[[9月28日]]:1次車(先行製造車)4両が落成し、[[札幌運転所]]に新製配置<ref name="RF555_特別付録" />。同年から翌2007年(平成19年)にかけて性能試験を実施した。
* [[2007年]] (平成19年)[[10月1日]] :同日のダイヤ改正から「とかち」系統5往復のうち特急「[[とかち (列車)|スーパーとかち]] 」2往復<ref group="注">1・4・7・10号</ref> に投入<ref group="JR北" name="jrhokkaido/press/2007/070711-1" /> 。
964行目:
 
* [[2017年]] (平成28年)[[3月4日]] :ダイヤ改正で以下のように変更<ref name="jrhokkaido/press/2016/161216-3" group="JR北" />
**宗谷本線の特急列車を札幌駅 - 稚内駅間の「宗谷」(1往復)と旭川駅 - 稚内駅間の「サロベツ」(2往復)に再編し、いずれも基本0番台を充当。
***これに伴い、宗谷本線特急の定期運用からキハ183系が撤退
**特急「北斗」1往復<ref group="注">6・19号</ref>を1000番台に置き換え、「スーパー北斗」に変更<ref group="JR北" name="jrhokkaido/press/2016/161216-3" />。
1,000行目:
* [[2021年]](令和3年)
**[[3月13日]]:ダイヤ改正で以下のように変更(予定)<ref group="JR北" name="20201209_KO_kaisei"/><ref group="JR北" name="press/20201218_KO_Daikai"/>
***基本0番台を使用する「サロベツ」は3号・4号を閑散期曜日運休に変更。
***「北斗」は1000番台を使用する23・24号を廃止、基本編成を5両に減車<ref group="注">このほかキハ281系使用の5・14号を閑散期曜日運休に変更。</ref>。
***「おおぞら」は全列車基本編成を5両に減車。
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**5000番台については下田(2021)をもとに編成表のみ掲載<ref name="RF717_54" />。
 
=== 基本0番台 ===
<div class="NavFrame" style="clear: both; border: 0px;">
<div class="NavHead" style="text-align:left;">SE-1xxユニット</div>
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== 改造歴 ==
 
=== 基本0番台 ===
<div class="NavFrame" style="clear: both; border: 0px;">
<div class="NavHead" style="text-align:left;">側窓強化改造</div>