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日本国内唯一の繊維学部を有する[[信州大学]]繊維学部教授の呉祐吉<ref>[https://ci.nii.ac.jp/naid/10002562856 呉 祐吉先生 GO Yukichi -日本の繊維・高分子の先駆者] 信州大学繊維学部、近藤慶之、[[CiNii]] 2021年4月1日閲覧。</ref>は、[[X線回折]]により天然綿であると確認し{{Sfn|二国二郎|1964|p=s196}}{{Sfn|二国二郎|1965|p=207}}{{Sfn|増田陸郎|1988-c|p=63}}、[[工芸作物]]の専門家である[[東京教育大学]]教授の西川五郎<ref>[https://ci.nii.ac.jp/author/DA02151958 西川五郎]、[[CiNii]] 2021年4月1日閲覧。</ref>は、完熟した陸地綿<ref>{{Cite Kotobank|word=陸地綿|author=デジタル大辞泉プラス|accessdate=2021-04-01}}</ref>であることを確認した{{Sfn|田尻保|1964|pp=172-173}}{{Sfn|二国二郎|1965|p=207}}。岡山大学附属大原農業生物研究所{{Efn2|[[倉敷市]]に所在する現、岡山大学資源植物科学研究所<ref>[https://www.rib.okayama-u.ac.jp/profile/profile4-1.html 大原奨農会農業研究所 創設者 大原孫三郎氏について] [[岡山大学資源植物科学研究所]]、2021年4月1日閲覧。</ref>。}}に所属する教授の小澤潤二は、濾紙泳動法を使って自然綿毛や市販脱脂綿と[[糖質]]が同一であることを確認した{{Sfn|増田陸郎|1988-c|p=63}}。
 
民間の専門家からも同様の結論が導き出されており、例えば倉敷レイヨン(現[[クラレ]])研究所の技師たちは様々な試験を行い、自然綿特有の[[ねじれ]]([[螺旋]]構造)や{{Sfn|田尻保|1962|p=65}}、中空<ref>{{Cite Kotobank|word=中空|author=デジタル大辞泉プラス|accessdate=2021-04-01}}</ref>の存在を確認している{{Sfn|二国二郎|1965|pp=206-207}}。このねじれについて岡山大学理学部の木村劼二<ref>[https://ci.nii.ac.jp/author?q=KIMURA+Katsuji 木村劼二]、[[CiNii]] 2021年4月1日閲覧。</ref>は自然綿と同じ「ねじれ」であるものの、その断面には市販の脱脂綿には見られない[[原形質]]{{Efn2|出典の記述ではプラズマ]](protoplasm)と表現されているが、誤解が生じるのでここでは原形質と表記する。}}が存在することを指摘している{{Sfn|増田陸郎|1988-c|p=63}}。
 
綿毛の中空内部には原形質物質<small>{{sic}}</small>が残存していて、これらの毛を[[苛性ソーダ]]で処置すると[[セルロース]]陽性反応となり、N農婦の創口から産出する物質は天然綿の種皮毛と同一のものであると[[同定]]された{{RefSfn|田尻保|1962|pp=66-67}}{{Sfn|稲田潔|1963|p=359}}。
 
ただし、天然綿と同一であったということは、見方を変えれば疑念材料のひとつになり得ず、赤木に対して「残念ながら真の綿毛に間違いなく、だれかがからだの中に置き忘れていたものでしょう。どうかお間違いをなさらないように」と、忠告した[[植物学]]の老大家もいた{{Sfn|赤木制二|1963|p=31}}。