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[[画像:Battaglia Gergovia 52ac.svg|230px|thumb|right|ゲルゴウィア包囲戦]]
'''ゲルゴウィアの戦い'''(仏:''Siège de Gergovie'')Gergovie)は、[[紀元前52年]]に行われた[[アルウェルニ族]]の[[ウェルキンゲトリクス]]をリーダー指導者とする[[ガリア]]連合軍とガリア総督[[ガイウス・ユリウス・カエサル]]率いる[[共和政ローマ|ローマ]]軍との[[闘]]である。
 
== 概要 ==
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ハエドゥイ族の調停が済んだ後、カエサルはローマ軍団を2分して、10個軍団の内の4個軍団をウェルキンゲトリクスに呼応して反ローマで決起した[[セノネス族]]と[[パリシー族]]に対応させるべく[[ティトゥス・ラビエヌス]]と共にルテティア(現:[[パリ]])方面へと派遣し、残りの6個軍団及びゲルマン騎兵をカエサル自らが率いて、アルウェルニ族の本拠・ゲルゴウィアへと進軍することとした。なお、ハエドゥイ族からの支援軍([[アウクシリア]])は後にゲルゴウィアへ向かうこととした。
 
ウェルキンゲトリクスはエラウェル川(現:[[アリエ川]])に架かっている全ての橋を破壊して、エラウェル川の向こう岸(ゲルゴウィア側)に沿って進軍した。カエサル軍はガリア軍からの攻撃こそ受けなかったものの、ウェルキンゲトリクスは[[偵察]]兵をエラウェル沿いに送り出して、カエサルが川を渡るのを見張っていた。そのため、カエサルは渡河することが困難であったが、ガリア軍を牽制する部隊と橋を構築する部隊の2手に軍を分けることでこれに対応し、[[ゲルマニア]]遠征での[[架橋]]経験も活かして早期で架橋を完了させ、エラウェル川を渡った。
 
=== ゲルゴウィア包囲 ===
エラウェル渡河地点から5日間ほど行軍してゲルゴウィアに到着したカエサルは、ゲルゴウィアが山頂に位置しているに正面からの攻撃が困難と判断して、ローマ軍が得意とする攻囲戦術を採ることとした。ローマ軍はゲルゴウィアから程近い小高い丘をガリア軍との攻防の末に奪取して、この丘とカエサルのいる本陣の間をガリア軍の攻撃から防御するために、幅12[[フィート]]に及ぶ2重の濠を掘った。
 
この包囲線を以てガリア軍の[[兵站]]を封じて、ウェルキンゲトリクスを兵糧攻めにする予定であったが、ウェルキンゲトリクスの内応策によってハエドゥイ族のコンウィクトリタウィスはガリア連合軍へ加担する意向を固めつつあり、またゲルゴウィアへ向かう予定のハエドゥイ族の軍兵10,000を率いるリタウィックス(Litavicus)はウェルキンゲトリクスへと合流する目論見であった。これを察知したカエサルは軍を率いてリタウィックスを捕らえようとしたが、リタウィックスはゲルゴウィアへと逃れた。ハエドゥイ族はコンウィクトリタウィスらの親ガリア派とウィリドマルス(Viridomarus)らの親ローマ派へ分かれた。
 
=== カエサル、ゲルゴウィア撤退 ===
リタウィックスによる反ローマの煽動はガリア全土に広まって、ガリアに居住するローマ人は殺害しくは奴隷として収奪された。これら反ローマの動きの高まりや、ハエドゥイ族の不穏な動きにより自軍の兵站に不安が生じたこともあって、カエサルはゲルゴウィアで包囲しているローマ軍が危地にあることを悟り、この期に及んではゲルゴウィアからウェルキンゲトリクスを誘き出すことが勝利を掴む唯一のチャンスであると判断した。
 
戦略上不利な立地([[城壁]]の上で戦うガリア軍と城壁の下から攻め上るローマ軍)にもかかわらず、いくつかの城壁の拠点を奪取したものの、数及び立地の不利は大きく、ウェルキンゲトリクスもカエサルの意図を見抜いてゲルゴウィアの守備に戦力を集中させたことから、ローマの劣勢は拭えなかった。[[第10軍団エクェストリス]]の奮闘により壊走には至らなかったものの、46名の[[ケントゥリオ]]および700名以上のローマ軍団兵が戦死、6,000名以上が負傷するという大きな被害を受けた。カエサルはゲルゴウィアの包囲を解いたものの、ウェルキンゲトリクスはゲルゴウィアから城外へ出撃する様子を見せなかったため、カエサルはエラウェル川を再び渡って、ハエドゥイ族(ウィリドマルス派)の領土へと撤退した。
 
この結果もあって、ガリアの内、[[レミ族]]・[[リンゴネス族]]および[[ゲルマン人]]と交戦状態にある[[トレウェリ族]]以外の100以上もの部族がガリア連合軍に結集することとなった。
 
 
== 参考 ==
*カエサル著、國原吉之助訳 『ガリア戦記』 [[講談社学術文庫]]
*[[塩野七生]] 『ユリウス・カエサル ルビコン以前 ローマ人の物語IV』 [[新潮社]]
 
== 参考文献 ==
*カエサル著、國原吉之助訳  『ガリア戦記』 [[ 國原吉之助訳、講談社学術文庫]]
*[[塩野七生]]  『ユリウス・カエサル ルビコン以前 ローマ人の物語IV』 [[ 新潮社]]
 
==関連項目==
{{commons|Category:Gergovie|ゲルゴウィア}}