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'''鼠小紋東君新形'''(ねずみこもんはるのしんがた)は[[歌舞伎]]の演目名。[[1857年]] ([[安政]]4年)[[1月]][[江戸[[市村座]]初演 作者[[河竹新七]](のち[[河竹黙阿弥]])五幕。通称'''鼠小僧'''
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'''鼠小紋東君新形'''(ねずみこもんはるのしんがた)は[[歌舞伎]]の演目名。[[1857年]] ([[安政]]4年)[[1月]][[江戸市村座]]初演 作者[[河竹新七]](のち[[河竹黙阿弥]])五幕。通称「鼠小僧」。
 
== あらすじ ==
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天保期に実在した盗賊、[[鼠小僧次郎吉]]に取材した[[松林伯円]]作の[[講談]]の劇化で、江戸情緒豊かな世話狂言である。
 
辻番所での幸蔵と与惣兵衛との親子の名乗りと、稲葉内の幸蔵と三吉とのやり取りが好評で、もっぱらこの二幕が上演される。とくに三吉を演じた当時14歳の十三代目市村羽左衛門(五代目[[尾上菊五郎 (5代目)|尾上菊五郎]])の名子役ぶりは、幸蔵役の四代目市川小團次をもうならせるほどの出来であった。羽左衛門は深川で蜆売りの一挙一動を熱心に観察し舞台に活用したのであった。果せるかなこれが名優菊五郎誕生のきっかけともなった。後年、菊五郎は幸蔵役を演じたとき、実子尾上幸蔵(のちの[[尾上菊五郎 (6代目)|六代目菊五郎]])に三吉役を当てている。
 
近年では七代目[[尾上菊五郎 (7代目)|尾上菊五郎]]が幸蔵を演じているが、このときは[[十七代目[[市村羽左衛門 (17代目)|市村羽左衛門]]演じる与惣兵衛が、世話狂言の精髄を凝縮した演技で好評であった。
 
劇中は「鼠小僧」のもじりの「稲葉幸蔵」の名で通しているが、三幕目の「鎌倉仲之町大黒屋の場」で初めて鼠小僧次郎吉で登場、花魁の難儀を救うが捕縛され、それが幸蔵の夢であったという趣向になっている。また、台詞の中に「鼠」にちなむ言葉がキーワードのように散りばめられ作者の機知がうかがわれる。