「フルオレセイン」の版間の差分
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{{chembox
| 画像ファイル = Fluoresceine.svg
| 画像サイズ = 170px
| 画像R1 = Fluorescein-sample.jpg
| 画像サイズR1 = 150px
| 画像L1 = Fluorescein.jpg
| 分子式=C<sub>20</sub>H<sub>12</sub>O<sub>5</sub>▼
| 画像サイズL1 = 75px
| 分子量=332.306▼
| IUPAC名 = 3',6'-Dihydroxyspiro[isobenzofuran-1(3H),9'-[9H]xanthen]-3-one
| CAS登録番号=2321-07-5▼
| 別称 = レソルシノールフタレイン、<br />黄色201号、C.I. 45350, solvent yellow 94, D & CイエローNo.7, angiofluor, soap yellow, Pyoverdin
| 形状=赤色粉末▼
| Section1 = {{Chembox Identifiers
| EINECS = 219-031-8
| PubChem = 16850
| 日化辞番号 = J7.875A
| SMILES = OC(C1=C(C(C(C=CC(O)=C3)<br>=C3O2)=C4C2=CC(C=C4)=O)C=CC=C1)=O▼
| MeSHName = Fluorescein
▲| SMILES=OC(C1=C(C(C(C=CC(O)=C3)<br>=C3O2)=C4C2=CC(C=C4)=O)C=CC=C1)=O
}}
| Section2 = {{Chembox Properties
| MolarMass = 332.306 g/mol
| Density =
| MeltingPt = 314 - 316 °C
| BoilingPt =
| Solubility = 微量
}}
| Section3 = {{Chembox Hazards
| MainHazards =
| FlashPt =
| RPhrases =
| SPhrases = {{S26}} {{S36}}
| Autoignition =
}}
}}
{{Chembox
| 画像ファイル=FITC-2D-skeletal.png
▲| name=フルオレセインイソチオシアネート
| 画像サイズ = 170px
| IUPAC名=
| 別
|Section1={{Chembox Identifiers
| 略称 = '''FITC'''
| CAS
|PubChem =18730
|日化辞番号 = J205.408F
| SMILES=C1=CC2=C(C=C1N=C=S)C(=O) OC23C4=C(C=C(C=C4)O)OC5=C3C=CC(=C5)O}}▼
| Section2={{Chembox Properties
|C=21|H=11|N=1|O=5|S=1}}
▲| SMILES=C1=CC2=C(C=C1N=C=S)C(=O) OC23C4=C(C=C(C=C4)O)OC5=C3C=CC(=C5)O
| 出典=
}}
'''フルオレセイン'''
== 概要 ==
フルオレセインは1871年、[[アドルフ・フォン・バイヤー]]により発見された。フルオレセインの吸収極大は[[波長]] 494nm(青色光)、放出する蛍光の極大は 521nm(緑色光、水中)であり、励起には[[アルゴン]]レーザーなどが利用できる。また[[等吸収点]](全ての[[水素イオン濃度|pH]]で等しい吸収を示す点)を 460nm に持つ。フルオレセインには「レソルシノールフタレイン」など多くの別名や慣用名がある。[[着色料]]としては「D&Cイエロー7」および「D&Cイエロー8」(二[[ナトリウム]]塩)の名で知られている。
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フルオレセインの[[平衡|電離平衡]]における[[酸解離定数|pKa]]は6.4である。従ってフルオレセインは pH5~9 の範囲でpH依存性の吸収と蛍光放出を示す。また、[[水素イオン|プロトン]]化/脱プロトン化されたフルオレセインの蛍光寿命はおよそ 3~4ns であり、これを利用してpHを測定することもできる。この寿命は時間相関単一光子計数法(time-correlated single photon counting; TCSPC)や蛍光寿命測定装置によって知ることができる。
[[ファイル:Fluorescein pH dependence.svg|300px|フルオレセインのpH依存性]]
== 誘導体 ==
フルオレセインには、'''フルオレセインイソチオシアネート'''(fluorescein isothiocyanate; '''FITC''')に代表される多くの[[誘導体]]が存在する。FITCはフルオレセインの[[水素|水素原子]]の一つを[[イソチオシアネート]][[基]]で置換した化合物(右図参照)であり、この部位でチオ尿素結合を形成し、[[細胞]]内[[タンパク質]]の第一級[[アミン]]と結合する。また、フルオレセイン骨格にスクシンイミジルエステルを付加した''N''-ヒドロキシスクシンイミド
その他の誘導体としては、オレゴングリーン、トーキョーグリーン<ref>{{cite journal |ACS| author = Urano Y, Kamiya M, Kanda K, Ueno T, Hirose K, Nagano T | title = Evolution of Fluorescein as a Platform for Finely Tunable Fluorescence Probes | journal = [[米国化学会誌|J. Am. Chem. Soc.]] | year = 2005 | volume = 127 | issue = 13 | pages = 4888-94|doi=10.1021/ja043919h}}</ref>、SNAFL、カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセインジアセテート(carboxy fluorescein diacetate; CFDA)などがある。これらの誘導体はAlexa(Molecular Probes)や DyLight(ピアス社)といった新参の色素と共に、より高い光安定性、多彩なスペクトル特性・結合特性が要求される[[化学]]・[[生物学]]用のアプリケーションに仕立てられ、利用されている。
== 合成 ==
フルオレセインの合成は[[無水フタル酸]]と[[レソルシノール]]を反応物とし、[[塩化亜鉛]]の存在下で[[フリーデル・クラフツ反応]]を経て行われる。
[[
反応[[触媒]]としては、塩化亜鉛の他に[[スルホン酸]]も用いられる。
== 利用 ==
[[
[[
[[
=== 入浴剤 ===
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=== 眼科学 ===
フルオレセインナトリウムは[[眼科学]]における診断試薬として広く使われている。溶液を眼に滴下したり、[[静脈]]に[[注射]]したりする事によって[[血管造影]]を行う。フルオレセイン[[目薬|点眼]]は[[角膜]]の擦過傷、[[潰瘍]]、角膜[[ヘルペス]]、[[ドライアイ]]などの診断に効果的である。一方造影は[[加齢黄斑変性]]、[[糖尿病網膜症]]、眼内の[[炎症]]・[[腫瘍]]などの識別に利用される。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
== 関連項目 ==
* [[染色 (生物学)]]
* [[緑膿菌]] - フルオレセインを産生する[[真正細菌|細菌]]
▲{{reflist|2}}
== 外部リンク ==
88 ⟶ 104行目:
* [http://probes.invitrogen.com/handbook/figures/0571.html フルオレセインの電離](Invitrogen、英語)
[[Category:
[[Category:
[[Category:蛍光色素]]
[[Category:生物学の研究技術]]
[[ca:Fluoresceïna]]
|