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[[ファイル:Waste dumping in a slum of Cap-Haitien.jpg|thumb|220px|left|[[カパイシャン]]の[[スラム]]。]]
 
[[ハイチ]]は[[西半球]]で最も貧しい国と言われており、国民の80%は劣悪な[[貧困]]状態に置かれている。また国民の70%近くが、自給のための小規模な農場に依存しており、経済活動人口の3分の2が[[農業]]に従事しているが、規模が零細である上に[[灌漑]]設備等の農業インフラが不十分で[[天水]]に依存した伝統的農法に頼っており、過耕作、土地の荒廃なども影響して、農業生産性は低く、[[食料自給率]]は45%、米の自給率は30%未満である。そのため、恒常的に食糧不足で、食料需要の大半を海外からの輸入と援助に大きく依存しているが、人口の約半数に相当する380万人は慢性的に[[栄養失調]]状態にある。かつて[[フランソワ・デュヴァリエ]]時代はハイチは国際的にも孤立していたため、食糧の自給は最重要課題であり、政府の保護政策によって、食糧自給率は80%とを誇ったが、民主化後はアメリカのコメが多量にハイチにも入るようになり、ハイチのコメ価格は暴落した。量でも質でも太刀打ち出来ないコメ農家は次々と[[田んぼ]]を放棄し、都市へ仕事を求めるようになった。そのためハイチの食料自給率は急落した。
 
こうした中、2007年3月、9月の豪雨、8月、10月、12月の熱帯性暴風雨等の自然災害により、全国で約4万世帯が被災し、同国穀倉地帯も甚大な被害を受けたため、国連による緊急アピールが複数回出された。自然災害による食糧不足のため国内生産物の価格が上昇したが、ほぼ同時期に穀物の国際価格も高騰したため、本年2月現在において食糧価格は前年度比で20%以上も上昇しており、貧困層にとって食糧入手が一層、困難な状態になっている。こうした食糧価格の高騰による影響は市民の抗議行動、[[暴動]]へとエスカレートし、首相が解任される事態までに発展し、ハイチの生殺与奪の権をすべて[[アメリカ]]が握っていることをハイチ国民に露呈することになった。
 
1996年に就任したプレヴァル大統領以来、若干の雇用が創出されたが、効果は上がっていない。国際的な支援を得られないでいるため、必要とする開発支援を確保できない状態にある。主な外貨収入は[[コーヒー豆]]の輸出と国外在住のハイチ人からの送金と国際的な援助ぐらいである。軍部はアメリカへの麻薬密輸で莫大な利益を得ていたとされる。