「法華七喩」の版間の差分

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#'''化城宝処'''(けじょうほうしょ、化城喩品)
#:宝のある場所(宝処)に向かって五百由旬という遥かな遠路を旅する多くの人々がいた。しかし険しく厳しい道が続いたので、皆が疲れて止まった。そこの中に一人の導師がおり、三百由旬をすぎた処で方便力をもって幻の城を化現させ、そこで人々を休息させて疲れを癒した。人々がそこで満足しているのを見て、導師はこれは仮の城であることを教えて、そして再び宝処に向かって出発し、ついに人々を真の宝処に導いた。この物語の導師は仏で、旅をする人々は一切衆生、五百由旬の道のりは仏道修行の厳しさや困難、化城は二乗の悟り、宝処は一乗の悟りであり、仏の化導によって二乗がその悟りに満足せずに仏道修行を続けて、一乗の境界に至らしめることを説いている。法華経では、遥か昔の[[大通智勝仏]]が出世された時、仏法を信じられず信心を止めようと思った人々が、再び釈迦仏の時代に生まれて仏に見(まみ)え、四十余年の間、様々な教えを説いて仮の悟りを示し理解して、また修行により真の宝である一乗の教えに到達させることを表している。
#'''衣裏繋珠'''(えりけいゅ、五百弟子受記品)
#:ある貧乏な男が金持ちの親友の家で酒に酔い眠ってしまった。親友は遠方の急な知らせから外出することになり、眠っている男を起こそうとしたが起きなかった。そこで彼の衣服の裏に高価で貴重な宝珠を縫い込んで出かけた。男はそれとは知らずに起き上がると、友人がいないことから、また元の貧乏な生活に戻り他国を流浪し、少しの収入で満足していた。時を経て再び親友と出会うと、親友から宝珠のことを聞かされ、はじめてそれに気づいた男は、ようやく宝珠を得ることができた。この物語の金持ちである親友とは仏で、貧乏な男は声聞であり、二乗の教えで悟ったと満足している声聞が、再び仏に見え、宝珠である真実一乗の教えをはじめて知ったことを表している。
#'''髻中明珠'''(けいちゅうみょうしゅ、安楽行品)