「PK/PD理論」の版間の差分

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== 抗菌薬のPD/PD ==
抗菌薬は濃度依存性に効果を示すものと時間依存性のものとが存在する。濃度依存性タイプとは名前の通り、抗菌薬の血中濃度が高いほど殺菌作用が強くなるタイプであり、[[アミノグリコシド系抗生物質|アミノグリコシド系]]や[[ニューキノロン系]]が該当する。[[抗真菌薬]]では[[トリアゾール系]]や[[ポリエンマクロライド系]]、[[キャンディン系]]が濃度依存性の効果を持つ。濃度依存性タイプは下記に解説するPK/PDパラメータのうち、Cmax/MICあるいはAUC/MICが薬効と相関する。
 
一方、時間依存性タイプとは血中濃度が[[最小発育阻止濃度]](MIC)を上回っている時間(T/MIC)が多いほど薬効が強くなるタイプであり、[[β-ラクタム系]]や[[グリコペプチド系]]、[[カルバペネム系]]、抗真菌薬の[[フルシトシン]]が当てはまる。
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*Cmax/MIC
:Cmax/MICは濃度依存性タイプの薬物の作用と相関するパラメータであり、定常状態のCmaxをMICで割った値である。[[ゲンタマイシン]](GM)や[[アミカシン]](AMK)などの[[アミノグリコシド系抗生物質|アミノグリコシド系]]の薬物がCmax/MICを指標としているが、1日1回にある程度の量を投与してCmaxを高くすることで強い抗菌作用が期待できる。しかし、アミノグリコシド系は[[副作用]]として腎障害を引き起こすことが知られており、繰り返し薬剤を投与した際の投与直前値([[トラフ値]])が十分に低い値になっていない場合に副作用が多く発生する。そのため、有効性と安全性を高めるために[[薬物血中濃度モニタリング]](TDM)で血中濃度の推移を十分に観察し、高いピーク値と低いトラフ値を維持するように心がける。Cmaxを高くしたいばかりに過量投与とならないよう注意すべきである。
 
*AUC/MIC