「春分点」の版間の差分

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春分点は別名を'''白羊宮の原点''' (the first point of Aries) ともいう。この ''Aries'' は[[十二宮|黄道十二宮]]の[[白羊宮]](黄経0°~30°)であって[[星座]]の「[[おひつじ座]]」のことではないが、紀元前2世紀に黄道十二宮が整備されたとき、「おひつじ座」に春分点があったので、同名(欧米では星座名と十二宮名は全く同じ)の白羊宮が十二宮の起点となった。
 
[[キリスト教]]では、「[[うお座]]」を神聖な星座と考えていた。それは、'''Ιησους Χριστος, Θεου ‘Υιος Σωτηρ'' ([[キリスト|イエス・キリスト]]、神の御子、救世主)の頭文字 Ι-Χ-Θ-Υ-Σ- を繋ぐと[[ギリシア語]]で「魚」を意味する 'ιχθυς (ichthys) となることと、キリストが生まれたときに春分点が「うお座」にあったためである。なお、春分点は現在も「うお座」にある(右図参照)
 
== 水瓶座の時代 ==
<!--[[西洋占星術]]-->[[ニューエイジ]]の間では、春分点の存する星座<!--(ただし春分点ではなく[[赤経]]を基準に12等分したもの)-->がその時代(1つの星座で約2千年)を象徴するとされる。春分点は紀元後[[1世紀]]から[[20世紀]]までは「うお座」にあったが、20世紀末ごろに「[[みずがめ座]]」に入ったとしている(現在移行中との説もある)。これを支持する論者ため間で、現代は「水瓶座の時代 (the age of Aquarius)」 と呼ばれている。<!--占星術の世界では-->「みずがめ座」は変革を象徴していると考えられており、何らかの世界的変革があると主張している。
 
「水瓶座の時代」 は一部の[[占星術]]師が持ち出したりすることもあるが、伝統的な[[西洋占星術]]とは関係がない。実際に春分点が「みずがめ座」に入り込むのはこの主張より500年以上後のことである<ref>鈴木敬信 (1986) 『天文学辞典』、地人書館、225頁。</ref>。また、[[十二宮]]と違い[[星座]]の領域は不均等なので、「~座の時代」の期間は2千年とは限らないなど、十二宮と星座が混同されており、この主張は理論的に成り立たない。また、占星術における時代区分は春分点の移動とは関係がないとの主張もあるが<ref>ウド・ベッカー(編)『図説・占星術事典』、同学社。</ref>、そうなると占星術における時代区分の根拠そのものを失ってしまう。

なお、'''アクエリアン・エイジ''' (Aquarian age) を直訳するいうと「[[宝瓶宮]]生まれの人の時代」<!--あるいは「水道局員の時代」-->という意味になってしまう
 
=== その他の解釈 ===
近年では、「水瓶座の時代」に対する批判などから理論を修正している'''水瓶宮の時代'''([[宝瓶宮]]の時代)とする説も主張されてある。「'''宮'''」は星座のように地球からの主観的な星の集合ではなく、[[黄道]]帯上のエリアを指す。
 
この説によると、星座とは[[惑星]]の位置観測上便宜的に決められた[[住所]]のようなものであり、西洋占星術における各星座の名称が現在のものになったのも、春分点を基準に黄道帯360度を12分割した際に近くにあったメジャーな星座の名称を借りたに過ぎないとしている。黄道帯はあくまで地球を中心とした360度のことなので、黄道帯を30度ごとに12分割し[[白羊宮]]の0度に春分点があった時点を基準点とすると、現在は11番:宝瓶宮と12番:[[双魚宮]]の間に春分点があるという論である。
 
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上記は以下より一部抜粋
 
*水瓶「座(地球からの主観的な星の集合)」ではなく水瓶「宮(黄道帯上のエリア)」の時代のことであると上の理論を訂正する説がある。
 星座とは惑星の位置観測上便宜的に決められた住所のようなものであり西洋占星術における各星座の名称が現在のものになったのも春分点を基準に黄道帯360度を12分割した際に近くにあったメジャーな星座の名称を借りたに過ぎない、というもの。