うお座(水色の網目の交点と赤い破線との交点が春分点)
地球から見た天球上の太陽の動き

春分点(しゅんぶんてん、: vernal equinox)とは、黄道天の赤道との2つの交点(分点)のうち、黄道が南から北へ交わる方の点(昇交点)のこと。この点が赤経0時かつ黄経0度であり、この点を太陽が通過する瞬間が春分となる[1]。(公転している地球から見て、太陽が動いているということ)

春分点は黄道座標赤道座標の原点である。天球上における春分点の位置は、地球の歳差によって西向きに移動する。その周期は25800年である。太陽太陰暦二十四節気の定め方のひとつである定気法でも春分点を基準とする(平気法では冬至)。

目次

春分点と星座編集

春分点は別名を白羊宮の原点 (the first point of Aries) ともいう。この Aries黄道十二宮白羊宮(黄経0°~30°)であって星座の「おひつじ座」のことではないが、紀元前2世紀に黄道十二宮が整備されたとき、「おひつじ座」に春分点があったので、同名(欧米では星座名と十二宮名は全く同じ)の白羊宮が十二宮の起点となった。

キリスト教では、「うお座」を神聖な星座と考えていた。それは、'Ιησους Χριστος, Θεου ‘Υιος Σωτηρイエス・キリスト、神の御子、救世主)の頭文字 Ι-Χ-Θ-Υ-Σ- を繋ぐとギリシア語で「魚」を意味する 'ιχθυς (ichthys) となることと、キリストが生まれたときに春分点が「うお座」にあったためである。なお、春分点は現在も「うお座」にある(右上図参照)。

ニューエイジにおける主張編集

水瓶座の時代編集

ニューエイジの間では、春分点の存する星座がその時代(1つの星座で約2千年)を象徴するとされる。春分点は紀元後1世紀から20世紀までは「うお座」にあったが、20世紀末ごろに「みずがめ座」に入ったとしている(現在移行中との説もある)。これを支持する論者の間で、現代は「水瓶座の時代 (the age of Aquarius)」と呼ばれている。「みずがめ座」は変革を象徴していると考えられており、何らかの世界的変革があると主張している。

「水瓶座の時代」 は一部の占星術師が持ち出したりすることもあるが、伝統的な西洋占星術とは関係がない。実際に春分点が「みずがめ座」に入り込むのはこの主張より500年以上後のことである[2]。また、十二宮と違い星座の領域は不均等なので、「~座の時代」の期間は2千年とは限らないなど、十二宮と星座が混同されており、この主張は理論的に成り立たない。また、占星術における時代区分は春分点の移動とは関係がないとの主張もあるが[3]、そうなると占星術における時代区分の根拠そのものを失ってしまう。

なお、アクエリアン・エイジ (Aquarian age) を直訳すると、「宝瓶宮生まれの人の時代」という意味になる。

参考文献編集

  • 阿部秀典「訳者あとがき」ジャン・カレルズ (1996) 『占星術大全』、青土社、338~342頁。

注釈編集

  1. ^ 質問3-1)何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの? 国立天文台、よくある質問
  2. ^ 鈴木敬信 (1986) 『天文学辞典』、地人書館、225頁。
  3. ^ ウド・ベッカー(編)『図説・占星術事典』、同学社。

関連項目編集