削除された内容 追加された内容
m +{{出典の明記}}
22行目:
このような細長く特殊な材質のパイプを高品質で製造することが難しく、初期の原子炉で使用された被覆管では、ピンホールの発生などによる核分裂生成物(FP)の漏出事故が発生している。このうち原因の多くが原子炉運転中の出力変化に伴い、燃料棒の温度変化によって生じる熱応力によるものと判明してからは、燃料棒の健全性を保つため原子炉出力の急な変化を避けるように運転が行われている。すなわち緊急の場合を除き、原子炉の起動と停止は、一日以上の時間をかけてゆっくりと行われ、燃料棒に対して余計なヒートショックを与えないような配慮がなされている。
 
被覆管は運転中に発生する[[核分裂生成物]](FP)を外部に漏らさないために運転中のあらゆる条件下、及び想定される事故の環境下で健全性を保つ必要がある。また内部の核分裂物質は[[原子核分裂]]に伴う[[崩壊熱]]を放出しているため、高温に耐え、かつ[[冷却材]]に熱がよく伝わるように熱伝導率の高い物質で無ければならない。冷却材と反応して健全性を損なうことの無いように、安定した物質であることも重要である。さらに燃料ペレットは運転中の温度変化や、生成した核分裂生成物(FP)による膨張つまり「[[スエリング]]」や、縮小つまり「焼きしまり」といった体積変化を起こすため、燃料被覆管に局所的な応力を発生させる。これらの応力に耐えて、また原子炉運転中の震動等に耐える機械的な強度を持たせる必要がある。
 
[[File:Nuclear_fuel_element.jpg|thumb|right|350px|[[加圧水型原子炉]]の[[燃料集合体]] 原子力貨物船 NSサバンナ号のもの。]]
 
=== 燃料棒 ===
[[燃料棒]](Fuel rod)と燃料集合体は炉の形式により形態が異なる。