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生物学的な見地から見ると、色素の持つ色彩以外の機能の方が重要な場合も多い。代表的な例としてヘム鉄が挙げられる。ヘムの中心金属が[[鉄]]である[[ヘモグロビン]]と[[ミオグロビン]]、あるいは金属が[[銅]]である[[ヘモシアニン]]とが存在する。前者2者は赤色で、後者は淡青色であるが、いずれも生体内では[[酸素]]の運搬に関与する重要な色素であり、色とその能力に直接的な関係は無い。[[チトクローム]]等ほかにも生体内では種々の色素が存在するが、このように、生体内で重要な機能を担っているが、たまたま色彩を持っている為に色素と呼ばれるものも多い。
 
人間活動における色素の位置づけを考える時、人間の印象に与える色彩の影響力には強いものがある。それ故、種々の顔料あるいは染料が、市場で取引される商品に特徴を与えるものとして求められてきた。[[19世紀]]に[[有機化学]]が最初に実用化された分野の一つが染色の化学であった。同世紀に[[軽工業]]が産業化するとともに多くの色素が求められ、有機化学の発展とともに多くの色素が発見・開発された。また、色素による染色法を応用することで多くの[[細胞小器官]]が発見され[[細胞生物学]]の発展に色素が寄与した。そして、生物学と同様に[[生理学]]や[[医学]]の発展にも色素と染色とが応用され、医療技術の発展にも大きく寄与している。例えば、色素が持つ染色の選択性から、[[パウル・エールリヒ|エールリッヒ]]は「[[魔法の弾丸]]」という着想を得、それが[[化学療法剤]]の礎となった。
 
また現代社会に目を転じてみると、機能性色素は[[写真]]、[[コピー]]、[[印刷]]、光通信媒体、光記録媒体などを始めとして、色素は種々の[[情報メディア]]に大量かつ広範囲に利用されている。したがって、色素の存在なくしては今日の[[情報化社会]]は語ることが出来ない。