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{{otherusesOtheruses||石ノ森章太郎の漫画作品|天敵 (石ノ森章太郎)}}
{{出典の明記|date=2011年10月}}
[[ImageFile:Hierodula patellifera preys on maculaticollis.JPG|thumb|270pxright|250px]]
 
'''天敵'''(てんてき、Predation)[[英語]]predation)とは、対象とする[[生物]]にとって、重要な捕食者か、それに代わり得る能力を持った生物のことである。
 
転じて、[[生物学]]以外でも不倶戴天の敵、自分が苦手とする人というような[[意味]]で使われることがある[[言葉]]である。
 
== 天敵とは ==
[[自然界]]では、生物は食う食われるの関係でつながっている。ここで”食う”というのは、必ずしも[[捕食]]を意味するものではなく、[[寄生]]であっても、相手を殺すことになれば、それも含める。たとえば[[寄生バチ]]のような[[捕食寄生]]のものや[[病原体]]も含まれる。そのような生物を、食われる側の生物の天敵と呼ぶ。
 
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人工的環境である[[農地]]では、このような構造が維持されないので、[[害虫]]が大発生することがよくある。また、それまでそこにはいなかった生物([[移入種]])が進入した場合にも、このような関係が成立しないので、大発生が引き起こされる可能性がある。
 
== 天敵による害虫防御 ==
農地においては、先にも述べたように、害虫の大発生は起こりやすい。しかも、[[農業]]のための資材などを通じて、移入種が進入する機会も多いので、なおさらに危険である。農業の作業に害虫防除の占める部分は大きい。
 
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農薬の登場以来、害虫対策はほとんどが農薬使用になったが、最近では、その弊害が多く指摘されるようになり、その代替策の一つとして、天敵を害虫防除に利用することが上げられている。そのために特定の害虫に対する天敵を生産し、販売されている例もある。
 
== 天敵利用の功罪 ==
天敵を利用した害虫防除は、うまく行けば大変な効果を上げる。何しろ天敵の方で勝手に殖えてどんどん害虫を食ってゆくのだから当然である。特に、移入種の[[昆虫類|昆虫]]を防除する場合、それを捕食またはそれに寄生する昆虫を探してきて持ち込み、効果を上げた例が多数ある。[[イセリアカイガラムシ]]に対する[[テントウムシ|ベダリアテントウ]]、[[ルビーロウカイガラムシ]]に対するルビーアカヤドリコバチなど、今ではこれらのカイガラムシを見るのが難しいほどの防除効果を上げている。
 
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また、外来の天敵を持ち込む場合、天敵が、目標だけを攻撃するかどうか分からない場合がある。[[沖縄本島|沖縄]]で、[[ハブ (動物)|ハブ]]退治を目的に[[マングース]]を放したのはこの例である。結果として、ハブは減ったかどうか不明で、むしろマングースによる[[ヤンバルクイナ]]など[[固有種]]が食害され、問題となっている。また、[[タヒチ]]や[[ハワイ諸島]]、[[父島]]では[[アフリカマイマイ]]の駆除のために[[ヤマヒタチオビ]]を導入したところ、ヤマヒタチオビはより捕食の容易な現住の陸生貝類を攻撃し、いずれの地域でもほとんどの貴重な固有種が絶滅に追い込まれている。寄生性の昆虫等、天敵がごく狭い攻撃対象を持つものでは、この危険は少なくなるが、それでも、害虫と近縁の自生の昆虫が攻撃される場合があるようだ。
 
== 関連項目 ==
*[[生物農薬]]
*[[バンカープランツ]]
 
[[Category:農薬|てんてき]]
[[Category:生態学|てんてき]]
 
== 外部リンク ==
* [http://wiki.tenteki.org/index.php 天敵Wiki] - 天敵利用研究会
 
{{DEFAULTSORT:てんてき}}
[[Category:農薬|てんてき]]
[[Category:生態学|てんてき]]
 
[[ko:천적]]