「陛下の仰せのままに」の版間の差分

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'''女王陛下の仰せのままに'''(じょおうへいかのおおせのままに、{{lang-en-short|'''at Her Majesty's pleasure'''}}、男性の王の場合は''His Majesty''、''Queen's Pleasure''とも略される)は、[[王冠 (英連邦王国)|王冠]]から生じる政府の全ての合法の権力に由来する法律[[専門用語|用語]]である。[[イギリス]]を発祥とし、現在は[[英連邦王国]]全体で使用されている。君主が[[副王]]によって代理されている[[王国]]([[レルム]])では、この言い回しは ''at the Governor's pleasure''(総督の仰せのままに)と修正される。これは、[[総督]] (governor-general, governor) あるいは[[副総督]] (lieutenant governor) が、その国、州 (state, province) における女王の人格代理であるからである。大統領制の政府を持つ国家では、この言い回しは最高行政官の称号に合わせて適合される。
 
文脈に応じて、「'''女王陛下より沙汰あるまで'''」、「'''女王陛下のお許しがあるまで'''」、「'''女王陛下の意向に基づいて'''」などとも和訳されている。
 
==王冠への奉仕==
統治者によって王冠に仕えるよう任命された国民および与えられた執務室を占める間に制限が定められていない者—例えば、[[総督]]、{{仮リンク|王冠の内閣|en|Minister of the Crown|label=王冠の大臣}}、[[裁判官]]—は、「陛下の仰せのままに仕える」と言われる。[[カナダ]]では、州[[カナダの副総督|副総督]]は[[カナダ国王]]の連邦代理である[[カナダの総督|総督]]に任命され、ゆえに{{仮リンク|1867年憲法法|en|Constitution Act, 1867}}に記述されているように「総督の仰せのままの期間 (during the pleasure of the Governor General)」役職につく<ref>{{Citation| last=Victoria| author-link=ヴィクトリア (イギリス女王)| publication-date=29 March 1867| title=Constitution Act, 1867| series=V.59| publication-place=Westminster| publisher=Queen's Printer| url=http://www.solon.org/Constitutions/Canada/English/ca_1867.html| accessdate=2010-01-21}}</ref>。同様に、[[オーストラリア]]の王冠の内閣は、[[オーストラリア憲法|オーストラリア連邦憲法]]によって「[[オーストラリアの総督|総督]]の仰せのままの期間」奉仕するよう任命される<ref>{{Citation| author=[[ヴィクトリア (イギリス女王)|Victoria]]| publication-date=1 January 1901| title=Commonwealth of Australia Constitution Act| series=II.62| publication-place=Westminster| publisher=Queen's Printer| url=http://www.aph.gov.au/senate/general/constitution/constit.pdf| format=PDF|accessdate=2011-12-07}}</ref>。
 
==投獄==
この用語は、監獄あるいは[[精神病院]]での期間が定められていない[[有期刑|留置]]を説明するのに用いられる<ref>{{Citation| last=Blackstone, William| author-link=ウィリアム・ブラックストン| publication-date=1836| title=Commentaries on the Laws of England: in four books; with an analysis of the work, Volume 2| series=24| publication-place=London| publisher=Law Booksellers & Publishers}}</ref>。裁判官は個人を重罪あるいは[[心神喪失]]の基づき「女王陛下の仰せのお許しがあるまの期間」留置することを裁定する<ref>{{Citation| last=George V| author-link=ジョージ5世 (イギリス王)| publication-date=1933| title=Children and Young Persons Act 1933| series=53| publication-place=Westminster| publisher=King's Printer}}</ref>。これは再犯の大きな危険がある場合に用いられることがある。しかしながら、これは大抵[[無期刑|終身刑]]の代替として少年犯罪者に対して最もよく用いられる(終身刑は少年犯罪者に対しては当然ずいぶん長い)。例えば、イギリスの{{仮リンク|2000年刑事裁判所権限 (宣告手続) 法|en|Powers of Criminal Courts (Sentencing) Act 2000}}では、「法律によって量刑が終身刑と決められた殺人あるいはいかなるその他の犯罪で有罪宣告を受けた者が、犯罪を犯した時点で18歳未満である場合、裁判所は(本法律あるいはその他のいかなる法律にもかかわらず)女王陛下の仰せのお許しがあるまの期間その者を拘禁することを宣告する。」とされている<ref>{{Citation| last=Elizabeth II| author-link=エリザベス2世| publication-date=2000| title=Powers of Criminal Courts (Sentencing) Act 2000| series=90| publication-place=Westminster| publisher=Queen's Printer| url=http://www.statutelaw.gov.uk/content.aspx?LegType=All+Primary&PageNumber=6&BrowseLetter=P&NavFrom=1&parentActiveTextDocId=2138843&ActiveTextDocId=2138986&filesize=2129| accessdate=2010-01-21}}</ref><ref>{{cite journal|url=http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/235/023501.pdf|title=英国2004年ドメスティック・バイオレンス、犯罪及び被害者法|author=中川かおり、岡久 慶|journal=外国の立法|volume=235|year=2008|pages=4-76}}</ref>。
 
陛下の仰せのままに拘禁された囚人は、この宣告が完了したと見なされるかどうかがたびたび審査される。この権限は伝統的に国王にあるが、このような審査は現在その他の者{{mdash}}例えばイギリスでは{{仮リンク|内務大臣 (イギリス)|en|Home Secretary|label=内務大臣}}{{mdash}}によって行われる。最低刑期もまた定められ、その前は囚人は放免されない。イギリスでは、元々内務大臣によって定められていたが、2000年11月30日からは予審判事によって定められている<ref name=min-terms>{{cite web| url=http://www.hmcourts-service.gov.uk/cms/619.htm| last=Her Majesty's Courts Service| authorlink=女王陛下の裁判所| title=Legal/Professional > Minimum Terms > Review of Minimum Terms set for Young Offenders detained at her Majesty's Pleasure| publisher=Queen's Printer| accessdate= 2010-01-21}}</ref>。囚人の刑罰は、審査期間が「犯罪者の態度および振る舞いに顕著な変化が見られたと納得した」時に通常完了する<ref name=min-terms />。