「八つ墓村 (1977年の映画)」の版間の差分

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1970年代後半の横溝ブーム(漫画化~映画化にいたる経緯は「[[石坂浩二の金田一耕助シリーズ]]」の項を参照)を受けて、松竹は監督の野村芳太郎をはじめ、脚本の橋本忍、撮影は川又昂、音楽に芥川也寸志と、『[[砂の器]]』を制作した陣営を投入、東宝作品などと競うように封切られ、目論見どおり配収19億8600万円という[[松竹]]映画の歴代に残る大ヒット作となった。
 
探偵・[[金田一耕助]]の役には[[渥美清]]を配するなど、同時期の[[東宝]]配給による[[石坂浩二の金田一耕助シリーズ|石坂浩二のシリーズ]]とは作風が大幅に異なる。<ref>しかし原作者の横溝正史によれば、自分のイメージした金田一耕助に一番近いのは、本作で金田一を演じた渥美清であるとの事である。</ref>事件を「祟りに見せかけた犯罪」ではなく「本当の祟り」として描き<ref>オカルト見識では、同じ土地で周期的な大惨劇が繰り返されたら、曰く付の呪いスポットであり、怪奇映画仕立てのロジックも正しい。</ref>、登場人物の設定も大幅に変更し、推理劇風のオカルト映画へとアレンジした異色作となった。テレビCMで流された濃茶の尼のセリフである「祟りじゃ~っ」は[[キャッチコピー]]として[[流行語]]にもなった。
 
クライマックスでは、金田一による謎解きのくだりが短縮され、背景を地中の[[鍾乳洞]]洞窟とした迫力ある恐怖描写に替わっている。もうひとつの大きな特長は、舞台を現代(公開当時)へと移し、原作発表時の昭和20年代に舞台をとった東宝のシリーズとは大きく一線を画したことである。特に、[[日本航空]]とのタイアップをとって辰弥の職業を空港職員に設定、近代的なジェット機離着陸場面で幕を開け、失われつつある農村風景や前近代的風習とのコントラストを強調した。