'''運転の安全の確保に関する省令'''(うんてんのあんぜんのかくほにかんするしょうれい)は、[[鉄道]]及び[[軌道 (鉄道)法|軌道]]の運転業務に従事する者が従うべきとされる[[規範]]を表明した[[運輸省]](現在の[[国土交通省]])の[[省令]]である([[1951年|昭和26年]][[7月2日]]運輸省令第55号)。全3条で構成され、第1条で省令の目的が、第2条で規範が、第3条で省令の実施措置について定められている。この省令は、鉄道輸送の現場において極めて重要な規範であり、鉄道関係の教育現場でも教えられ、国土交通省が実施する[[動力車操縦者]]試験の筆記試験においては、どの種別においても必ず出題される。難しい専門用語が多い鉄道関連法規の中でも平易でシンプルな規程であり、最も重要な規範が凝縮したものである。
== 制定の経緯 ==
1951年(昭和26年)[[桜木町事故]]が発生し、戦後の輸送優先よりも安全の重要性が重視され制定のきっかけとなる。その後1962年(昭和37年)、[[三河島事故]]も発生し、さらに安全の重要性が問われることとなった。
== 条文 ==
[[鉄道営業法]](明治三十三年法律第65号)第1条及び[[軌道法]](大正十年法律第76号)第14条の規定に基き、運転の安全の確保に関する省令を次のように定める。<br>
(目的) <br/>
第1条 この省令は、鉄道及び軌道の運転の業務に従事する者(以下「従事員」という。)が常に服ようすべき運転の安全に関する規範を定め、その安全保持の理念を確立し、もつて輸送の使命を達成することを目的とする。 <br/>
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(規範)<br/>
第2条 従事員が服ようすべき運転の安全に関する規範は、左の通りとする。 <br/>
一 綱領<br>
((一) ) 安全の確保は、輸送の生命である。<br/>
((二) ) 規程の遵守は、安全の基礎である。<br/>
((三) ) 執務の厳正は、安全の要件である。<br/>
二 一般準則<br/>
((一) ) 規程の携帯<br/>
:従事員は、常に運転取扱に関する規程を携帯しなければならない。<br/>
((二) ) 規定の理解<br/>
:従事員は、運転取扱に関する規定をよく理解していなければならない。<br/>
((三) ) 規定の遵守<br/>
:従事員は、運転取扱に関する規定を忠実且つ正確に守らなければならない。<br/>
((四) ) 作業の確実<br/>
:従事員は、運転取扱に習熟するように努め、その取扱に疑いのあるときは、最も安全と思われる取扱をしなければならない。<br/>
((五) ) 連絡の徹底<br/>
:従事員は、作業にあたり関係者との連絡を緊密にし、打合を正確にし、且つ、相互に協力しなければならない。<br/>
((六) ) 確認の励行<br/>
:従事員は、作業にあたり必要な確認を励行し、おく測による作業をしてはならない。<br/>
((七) ) 運転状況の熟知<br/>
:従事員は、自己の作業に関係のある列車(軌道にあつては車両)の運転時刻を知つていなければならない。<br/>
((八) ) 時計の整正<br/>
:従事員は、職務上使用する時計を常に整正しておかなければならない。<br/>
((九) ) 事故の防止<br/>
:従事員は、協力一致して事故の防止に努め、もつて旅客及び公衆に傷害を与えないように最善を尽さなければならない。<br/>
((十) ) 事故の処置<br/>
:従事員は、事故が発生した場合、その状況を冷静に判断し、すみやかに安全適切な処置をとり、特に人命に危険の生じたときは全力を尽してその救助に努めなければならない。<br/>
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2第3条 鉄道及び軌道の経営者は、前 項条の規 程範に従つて運転の 実施安全に関 し、常に従事員する規程を 指導し、及び監督し定めなければならない。 <br /> ▼
第3条2 鉄道及び軌道の経営者は、前条項の規範に従つて運転程の安全実施に関する規程し、常に従事員を定め指導し、及び監督しなければならない。 <br/>
▲2 鉄道及び軌道の経営者は、前項の規程の実施に関し、常に従事員を指導し、及び監督しなければならない。 <br>
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