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独力で他の神々を生み出したため、両性具有の存在とされる。後年、アトゥムの妻となる存在が与えられたが、この妻「イウサーアス」もしくは「ヘテベト」は、アトゥムと完全に切り離された存在ではなく、アトゥムの身体の一部にして女性的な部分、即ち、アトゥムの「手」を象徴し、アトゥムの「手」に神格を与えた存在とされる。
 
また、こうした神話の一方で、アトゥムは「朝の太陽」として世界を照らす神であるとも信じられていた。そのため、後には[[太陽神]][[ラー]]と[[習合]]して「'''ラー・アトゥム'''」となる。
 
アトゥムは、[[ケプリ]]やラーといった他の太陽神の姿に次々と変じながら、昼と夜を旅して、悪しき蛇「[[アポピス]]」と戦うとされる。
 
アトゥム信仰は[[下エジプト]]第13ノモスの州都「ヘリオポリス」で起こったとされる。その成立年代ははっきりしないが、おそらくヘリオポリスが都市としての役割を果たすようになった頃には、既に創造神として崇められていた。他にも[[上エジプト]]第2ノモスの[[エドフ]]など、ナイル川西岸の都市や、ナイル川下流のデルタ地帯のいくつかの都市で、信仰されていた。
 
ヘリオポリスには、太陽神であるアトゥムを象徴するベンベン石があり、信仰の対象となっていた。アトゥムはこの石の上に立ち、世界を照らしたとされる。しかし、後にこの石は、ラーや[[アメン]]を象徴することになった。
 
アトゥム信仰はあらゆる太陽神信仰の根底にあったものの、アトゥム独自の祭礼が行われることはなかった。
 
アトゥムは[[ファラオ]]の魂が神になるのを助ける存在としても崇められていた。そのため、後年、アトゥムは冥界を旅する魂を守る神とされた。
 
== 出典 ==