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真島はこの論文で「年を経るごとに表面に亀裂が増え、さらに[[コンクリート]]そのものの劣化によって鉄筋の錆が誘発され、被覆コンクリートが少しずつ剥落していく様子を見て、「こんな状態の建物に大きな地震がやってきたら一体どうなるのか」という不安にかられたのです。」「欧米で開発された鉄筋コンクリートという技術を地震国である日本にそのまま持ち込むのは危険ではないか」という疑念を抱いたのでした。」と「私も最初は鉄筋コンクリートの信仰家」と前置きしながら、鉄筋コンクリート構造の耐久性に対し疑問符を投げかけている。
 
また耐震法を、「西欧建築のように、壁体を剛強にして地震動に正面から腕ずくで対抗する方法」と「日本の木造建築や鉄骨造の如く、撓みやすい架構として地震動を避ける方法」の二つとし、当時の研究者の実測値から「前者の壁体で剛強な建物は自己振動周期は1秒以下、後者の柔軟な建物のそれは1秒以上と考えられ 前者1秒以下のものを剛性建築、後者1秒以上を柔性建築」と定義、「大地震の周期は平均して約1~11~1.5秒、関東大地震のそれは1.5秒。ただ、その数値は地盤により異なり、東京下町では1秒内外で、建物の周期が地震のそれに近い場合、建物は大振動を起こす。当時の西洋建築物の振動周期は0.3~1秒で地震の周期に近かったから被災を避け得なかったのも当然と言える」とした。
 
さらに、「耐震構造」を考えるには「建物の固有振動周期と地震の周期の関係を無視することはできない。剛性建築を耐震にするには、その固有振動周期を常に0.5秒程度以下とする必要があるが、建物が多少でも損傷すると振動周期はそれを越え1に近づく」ゆえ、粘靭性を欠く壁体で地震に完全に対応することは難しいと考えるべきであるとした。