「税理士」の版間の差分

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税制においても、[[1947年]](昭和22年)以降、従前の賦課課税方式から自己申告方式である申告納税方式が採用される等民主化の観点からの見直しが行われた。日本の税制・税理士制度の近代化に大きな影響を与えたものとして[[1949年]](昭和24年)に来日したコロンビア大学教授シャウプ博士を団長とするシャウプ税制使節団の報告書いわゆる[[シャウプ勧告]]がある。
この勧告は、税制において申告納税制度の普及定着のため青色申告制度をはじめ日本の税制を体系的に大きく改革させると同時に、税理士制度についても税務代理士制度を廃止させ新たに税理士法を制定させる契機となった。これは、各府県が徴収してきた地租を所得税中心の税制に転換し、徴税権を大蔵省へ集中する制度設計となっており、大蔵省主税局が政策立案し、外局である国税庁が税を徴収する組織となった。税理士は国民と行政庁との橋渡しをする代理人としての役割を担い、国税庁により税理士は監督下に置かれている。このような日本の税理士制度はシャウプ勧告の内容を理念として制定されている。シャウプ勧告では税理士制度について「納税者の代理人」という標題のもと論じている。この勧告の中では税務に関する専門家([[コンサルタント]])である税理士の果たすべき役割として次のように記述されている。
 
「納税者の代理人を立派につとめ、税務官吏をして法律に従って行動することを助ける積極的で見聞のひろい職業群が存在すれば適正な税務行政はより容易に生まれるであろう。また、引き続いて、適正な税務行政を行うためには、納税者が税務官吏に対抗するのに税務官吏と同じ程度の精通度をもってしようとすれば、かかる専門家の一段の援助を得ることが必要である。したがって、税務代理士階級の水準が相当に引き上げられることが必要である。かかる向上の責任は主に大蔵省の負うべきところである。税務代理士の資格試験については、租税法規並びに租税及び経理の手続きと方法のより完全な知識をためすべきである。」