「アーサー・ウェイリー」の版間の差分

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'''アーサー・ウェイリー'''(''Arthur(Arthur David Waley'', [[1889年]][[8月19日]] - [[1966年]][[6月27日]])は、[[イギリス]]の[[東洋学]]者。
 
== 来歴・人物 ==
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== 源氏物語 ==
アーサー・ウェイリー訳は抄訳版であり、欧米人に理解しやすいよう原書にない説明を入れるなど工夫が見られる(例えば、「[[鈴虫 (源氏物語)|鈴虫]]』第38帖まるごと英訳していない)。そのため、「自由すぎる翻訳」「原作に忠実でない」と批判がある一方、そのアレンジにより「原作より面白いのではないか」「原作を離れ、別の(素晴らしい)世界を構築している」と評する人達さえいる。当時「タイムズ紙」が「現代作家でもここまで心情を描ける作家はいない」と絶賛するなど、現在世界的に[[紫式部]]の評価が高いのは、紹介したウェイリーの功績とも言える。また同書に触発され、[[日本研究]]を志し大成した[[日本学者]]も多い。更に源氏物語を起点に他のウェイリーの訳著『The 'No' Plays of Japan』を読み、初めて[[能]]に興味を持った人も多く、日本文化に対するその後の国際的評価の高まりを考えるに、直接のみならず間接を含む影響は極めて大きい。なお<The〈The Tale of Genji>Genji〉はその後、[[イタリア語]]、[[ドイツ語]]、[[フランス語]]などに二次翻訳された。現在でも在日外国人記者などが、来日前に上司に薦められる書とも言われ、日本を理解する必読の一冊とされる。
 
“The Tale of Genji”を基にした[[佐復秀樹]]訳『源氏物語 ウェイリー版』が[[平凡社ライブラリー]]全4巻で、2008年から2009年にかけ刊行された。
 
== 影響 ==
[[ドナルド・キーン]]がウェイリー訳の<The〈The Tale of Genji>Genji〉を読み「源氏物語がもたらした光明が忘れられぬ」と語っている他、日本研究家・中国研究家、翻訳家、文壇、文化人らに多数影響を与えた。音楽の世界においては[[ビートルズ]]のメンバー(当時)だった[[ジョージ・ハリスン]]の「[[ジ・インナー・ライト|The Inner Light]]」はウェイリー訳『[[老子道徳経]]』の一節(第四七章)から引用された、との指摘もある。また、他の音楽家においても、[[コンスタント・ランバート]]が[[李白]]の詩を元に作曲し、[[マーチン・ダルビー]]がウェイリー訳に基づいて中国(風の)曲を作曲した。その他、直接か間接的な影響かは不明ながら[[コーネリアス・カーデュー]]が[[孔子]]の詩に曲付けを試みるなど、世代に関係なく様々な影響を西洋にもたらしたとされる。
 
== 研究対象としてのウェイリー ==
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== 著作 ==
『The Tale of Genji』以外にも、1919年に『Japanese Poetry The 'Uta'』(和歌集で[[万葉集]]、[[古今和歌集]]ほか)、1921年に『The  'No'  Plays of Japan』([[能]]で[[敦盛 (能)|敦盛]]ほかの[[謡曲]]集、新版が2009年2月にチャールズ・イー・タトル出版で刊行)、1928年に『The Pillow Book of Sei Shonagon』([[清少納言]]、[[枕草子]])他多数の英訳。
 
古典[[中国文学]]では『The Book of Songs』([[詩経]])、『The Way and Its Power』([[老子]]、[[道徳経]])、『The Analects of Confucius』([[孔子]]、[[論語]])、『Monkey』([[西遊記]]、1993年に講談社英語文庫)、『The Poetry and Career of Li Po』([[李白]] 詩と人生)他多数を英訳出版した。以下が邦訳。
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[[Category:日本学士院客員]]
[[Category:大英博物館の人物]]
[[Category:ユダヤ系イギリス人]]
[[Category:ケント出身の人物]]
[[Category:ケンブリッジ大学出身の人物]]
[[Category:ラグビー校出身の人物]]
[[Category:ユダヤ系イギリス人]]
[[Category:ケント出身の人物]]
[[Category:1889年生]]
[[Category:1966年没]]