「マジノ線」の版間の差分

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また、対ベルギー国境に強固な要塞群が築かれなかったのは予算不足でも隣国に対する配慮でもなく、来るべき次の戦争において、ドイツ軍に正面攻撃を躊躇わせ、先の大戦同様ベルギーを通るように仕向けるための高等戦略であったとする説もある。
 
実際、ベルギー側からマジノ線をベルギー国境まで延ばしてほしいという要望が盛んにあったが、フランス側にはベルギー国境をあえて開放することで、以下のような利点があった。<ref>栗栖弘臣 「攻防思想の背景」『陸戦研究』陸戦学会、1985年2月号</ref>
* フランス側からすればベルギー国境を要塞化しても、ドイツ軍がベルギー方面から迫った場合、フランスの工業地帯が砲撃の射程内に入ってしまって意味が無い。このため、ドイツ軍がベルギーに侵攻した際には逆にフランス軍がベルギー領に入り、そこに防衛線を築いたほうが工業地帯防衛には得策である。
* ベルギー及びフランスがドイツの手に落ちることをイギリスが黙って見ているはずはない。ベルギーにドイツが侵入しやすいようにしておいたほうが、イギリスを味方とするのに都合が良い。
* ベルギーを迂回して時間を稼がせることで、フランスが兵力を集中する余裕ができる。
マジノ線から動かせなかったというのは、ドイツ軍が[[ジークフリート線]]をマジノ線に対面させる形で建設させていたため動かせなかったというのがある。塹壕戦の発想で動いているため敵が強固な陣地を築いている時は相応の戦力で挑むしかなかったというのがある。
 
 
==ドイツ軍の対マジノ線兵器==
ドイツ軍は対フランス戦線においてマジノ線を突破するために、さまざまな大口径の砲を開発することとなったが、それらが実際にフランス戦線で用いられることはなく、後に主戦場となる東部戦線において用いられた。