「1997年ドイツグランプリ」の版間の差分

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オープニングラップでは[[エディ・アーバイン]]、[[ハインツ=ハラルド・フレンツェン]]、[[デビッド・クルサード]]が接触しピットインしたがアーバインとフレンツェンはそのままリタイア、タイトルを争う2人のチームメイトたちが姿を消す展開となった。クルサードもフロントノーズを交換してコースに復帰したものの、直後にマシントラブルに見舞われストップしてしまった。
 
28周目に[[ヤン・マグヌッセン]]がエンジンブローによりストップ、コース脇にマシンを停めてリタイアとなった。一見単なるマシントラブル時点ではレースに影響はないように見えたが、のちに大きくレース結果を左右することになる。
 
その後もポールポジションからスタートしたベルガーが快走を見せ、2番手のフィジケラが食いついて行く展開になる。ベネトンは2ストップ作戦を、ジョーダンは1ストップ作戦をそれぞれ敢行する。ベルガーが2度目のピットインを終えた34周目、わずかにフィジケラが先行したが、シケインでベルガーが再び抜き返すなど白熱したトップ争いが展開される一方、予選で失敗し躓いたヴィルヌーヴルーキーの[[ヤルノ・トゥルーリ]]をかわそうとしてスピン、グラベルにつかまって手痛い無得点に終わった。
 
ベルガーは後続との差を徐々に広げていき、フィジケラもベルガーを追撃していく。しかしレースも終盤にさしかかった39周目、28周目にリタイヤしたマグヌッセンのエンジンの小さな破片を踏んでしまったフィジケラの左リアタイヤがバースト、フィジケラはなんとかピットに戻ってタイヤを交換したもののマシンへのダメージは予想以上に大きく、翌周にふたたびピットに戻ると失意のうちにマシンを降りた。
 
ベルガーは病み上がりの影響を微塵も感じさせない完璧な走りを見せポールポジションからトップでチェッカー。ファステストラップも記録する完全勝利([[ハットトリック]])を達成、1年前の同じグランプリで終盤[[デイモン・ヒル]](当時ウィリアムズ)の追撃を受けながら激しいトップ争いを演じるも残り3周でエンジンブローに泣いた屈辱を晴らした。2位にシューマッハ、3位には[[マクラーレン]]の[[ミカ・ハッキネン]]が入った。4位にはルーキーのトゥルーリが健闘を見せ、5位にも同じくルーキーの[[ラルフ・シューマッハ]]、6位にベルガーのチームメイト[[ジャン・アレジ]]が入賞を果たした。残り4周でマシンを降りたフィジケラは11位完走扱い。
 
ベルガーにとってキャリア最後の勝利となり、ベネトンにとっても最後の勝利となった。奇しくもベネトンの初優勝は[[1986年メキシコグランプリ]]においてベルガーにもたらされたものであり、それもまたベルガー自身にとって初優勝であった。
 
現役最年長の大ベテランのベルガーと若きフィジケラの健闘が光るレースとなった。
 
レース後のパレードラップ中、ミハエル・シューマッハはマシンから降りていたフィジケラを見つけ、「タクシー役」を買って出て自分のマシンの搭乗に誘う。フィジケラも誘いに応じてフェラーリマシンにまたがり一緒にピットへ戻った。