「金券ショップ」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2012年4月}}
'''金券ショップ'''(きんけんショップ)とは、[[金券]]を取り扱う[[古物商]]のこと。'''チケットショップ'''や'''金券屋'''などともいわれる。
 
== 概説 ==
主に、大都市のビジネス街や駅前に多く集中し、特に[[新橋駅]]前[[ニュー新橋ビル]]、[[新宿駅]]西側と[[大阪駅前ビル|大阪駅前第1 - 第4ビル]]は日本有数の出店地区である)する。中には、人が集まりやすく一定の需要が見込める[[スーパーマーケット]]や[[ショッピングモール]]内に店舗を構えたり、店舗の営業時間外に販売を行う自動販売機を設置している金券ショップ業者もある。
 
[[商品券]]や[[乗車券]](主に[[回数券]])などの売買で得られた[[差也|利ざや]]が金券ショップの基本的な収益であるが、現状ではそれだけで収益を稼ぐことは厳しくなってきたため、コンサートプロスポーツなどのチケットの委託販売や[[外貨両替]]などによる手数料収入が、収益のウェイトを占めるようになっている。そのほかにも、中古[[携帯電話]]や[[スマートフォン]]の買い取りや販売、[[スポーツ振興くじ|toto]]の取扱い、[[金]]・[[プラチナ]]の買取などを行う金券ショップも現れており、取り扱い品目は多種多様化している。
 
またそれ以外にも、中古[[携帯電話]]や[[スマートフォン]]の買い取りや販売、[[スポーツ振興くじ|toto]]の取扱い、[[金]]・[[プラチナ]]の買取などを行う金券ショップも現れており、取り扱い品目は金券だけに留まらず、多種多様化している。
 
なお、金券類、外貨両替などの買い取り・販売価格については、概ねの相場はあるものの、[[レート]]自体は基本的に金券ショップが各自で決めたものによるため、同一エリアの店舗間であっても価格が異なることはある。
 
収益が見込める駅周辺に、[[自動販売機]]による無人店舗が設置されているケースもある。無人とはいえ販売店なので、自動販売機には古物商標識が貼られている。あらかじめ金券(主にバラ売り回数券)が封筒や小箱に入った状態で販売され、自動販売機横には封筒や小箱を回収する入れ物が備え付けられている。自動販売機での格安切符販売は[[滋賀県]]の業者が始めたという説があり、日本チケット商協同組合の調査によれば、日本全国に設置されている格安切符の自動販売機の3割は滋賀県内にあるという<ref>{{Cite web|url=http://style.nikkei.com/article/DGXNAS18ABF01_V10C14A2AA1P00?page=2|title=390円が250円 格安切符の自販機、関西になぜ多い|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2014-02-23|accessdate=2017-07-07}}</ref>。
古くから営業している店舗では、古銭(現在ではほぼ流通しない[[紙幣]]・[[硬貨]])・[[記念硬貨]]やプレミアものの[[記念切手]]などを扱ってきた店が、そのまま延長で行っているケースが多いが、そうでない店舗は古銭などを扱うことは少ない。
 
[[1997年]](平成9年)7月に[[古物営業法]]が改正される前は、金券のみ取り扱う事業者には古物商の許可は必要なかったが、法改正後は金券ショップも[[リサイクルショップ]]同様に、[[都道府県]]の[[公安委員会]]による営業許可が必要になった。
 
[[1997年]](平成9年)7月に[[古物営業法]]が改正される前は、かつて金券のみ取り扱う事業者には古物商の許可は必要なかったが、[[1997年]](平成9年)7月に[[古物営業]]が改正後はされ、金券ショップも[[リサイクルショップ]]同様に[[都道府県]]の[[公安委員会]]による営業許可が必要になった。
[[自動販売機]]によるケースも存在しており、あらかじめ封筒や小箱に入った金券が納められている。金券自販機を収益が見込める駅周辺に設置している業者がある。無人とは言え販売店なので自販機に古物商標識を貼り付けている。自販機横には封筒や小箱を回収する入れ物が備え付けられている。自販機での取扱商品はバラ売り回数券が多い。
 
== 主なビジネスモデル・取り扱い商品 ==
; [[金券]]の売買
: {{seealso|金券#主な金券}}
: 金券ショップのオーソドックスなビジネスモデル。買い取り希望者から安価で仕入れ、購入希望者に利ざや分を上乗せして販売する。その差額が収益となる。招待券は買い取りできないケースもある。
: 招待券は買い取りできないケースもある。
; [[回数券]]のバラ売り
: 鉄道会社の一般的な[[回数乗車券]]は、基本的に指定された区間の10回分の運賃で同区間の11回分の切符を一度に発売されてい形式となっておりためそれをバラ売りするというもの。例えば、一般的な回数券は9%程度の割引となるので、180円区間の回数券の切符では1枚あたりの仕入れ値は163円強である。これらの回数券を1枚ごとに普通運賃より幾分安く販売することで、定期券や回数券を購入するほどは該当路線を利用しない乗客であっても、ある程度安く乗車することが出来る。また、顧客から買い取った[[プリペイドカード]]([[オレンジカード]]など)を使って、これらの回数券を購入すること利益は若干上が<ref>かつては安価で仕入れた[[イオカード]]や[[Jスルーカード]]などで回数券を購入し、それをバラ売りするケースが目立ったが、イオカードやJスルーカードなどは発売自体が中止となったこと、また偽造カードの流通が発覚したことで、プリペイドカードによる回数券の購入が制限されるようになったため、そのようなケースは見かけなくなっている。</ref>。[[昼間特割きっぷ]]時差回数券・土休日限定回数券<ref>のように利用可能時間に制限あるものの、通常の回数券より割引率の高い回数券。これらは10回分や、[[新幹線]]運賃一部区間12〜14回分の切符を発売されている。</ref>など[[新幹線回数券]]よく取り扱われる。近畿地方ではターミナル駅の改札前に出店している店舗が多く、主力商品となっている。
: 顧客から買い取った[[プリペイドカード]]([[オレンジカード]]など)を使って回数券を仕入れると利益は若干上がる。かつては安価で仕入れた[[イオカード]]や[[Jスルーカード]]などで回数券を購入してバラ売りするケースが目立ったが、イオカードやJスルーカードなどは発売自体が中止となったこと、また偽造カードの流通が発覚したことで、プリペイドカードによる回数券の購入が制限されるようになったため、そのようなケースは見かけなくなっている。
: [[新幹線]]の一部区間で「[[新幹線回数券]]」が発売されており、金券ショップでバラ売りされた新幹線の回数券を扱っている。出張や観光などに使われている。
: [[大阪市営地下鉄]]や路線バスなど一部の事業者では、回数券を廃止した代わりに回数カードを発行しているケース事業者もある。こういった事業者の路線では回数券のバラ売りは難しいのと手間がかかるので、回数カードを定価より幾分安くして販売している。
: 近畿地方では、ターミナル駅の改札前に出店(一例として[[京橋駅 (大阪府)|京橋駅]]や[[大阪阿部野橋駅]]など)している店舗が多く、券売機で正規の値段で買うよりも若干安価であることから、バラ売りの回数券は主力商品となっている。
: 首都圏や京阪神などの[[JR]]線の[[大都市近郊区間 (JR)|大都市近郊区間]]運賃は、乗車券分割購入すると運賃が安くなる区間が、首都圏・京阪神地域などに多く存在する。そうした路線の利用者のために、(A駅からB駅)+(B駅からC駅)といった2枚セット<ref>遠距離では3枚セットで販の回数券がバラすることもあされている。普通回数券の場合、[[特別急行券#新幹線特急券|新幹線特急券]]を支払え別途購入すれば新幹線乗車利用できるケースため、3枚を超える長距離区間のバラ売り行われてい。但<ref>ただ[[自動改札機]]や[[自動精算機]]では対応しないため、出場の際は有人改札を通ることとなる。</ref>で回数券のバラ売りをすることも多い
: [[大阪市営地下鉄]]や路線バスなど一部の事業者では、回数券を廃止した代わりに回数カードを発行しているケースもある。こういった事業者の路線では回数券のバラ売りは難しいのと手間がかかるので、回数カードを定価より幾分安くして販売している。
: 鉄道・バスだけでなく、有料道路などの回数券のバラ売りも行われている場合がある。
: かつては[[航空券]]にも回数券制度が存在したため、路線ごと<ref>回数券の発行は各航空会社毎であるが、同一路線であれば他社分でも共通で使用可能であった。</ref>に航空券の回数券のバラ売りも行われていた。ただし記名式・切り離し無効であったため、航空券の場合は「(金券ショップで会員登録〜)金券ショップからのレンタル〜使用後一定期間内に返却」というルールの下で販売が行われていた。現在では割引制度の拡充と引き換えに回数券制度が廃止されたため、航空券における回数券のバラ売りは行われていない。
; [[株主優待券]]
: 鉄道・航空会社の[[株主]]に配布される[[株主優待券]]は、乗車する距離にかかわらず、その会社の路線の1回の乗車が無料になったり長距離乗車券が割引になったりするなどの特典があるが、その沿線外に居住したり鉄道を利用しない株主にとっては全く無用のものとなる。飲食業者の株主優待券も同様であり、特に安価であることをセールスポイントにした企業の無料券などは、富裕層の株主には無用であることがある。それらを当該株主などから仕入れて、一定の価格をつけて販売するもの。
: 航空券の場合、上記の通り回数券制度が廃止されたこともあり、現状では各航空会社が発行する株主優待券を併用して、正規運賃より安価で販売している。航空運賃の自由化もあり、路線によっては航空会社によって価格が異なるケースもある。例えば[[全日本空輸|ANA]]の場合、株主優待券1枚で国内線正規運賃の50%で搭乗することができる(「国内線正規運賃の半額」+「金券ショップでの株主優待券の売値」で国内線を利用できる)。但し、他の割引(得割や早割など)との併用は一切できない。
: 特に民営の鉄道会社(JRを除く)では、[[株券]]の保有数に応じて大株主に対しては期間限定(通常は6ヶ月間)の「全線無料パス」が発行されているが、これも株主が必ず使うとは限らないため、やはり沿線外に居住したり鉄道を利用しない株主にとっては全く無用のものとなる。そのため、パスが発行された直後<ref>基本的に[[決算]]後に株主名簿が確定してからとなるので、毎年5月下旬と11月下旬がピーク。</ref>には大量に出回ることになる。長距離通勤をする人にとっては、会社から支給される交通費(定期代)より安価となることや、全線利用可能<ref>[[近畿日本鉄道]]や[[東武鉄道]]など、営業距離が長い鉄道会社であっても全線とも有効期間中は無制限で利用可能。但し[[南海電気鉄道]]のように一部路線は除外するなど制限を加えている鉄道会社もある。</ref>なこともあり、根強いニーズがある。
; 委託販売
: 近年は、顧客から不要となったチケットを預かった上で店頭に並べて販売する、というシステムを取り入れた店舗が増えている。預けても必ず売れるという保証はないが、もし売れた場合は店の手数料を差し引いた金額を顧客は受け取ることができる。これは、コンサートやプロスポーツなどのチケットを所有者から預かり、その所有者の希望する価格で店頭に並べ、買い手が見つかり売却できたときだけ、その販売価格の一部(10〜30%の場合が多い)を代行手数料として徴収するものである。手数料を支払うのは売却できたときだけであり、委託料などその他の費用は基本的に発生しない。通常は場所代(委託料)や希望価格変更時に手数料を支払うことが多い。金券の売買で得られる利ざやは限られており、委託販売における手数料収入は販売価格次第で大きなものとなるため、委託販売を取り扱っている店舗が多くある。しかただし、一部は転売対策として委託販売ができない場合があるので注意したい
; 外貨両替
: 市中銀行よりも両替手数料を低く抑えることで需要を喚起し、これによる手数料収入を収益としている。為替レートは日々変動するので、多くの店舗では最新のレートを掲示している。一般的な[[アメリカ合衆国ドル|USドル]]や[[ユーロ]]を始めとして、比較的多数の外国通貨を取り扱っているケースが多い。
; 中古携帯電話売買
: 現在の携帯電話は[[UIMカード|USIMカード]]を差し替えるだけで容易に機種変更できることや、本体価格の高騰で最新型へ気軽に機種変更しにくくなったこと、特に目新しい機能が付かなくなったこともあり、「中古でも十分」と考える人が増えたため中古の携帯電話のニーズが高まってきている。機種変更で不要となった本体を安く買い取り、中古機種として販売することで、その利ざやを稼ぐ金券ショップも増えてきている{{要出典|date=2012年7月|}}。
; その他
: 古くから営業している店舗では古銭(現在ではほぼ流通しない[[紙幣]]・[[硬貨]])・[[記念硬貨]]やプレミアものの[[記念切手]]など取りってきた店が、そのまま延長で行っているケースが多いが、そうでない店舗は古銭などの取りうことは少ない。
 
== 用途 ==
例えば、ビール券や旅行券をもらっても、[[普段アルコール飲料|お酒]]を飲まない人がビール券をもらったり仕事など多忙[[旅行]]のスケジュールが立ち出られな人が旅行券をもらったりした場合には、使い道がないことになる。あるいは、期限があるギフトの場合、期限内に使い切れないことが困難な場合もある。このように用途に困る場合には、金券ショップにれら金券を売却して(買い取ってもらって)現金を手にすることができる。
 
さらに、一般企業等が主催するイベント(例えば、新製品発表会など)での[[ノベルティグッズ]]に、ビール券や旅行券、[[商品券]][[図書カード]]などを用意して、それが余った場合に金券ショップで現金化するということも多いが、この方法が「余った販促費を裏金化する手段」に悪用される場合も少なくない<ref>このため、換金不可能なノベルティグッズに切り替えて裏金化防止を図り、経費節減とする企業も増えている{{要出典|date=2012年7月|}}。</ref>。また、[[お年玉付郵便はがき]]では、過重な[[ノルマ]]を課された[[日本郵便]]社員が金券ショップに売却することでノルマを達成する、いわゆる[[自爆営業]]の受け皿ともなっている<ref>{{cite news | url = http://www.asahi.com/articles/TKY201311160403.html | title = 年賀はがき「自爆営業」 局員、ノルマ1万枚さばけず | newspaper = [[朝日新聞デジタル]] | publisher = [[朝日新聞社]] | date = 2013-11-17 | accessdate = 2014-08-05 }}</ref>。
 
一方、[[百貨店]]や[[ショッピングセンター]]などで買い物をしたい場合、その店で有効な商品券を金券ショップで買えば、事実上、数パーセント引きで購入すること事実上可能となる。これはビール券や[[図書カード]]などでも同様である。
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== 価格 ==
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== 脚注 ==
{{Reflist}}
<references />
 
== 関連項目 ==