「差し水」の版間の差分
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→概説: 麺類の吹きこぼれの主因は糊化したデンプンによるもの。豆類はサポニンなど界面活性作用のある物質が吹きこぼれの主因(ちなみに苦いので泡は丁寧に取り除くのがコツ)で... |
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== 概説 ==
麺や豆に用いる場合は、それらの[[調理]]の際に沸騰が始まったらすぐに少量の(冷えすぎない程度の)冷水を加える。
玄米を炊くときに差し水をする方法は、東北地方ではびっくり炊き(びっくり水を加えることに由来する)と呼ばれていた。玄米を[[焼き米]]に近い状態まで煮詰めて水分を飛ばし、パチパチと玄米が膨化する音が聞こえ始めてから、冷水を加えてかき混ぜて煮たてることで、引き締められて殻がはじけて吸水率があがった玄米を、二度炊きする形になる。[[圧力鍋]]を用いて炊いた場合と比較して、炊き上がりの体積が1.5倍程度まで膨らみ、白米のような白っぽい外観と柔らかい食感が得られる。圧力釜が一般に普及していなかった第二次世界大戦中までは、婦人雑誌などで紹介されて一般に知られていた(『日本婦人』昭和十八年四月號掲載)。白米の普及に伴って廃れていったが、今も[[多氏]]の社家などでは特殊な炊飯装器具を用いて、焼けた石の上に落とす差し水を水蒸気爆発させることで、玄米を一気に膨化させる『玄米の炒り炊き』の技法が神前料理の調理法として伝承されている。この技法は[[ポン菓子]]の製法に近いものである。また、[[小豆]]や[[醍醐]]を混ぜて炊き、[[消えずの火]]が燃やされている囲炉裏や火鉢を用いて3日から10日間70度前後で保温し続けることで、醗酵・熟成したモチモチ感や消化吸収率を高めた特殊な玄米を得ることができる。これは、玄米の糖質に小豆や醍醐に含まれる[[タンパク質]]や[[アミノ酸]]が反応して[[メイラード反応]]が起こることや、醍醐に含まれる熱に強い分解[[酵素]]の作用の結果と考えられている。[[多氏]]の主食とされる[[ヘンプ]]も、炒り炊きして醗酵・熟成させる技法を用いて調理された醗酵粥の一種であり、神前に供えられた後お下がりとして食される。差し水などを用いて、温度を上下動させることによって酵素の働きを制御し、その効果を高める手法は、調理だけでなく生化学工業の分野でもしばしば使われている。
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