「蚊取線香」の版間の差分
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== 材料・薬効 ==
[[ファイル:Tanacetum cinerariifolium1.jpg|thumb|初期の蚊取り線香では、花から取られる天然成分の[[ピレトリン]]が利用された。[[シロバナムシヨケギク|除虫菊]]の胚珠部分にピレスロイドが含まれている。また、健康志向の観点から今でも天然成分のピレトリンのみを使った蚊取り線香は数多く存在している]]
原料は粕粉(除虫菊の地上部分を半年間乾燥させたもの)、[[タブノキ|タブ粉]]、[[でんぷん]]、[[ピレスロイド]](除虫菊に含まれる有効成分)、[[染料]]など。粉末状、棒状、[[渦巻き|渦巻]]状などに成形される。色は緑色がほとんど。一般には6 - 7時間燃焼するものが多いが、燃焼時間2 - 3時間程度の小巻の物や12時間程度燃焼するものもある。
使用するには先端に着火し、最初に出る炎を吹き消して燠(おき)の状態にする。このようにすると[[不完全燃焼]]によって煙が立ちのぼるようになる。この煙そのものに[[カ|蚊]]を殺す効果があると思われがちだが、実際には燃焼部分の手前で高温により揮発する化学物質(ピレスロイド)に殺虫作用がある(煙と異なり目には見えず、周囲に拡散して殺虫効果を生じさせている)。今日、一般には化学的に合成したピレスロイドが主に使われている。除虫菊の代わりに[[レモングラス]]の成分などを使用した製品もあるが、そちらには忌避効果はあるものの殺虫効果はない。蚊取り線香メーカーによっては煙の少ないもの(逆に野外作業用で羽虫が嫌う煙の多いものもある)、花の香料([[ビャクダン]]や[[バラ]]他)や果物の香料を練りこませたものも発売している。人間以外に[[ペット]]用や、畜舎で使用する畜産用の大型などもある。
[[日本]]での主な生産地は[[和歌山県]][[有田市]]付近などである。有田市では地元の除虫菊を使
開発国の日本をはじめとして、その他の国々でも生産・輸出されている。[[アメリカ合衆国]]ではモスキートコイル{{enlink|Mosquito coil|Mosquito Coil}}として売られている。[[家庭の電化]]が遅れている国や地域でも[[火種]]さえあれば使用できるので、蚊
== 開発の歴史と形状 ==
和歌山県の[[上山英一郎]]([[大日本除虫菊]]株式会社の創業者)は、[[1886年]]に[[福沢諭吉]]より紹介されたH.E.アモアより[[シロバナムシヨケギク|除虫菊]]の[[種子]]を譲り受ける。上山は、[[平安時代]]から[[日本]]に残る[[伝統的]]な風習「[[蚊遣り火]]」のように粉末状にした除虫菊におがくずを混ぜて燃やす方法を考えたが、夏に季節はずれの火鉢が必要
そこで上山は、
現在
なお、考案されてから長きにわたり、人の手によって渦巻き状に成形してから固め
他に短時間用・長時間用・線香が太い物などの種類があり、外国産のものには四角形や六角形のものもある。
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これらの用具を用いることで燃焼を伴う製品ながら安全に使用できる。
缶容器30巻入り、紙製化粧箱10巻入は皿または台が同梱されているものがほとんどだが、無い場合は清涼飲料水の空き缶(転倒防止や消火用に予め水を入れてもよい)の[[プルトップ]]を起こして線香の中心部を挟み込んだり、線香中心部の台を差し込むスリットに細い針金を差し込んで地中に刺したり木々に吊る等、皿や台の代わりとして利用できる(その際、差し込み箇所以外に線香と金属が接触または僅かな隙間だと消える恐れがある)。無論、これらの使用方法は屋外かつ周囲に燃え移るものがないことが前提である。
== 現状 ==
火を使わず煙も出ない[[電気蚊取]]が開発され、さらに近年は、電気も使わず効果が数時間持続するスプレー式防虫剤も販売されており、煙が出る上に先述のとおり、火災のリスクもある蚊取り線香は、年々
== 主な蚊取り線香メーカー ==
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