「吃音症」の版間の差分

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* [[バルサルバ効果|バルサルバ]]反射抑制法
* [[自助グループ]]<ref name="NIH" />
 
などがある。
などがある。吃音には、獲得性吃音(大きく神経原性吃音と心因性吃音に分かれる)と発達性吃音があり、その中での個人差もあるため、それぞれの患者に応じた治療(通常、複数の有効な治療法を組み合わせた治療<ref name=":1">見上 昌睦 (2007).[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/48/1/48_1_1/_article/-char/ja/ 吃音の進展した幼児に対する直接的言語指導に焦点を当てた治療].音声言語医学,''48'',1-8.</ref>)を行う<ref>谷合 信一・前新 直志・田中 伸明・栗岡 隆臣・冨藤 雅之・荒木 幸仁・塩谷 彰浩 (2015).[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/56/2/56_192/_pdf/-char/ja 高齢で発症した心因性吃音症例の経過].音声言語医学,''56'',192-198.</ref>。
 
完治しやすい吃音(子供の吃音)と治りにくい吃音(大人の吃音)がある。幼児期(言葉を話し始める最初の時期)は、左右の脳の機能分化が進んでおらず<!--情緒不安などで-->どもりやすい{{要出典|date=2016年10月}}。その頃は吃音を意識していない場合が多いので、この時期における早期治療が重要になる。[[学齢期]]前前後の小児吃音は、[[環境調整]]を主とした治療で治ることが多く、厚労省の調査では約80%が自然治癒している{{要出典|date=2016年10月}}。しかし、成長していくにつれて、周囲の吃音への否定的反応などが理由で{{要出典|date=2016年10月}}、吃音は[[条件反射]]付けられ、定着していく。これが治療の難しい大人の吃音である。
 
また、言語聴覚士などの専門家は、はじめの言葉をゆっくりと引き伸ばすように話す・力を抜いて柔らかい声でそっと話し出す・ひとりごとのようにさやくような声で話す・リズムに合わせて話す、といった話し方の工夫を伝えたり、のど・舌・くちびる・口の力を抜いて話す・吐く息に母音(「あ・い・う・え・お」に当たる音)を乗せるように(「はあー」→「あー」・「ふうー」→「うー」など)母音をゆっくりと伸ばして発音する、といった吃音が出にくくなるコツを伝えたりすることを通じて、本人のサポートを行う<ref>菊池 良和(監修) (2015).吃音のことがよくわかる本 講談社,40-41・92-93頁.</ref><ref name=":1" /><ref>見上 昌睦 (2005).[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/46/1/46_1_21/_article/-char/ja/ 重度吃音学童に対する直接的言語指導に焦点を当てた治療].音声言語医学,''46'',21-28.</ref>。また、同じ言葉を繰り返し話すことで吃音をする頻度が少しずつ減っていくことから、聞き手が話の内容をしっかりと聞き肯定的な反応を返していくことで、本人の話す意欲を高められるよう支援することも大切である<ref>菊池 良和(監修) (2015).吃音のことがよくわかる本 講談社,41-43・48-49・52-53.</ref>。
 
さらに、本人が吃音を持っていても過ごしやすい環境を整備する、環境調整も非常に大切である<ref name=":0">菊池 良和(監修) (2015).吃音のことがよくわかる本 講談社,58-67・76-77・80-81頁.</ref>。たとえば学校での場合、学級担任がほかの児童生徒に対してしっかりと働きかけ、吃音に対して否定的な反応(からかい、まねなど)を決してすることのないよう、そして肯定的・受容的な態度をとるよう指導するとともに、授業において一人ずつ音読をしてもらうというスタイルをやめ全員での音読(一斉読み)を常時採用したり、本人が困っているときは率先して手助けをしたりするなどの配慮を通じて、本人が吃音を持っていても過ごしやすい環境を整備することが大切である<ref name=":0" />。