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;8-ヒドロキシグアニンの発見
:西村が、がんの問題により直接取り組むように研究室の体制をシフトするようになった転機は、当時生化学部長、兼研究所長の[[杉村隆]]を中心とする、魚や肉の加熱調理によって生成する突然変異源物質の発見である。西村研究室は物質の分離、精製、同定のノウハウがあり、研究室のスタッフ、葛西宏、山泉二郎が共同研究に加わった。葛西が丸干しイワシのおこげから新規変異源物質を分離、同定する過程で、焼けこげ中には、ミクロゾームによる活性化を要しない、変異源物質があることに気がついた。これが、1983年に、活性酵素によってDNA中のグアニン残基が8-OH-G (現在では、{{仮リンク|[[8-オキソグアニン|en|8-Oxoguanine}}]]、8-oxo-Gとも呼ばれる)に変換されるという事実の発見につながった。興味あることに8-OH-dGは新規化合物で、DNA中からも発見されていなかった。放射線の影響を研究していたほとんどの研究者がチミングリコールなど、DNAのピリミジン基の修飾の研究をしていたからである。一方、DNA中のグアニン残基の修飾が変異誘導に関わっている事は化学発がん物質の研究分野では常識であった。
:西村研究室はこの発見以来、この問題に集中的に取り組むことになった。その結果現在までに、以下に述べる重要な成果が生まれた。
::1) 8-OH-Gの生成は試験管内での実験だけでなく、in vivoでマウスのDNAでも起こる。