「江ノ島電鉄20形電車」の版間の差分

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江ノ島電鉄では[[1979年]]以降[[1990年代]]初めまでの間、1000形・2000形の新造車両計9編成の導入により機材の更新による旅客サービス・保安度の向上を続けてきているが、その後鉄道事業における輸送人員は[[1991年]]度を、営業収入は[[1992年]]度をピークに<ref name="100y294">[[#100|『江ノ電の100年』 p.294-297]]</ref>減少に転じており<ref group="注釈">輸送人員は1991年度の16351千人をピークに[[1996年]]度には14630千人まで低下、なお、[[2000年]]度以降増加に転じ、[[2016年]]度は18868千人</ref>、1編成2億数千万円の設備投資となる新造車の導入は大規模改良工事を未実施であった300形302編成を代替する10形以外については見送られて<ref name="100y259">[[#100|『江ノ電の100年』 p.259]]</ref>、利益確保のための省力化及び効率化によるさまざまな費用削減策が実施されることとなった。これにより、駅の[[改札]]口の[[自動改札機|自動改札]]化や自動放送化と並ぶ施策として、残存する300形および500形の主制御器とブレーキ装置を1000形1501・1502編成以降のものと同等のものに変更することにより、長年の懸案であった旧型、新型を問わない全車両相互間の連結運行を可能とすることで、列車運用と保守点検面での効率化を図っていた<ref name="100y260">[[#100|『江ノ電の100年』 p.260-261]]</ref>。
 
しかしながら、[[2000年]]以降輸送人員は増加に転じ、また、老朽化が進み、かつ構造上[[エア・コンディショナー|冷房装置]]の搭載が困難だった[[江ノ島電鉄鎌倉観光500形電車 (初代)|500形]]の置き換えが必要となり、[[1902年]]の江ノ電開業から100周年を迎えることの記念事業の一環として<ref name="100y261">[[#100|『江ノ電の100年』 p.261]]</ref>本稿で記述する20形が[[東急車輛製造]](現[[総合車両製作所]])で製造され、[[2002年]][[4月4日]]に21-61<ref>{{Cite journal|和書 |journal = RAIL FAN |date = 2002-05-01 |issue = 5 |volume = 49 |publisher = 鉄道友の会 |page = 16 }}</ref>(導入当初は、21-60だった{{要出典|date=2018年7月}})、[[2003年]]4月4日に22-62の計4両が導入されている。なお、本形式は江ノ島電鉄の当時の鉄道部門が目指す堅実な方針を反映したものとなっており<ref name="100y261">[[#100|『江ノ電の100年』 p.261]]</ref>、基本設計は10形に準拠しているが、内装や屋根は簡素化が図られ、主要機器は501編成のものを流用することで導入費用を大幅に削減している<ref name="100y261">[[#100|『江ノ電の100年』 p.261]]</ref>。
 
本形式は10形をベースに室内レイアウトの変更によるサービスの向上、乗務員の操作性の向上、バリアフリー化を図っており、設計の方針は以下の通りとなっている<ref name="HEy81">[[#HE|「江ノ島電鉄20形電車」『車両技術 No224』 p.81]]</ref>。
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このほか、外観上の特徴としては腰部の丸形一灯式[[前照灯]]、上部が弧を描く形状の前面窓などは10形と同一であるが、先細り状の形状の先頭部は絞りはじめの位置を乗務員室扉後部から前部に変更することで乗務員室扉部をホームと平行として乗務員の視界と安全性の確保を図っている<ref name="HEy81">[[#HE|「江ノ島電鉄20形電車」『車両技術 No224』 p.81]]</ref>ほか、10形が装備していた屋根上の[[エア・コンディショナー|冷房装置]]などを隠すように取付けられたダブルルーフ状カバー、上部が弧を描く形状の側面窓、[[路面電車]]の救助網を模したような形状の補助[[排障器]]などは省略されている。集電装置は10形と同じく[[集電装置|シングルアームパンタグラフ]]であるPT7121-Aとなっている。
 
車体塗装は、「江ノ電カラー」と通称される緑色とクリーム色の2色であるが、その色調は[[江ノ島電鉄鎌倉観光300形電車|300形]]などの旧型車とは若干異なっており、また少しでもレトロ感を出すためか{{要出典|date=2018年7月}}金色の装飾帯が巻かれている。<ref group="注釈">この塗装は、10形の設計時点で計画されていた案の一つであり、また2004-07年には[[江ノ島電鉄鎌倉観光1000形電車|1000形]]についても同様の塗装に変更されており、[[江ノ島電鉄500形電車 (2代)|新500形]]も同様の塗装とされている</ref>。
 
客室内装は側壁面をベージュ系の抽象柄、妻面を明るい木目調、天井を白色のそれぞれメラミン化粧板としている。また、車内には2000形・10形と同型のマップ式[[車内案内表示装置|旅客案内表示器]]が設置されるほか、[[ドアチャイム]]設置<ref group="注釈">[[東京都交通局]]タイプを採用</ref>や[[車椅子スペース]]の設置など[[高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律|交通バリアフリー法]]に対応した設計とされている。[[車内放送|車内自動放送]]装置は2000形・10形のテープ式のYA-9012<ref name="100y319">[[#100|『江ノ電の100年』 p.319]]</ref>から[[ICレコーダー|IC式]]に変更されている<ref group="注釈">その後新500形と同一の[[英語]]放送が追加されており、また、1000形1501・1502編成、2000形・10形も後に当形式と同一のIC式に変更された</ref>。