「ABO式血液型」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
→ABO式血液型と体質: O型の外傷 |
|||
1,414行目:
ABO式以外の血液型では特定の血液型のみある病気にかからないというものがいくつか見つかっている（[[血液型#血液型と体質]]）。ABO式では特定の型に完全な耐性のある病気は見つかっておらず、相対的に数割の差がある程度の違いとして以下のようなものがある。
* 胃（十二指腸）潰瘍：[[ピロリ菌]の感染しやすさがO型のみ25%ほど高い（ピロリ菌はルイス抗原のb抗原につきやすいので、Aルイスb抗原やBルイスb抗原に変化しているA型やB型より、これがこのまま残るO型の胃壁につきやすい。）
* [[マラリア]]：マラリアそのものの感染率は変わらないが、熱帯熱マラリアによって起きる脳性マラリアに移行するしやすさがA型がO型の1.3倍。（マラリアに寄生された赤血球が脳の血管に詰まるのが原因だがA型のみ毛細血管に若干くっつきやすい。）
* [[ノロウィルス]]：一部の株に限るが、H物質につくのでO型の感染率が若干高い。
* 血栓による塞栓：O型は血液凝固に必要なフォン・ウィルブランド因子の濃度が他の型より25%ほど低く、このため他の型よりわずかに血液が凝固しにくく、血栓が起きにくい（エコノミークラス症候群発生率がO型を基準とすると他の型は50%ほど多い）
（以上4例[[#山本2015|山本(2015) p.180-188・190-191]]より）
これら以外ではO型では[[心筋梗塞]]にはほかの血液型より44%なりにくいというデータ<ref name="pmid27599872"/>があり、前述の血栓が生じにくいことに関係している可能性があるほか、[[膵癌]]のリスクが低い可能性がある<ref name="pmid28520352">{{Cite book |author=Laura Dean |year=2017 |title=Medical Genetics Summaries |publisher= |chapter=ABO Blood Group |url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK100894/ }} PMID 28520352</ref>。[[膵癌]]はB型はO型に比べると1.72倍リスクが高い<ref>{{cite journal |authors=Wolpin BM, Chan AT, Hartge P, Chanock SJ, et al |title=ABO blood group and the risk of pancreatic cancer |journal=J. Natl. Cancer Inst. |volume=101 |issue=6 |pages=424–31 |date=March 2009 |pmid=19276450 |pmc=2657095 |doi=10.1093/jnci/djp020 |url=https://doi.org/10.1093/jnci/djp020}}</ref>。またO型では重症の[[外傷]]の場合に死亡率が高く32%となり、その他の血液型の11%より高かった<ref name="pmid29716619">{{cite journal |authors=Takayama W, Endo A, Koguchi H, Sugimoto M, Murata K, Otomo Y |title=The impact of blood type O on mortality of severe trauma patients: a retrospective observational study |journal=Crit Care |volume=22 |issue=1 |pages=100 |date=May 2018 |pmid=29716619 |pmc=5930809 |doi=10.1186/s13054-018-2022-0 |url=https://doi.org/10.1186/s13054-018-2022-0}}</ref>。
AB型は[[認知症]]との関連が見られた<ref>{{cite journal|date=September 2014|title=ABO blood type, factor VIII, and incident cognitive impairment in the REGARDS cohort|url=https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000000844|journal=Neurology|volume=83|issue=14|pages=1271–6|doi=10.1212/WNL.0000000000000844|pmid=25209581|pmc=4180487|authors=Alexander KS, Zakai NA, Gillett S, McClure LA, Wadley V, Unverzagt F, Cushman M}}, 解説 {{Cite web|url=https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1306|title=Can Your Blood Type Affect Your Memory?|accessdate=2018-09-08|date=2014|publisher=American Academy of Neurology}}</ref>。これも凝固の因子がかかわる可能性があり、O型以外がなりやすい可能性があり、心臓疾患や糖尿病、高血圧との関りから認知症になりやすくなっているような可能性も考えられる<ref name="pmid27599872"/>。関係するFVIIIの体内濃度は、AB型>B型>A型>O型の順である<ref name="pmid27599872"/>。
細菌やウイルス、感染症の感染性が血液型に関係する<ref name="pmid27599872"/>。免疫では、O型はマラリアや防御され、コレラではO型が弱くAB型が強い可能性がある<ref name="pmid28520352"/>。O型ではペスト、ノロウイルス、耳下腺炎、結核に弱く、A型では天然痘や緑膿菌、サルモネラに弱く、B型は淋病、結核、大腸菌、サルモネラに弱く、AB型は天然痘、大腸菌、サルモネラに弱い<ref name="pmid27599872"/>。
| |||