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{{出典の明記|date=2019-04-13}}
[[画像:Toast-3.jpg|thumb|250px|right|焼く前(左)と焼いた後(右)]]
'''トースト''' ({{lang-en-short|Toast}}) は、スライスした[[食パン]]を加熱し、表面に軽く焼き目をつけた食品である。日本に紹介された1908年(明治41年)の文献は{{sfn|赤坂女子講習会|1908|pages=95-98}}パン種の発酵から焼き方まで製パンを解説し、トーストにチーズ入りスクランブルエッグを載せたチーズトースト{{sfn|赤坂女子講習会|1908|pages=97}}、炒めたハムのみじん切りを加えて砂糖少々で調味したオムレツを載せたハムトースト{{sfn|赤坂女子講習会|1908|pages=97}}、トーストにミルククリームを垂らしたミルクトースト{{sfn|赤坂女子講習会|1908|pages=98}}ほかを紹介している。大正時代に軍隊でパン食に出会う人が増えたことをユーモア集に述べた[[加茂正一]]は、トーストしたパンを喫茶店や料理店のメニューに「トオスパン」と載せたところ、学者が焼かないパンを所望して「通さないパン」を注文した話を記した<ref>{{cite book|和書|author= 加茂正一|doi= 10.11501/907678|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907678 |accessdate=2020-07-15|chapter=トーストパン|title=49 ロゴスの嘆き : 漫筆|publisher=文友堂書店|date=1925年(大正14年)|page=67|language=ローマ字}}。近代デジタルライブラリー公開、コマ番号0033.jp2。</ref>。
'''トースト''' (Toast) は、スライスした[[食パン]]を加熱し、表面に軽く焦げ目をつけた食品である。
 
== 焼き方 ==
トーストを作るためには[[トースター]]を使うのが一般的。[[オーブン]]や[[オーブントースター]]、それに直火でもトーストを作ること焼き目できるつく
 
電気トースターは日本では第二次世界大戦前から広まりを見せ、ニクロム線を熱した加熱部をおおう焼き網にパンを立てかけて扉を閉じると、焼けた頃を見計らってパンを取り出すという簡単な構造と安い価格のため、幅広く使われた。タイマーとバネを組み込み、焼き上がったトーストが飛び出す機構は1928年にアメリカで「ポップアップトースター」(飛び出すトースター)としてマックグリュー電器会社が商品化といい、日本で普及し始めるのは戦後である<ref>{{cite book|和書|author=清水正巳|chapter=10 焼けたら飛出すトーストパン|title=新商品・新商売 : これからの商品とその売り方|publisher=千葉商事|date=1948年(昭和23年)|p=20-22|doi=10.11501/1067913|url=|accessdate=2020-07-15}} 近代デジタルライブラリー公開、コマ番号0014.jp2。</ref>。
電気トースターは、日本では第二次世界大戦前から広まりを見せ、その簡単な構造と安い価格のため、幅広く使われている。また、さまざまな模様に焼き上げるトースターもある。表面が茶褐色になるのは、[[メイラード反応]]によるものである。
 
電気トースターは、日本では第二次世界大戦前から広まりを見せ、その簡単な構造と安い価格のため、幅広く使われている。また、さまざまな模様に焼き上げるトースターもある。表面が茶褐色になるのは、[[メイラード反応]]によるものである。
 
== 食べ方 ==
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[[朝食]]で食べることが多い。トーストをそのまま供することはあまりなく、[[バター]]や[[マーガリン]]を塗って食べるのが普通である。[[ジャム]]や[[チーズ]]もよく使われる。
 
おやつや昼食の主菜になるオープンサンドを焼いた[[ドイツ]]のハワイ風トーストは[[スパム]]トーストをヒントに生まれたとも言われる。[[ニンニク]]のペーストを塗って焼き{{sfn|岡田|1999|p=90|ps=ガーリックトースト}}、主菜に添えて供するガーリックトーストなどもある。
[[イギリス]]では細く切ったものに[[半熟卵]]の[[黄身]]を浸けて食べる。トーストしたパンで[[サンドイッチ]]を作ることもよくある。
 
[[イギリス]]では細く切ったものに[[半熟卵]]の[[黄身]]を浸けにひたして食べる。トーストしたパンで[[サンドイッチ]]を作ることトーストサンドよくこの国ならではである{{sfn|岡田|1999|p=219|ps=トーストサンド}}
 
パン・グリエ({{Lang-fr-short|[[:fr:Pain grillé]]}}){{sfn|佐藤|2014|p=51}}とも呼ぶ[[フランス]]は、「イギリス人がトーストをよく食べるのは、イギリスはあまりにも寒いので、バターを溶かすためには方法をそれしか思いつかなかった」とする笑い話がある。パンを小さくス目にコロ切りにしてからトーストしたしく揚げた[[クルトン]]と呼ばれ、[[サラダ]]などの[[トッピング]]や[[スープ]]の浮き実に用いられる。
 
厚切りトースト(広東語: 厚多士)が隠語として香港の人々の口にのぼった時期は本土からの観光客が増えていた。列車内のいざこざの場面を投稿した[[SNS]]動画で観光客が発した「好多事」(余計なお世話)という一言が香港の人の耳に「厚多士」(厚切りトースト)と聞こえたことから、噂が広がったとされる<ref>{{Cite journal|和書|title=厚切トースト|author= 落合顕久 |publisher=[[農林中金]]総合研究所|date=2014年8月|journal=金融市場 |volume=25|number=8 (285)|via=国立国会図書館デジタルコレクション|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10160925|format=pdf|accessdate=2020-07-17|page=26}}</ref>。
== トーストを使う料理 ==
パンに[[トマトソース]]を塗り、チーズや[[サラミ]]などの[[食材|具]]を乗せてトーストしたものはすると[[ピザトースト]]{{sfn|岡田|1999|ps=ピザトースト|p=301}}、[[卵]]と[[牛乳]]と[[砂糖]]に浸して焼いたもの[[フレンチトースト]]{{sfn|岡田|1999|ps=フレンチトースト|p=301}}と呼ばれる。具を挟んでからトーストする[[クロックムッシュ]]{{sfn|岡田|1999|ps=クロックムッシュ|p=127}}、メルバトースト{{sfn|岡田|1999|ps=メルバトースト|p=335}}{{sfn|パナティ|p=159}}という料理もある。
 
そのほか、トーストする前に調理する料理には味してから焼く[[ハニートースト]]やバナナシナモントースト、オープンサンドを加熱するハワイ風トースト({{Lang-en-short|[[:en:Toast Hawaii|Toast Hawaii]]}})、トーストしたあとにパンを調する料理には[[シナモントースト]]や[[小倉トースト]]などがある。
[[ファイル:Toast_Hawaii_RZ.jpg|代替文=|サムネイル|ハワイ式トースト。ハムにパイナップルと薄くスライスしたチーズを重ねて焼き、仕上げに飾りを載せた。1950年代のドイツで流行。]]
[[ファイル:モーニング名古屋セットの小倉トースト_(8923375578).jpg|サムネイル|小倉トースト。名古屋式モーニングセットに含まれる。]]
 
== 参考文献 ==
主な執筆者の姓の50音順
 
* {{Cite book|和書|title= 西洋料理法と献立|publisher= 相隣社|location=東京|date=1908年(明治41年)|author=赤坂女子講習会 (編)|doi=10.11501/849087|url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/849087|accessdate=2020-07-15|chapter=麺麭、トースト、サンドウイッチ之部|pages=95-98|ref={{sfnref|赤坂女子講習会|1908}}}} 近代デジタルライブラリーに公開(保護期間満了)
* {{Cite book|和書|title=コムギ粉料理探究事典|date=1999年|year=|publisher=[[東京堂出版]]|editor=岡田哲|ref={{sfnref|岡田|1999}}|pages=219}}
* {{Cite book|和書|author=佐藤正透|year=|title=暮らしのフランス語単語8000 : 何から何まで言ってみる |page=51|publisher=語研|date=2014年|ref={{sfnref|佐藤|2014}}}}
 
* {{Cite book|和書|author= チャールズ・パナティ |others=バベル・インターナショナル(訳)|title= はじまりコレクション : いわゆる"起源"について|publisher=フォー・ユー|date=1989年|volume=1|location=東京|ref={{sfnref|パナティ|1989}}|page=159|chapter= メルバ・トースト}}
 
== 脚注 ==
<references />
== 関連資料 ==
出版年順
'''近代デジタルライブラリーで公開'''
* 桜井ちか子(編)「[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/849053 第七部 パンとトースト(焼パン)之部]」『[[主婦之友]]』、[[大倉書店]]、明治41年。コマ番号0076.jp2。
* 津野慶太郎「[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/964615 (47)「チーストースト]」『家庭向牛乳料理』、長隆舎書店、1921年(大正10年)、p.59。コマ番号(0039.jp2)。
 
* 河野静子「[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/920836 パン及ハツトケーク トースト マフイン サンドウイツチについて]」『趣味と実用の西洋料理』、東京基督教女子青年会、1926年(大正15年)、p.106。コマ番号0069.jp2。
[[フランス]]では、「イギリス人がトーストをよく食べるのは、イギリスはあまりにも寒いので、バターを溶かすためにはそれしか思いつかなかった」とする笑い話がある。パンを小さくダイス目に切り、トーストしたものは[[クルトン]]と呼ばれ、[[サラダ]]などに用いられる。
 
'''書籍、定期刊行物'''
== トーストを使う料理 ==
パンに[[トマトソース]]を塗り、チーズや[[サラミ]]などの[[食材|具]]を乗せてトーストしたものは[[ピザトースト]]、[[卵]]と[[牛乳]]と[[砂糖]]に浸して焼いたものは[[フレンチトースト]]と呼ばれる。具を挟んでからトーストする[[クロックムッシュ]]という料理もある。
 
* 柄沢和雄『トースト・サンドイッチ』、柴田書店〈喫茶スナック技術講座 3〉、1981年。
そのほか、トーストする前に調理する料理には[[ハニートースト]]やバナナシナモントースト、トーストしたあとに調理する料理には[[シナモントースト]]や[[小倉トースト]]などがある。
* 村田裕子『ごちそうトースト&サンドイッチ : いつものパンをもっとおいしく : 3ステップで作れる!』[[永岡書店]]、2006年。
* 『しあわせトースト&サンドイッチ』志賀靖子(料理)、[[成美堂出版]]、2009年。
* 『つくって食べたいふんわりトースト・サンドイッチ』たかはしみき(絵)、文研出版、2009年。児童書
* 『人気店のトースト&サンドイッチ : 評判のメニューと調理技術』、旭屋出版〈旭屋出版mook〉、2010年。
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Toast}}
* [[食パン]]
* [[スプレッド (食品)]]
* [[チーズトースト]]
* [[ピザトースト]]
* [[モーニングサービス]]
== 外部リンク==
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:とおすと}}
[[Category:パン]]