「おっさんずラブ」の版間の差分

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: 牧とステディな関係を始めると公言したが、触れ合ったりすることにまだ戸惑いは隠せない。街中では他人目も気になる。その言動が牧の心に暗い影を落としていることに春田は気付いていなかった。牧は同性愛者が未だ世間からどのような視線を浴びるか承知しているだけに、いずれ重い十字架を背負わせることになるのではないか…本来春田が手にするはずだった“普通の幸せ”を奪ってしまったのではないか…と苦悩していた。思い詰めた牧から突然別れの言葉を切り出され、ルームシェアも解消された。
: 牧が家を出ていってから元の自堕落な生活に戻ってしまう。その様子を見兼ねた黒澤が自宅まで訪ねてきて世話をしてくれるようになり、やがて一緒に暮らすようになった。褒めて伸ばすタイプの黒澤の手腕は私生活の改善だけでなく仕事にも好影響を与え、営業成績も順調。ついに本社の手掛ける新規プロジェクトに抜擢され、上海出向が決まるまでに成長した。
: 公私ともに右肩上がりの好機を計っていた黒澤から求婚されて、その場の雰囲気に流され承諾してしまう。結婚式の準備が進むほど春田の心に躊躇や疑問が湧きあがっていたが、いずれも答えを見い出せないまま挙式当日を迎える。チャペルで誓いのキスを求められるが春田は歩を進めることが出来ない。脳裏に浮かぶのは牧と過ごした日々ばかり。その時になって初めて、満たされることのなかった渇いた心を潤すのは牧の愛情であり、春田自身もずっと牧を求め続けていたのだ気付いた。その場で黒澤に諭されて傷心の牧を探しに街に飛び出していった。ようやく見つけた牧は、自を傷つけながら春田を拒む痛々しい言葉を口にして春田を遠ざけようとする。しかし、迷いの吹っ切れた春田はそんな空虚な言葉に惑わされることはなかった。飾りひとつないストレートな言葉で思いの丈をぶつけてプロポーズをした。
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: 春田家を出てから1年、職場では以前のように先輩後輩として業務に携わる会話をする程度に留まっている。
: 春田が黒澤と結婚すると知り、驚きと憤りを覚えるが自分から身を引いた手前、異議を唱えることは出来ない。何より春田自身が選んだ相手なら祝福するしかない。牧の心には春田を愛する気持ちがずっと息衝いているが叶わぬ恋と諦め、封じなければならないと耐え忍んでいた。そのいたいけな姿を武川は見ていることが出来ず、格好付けずに本当の気持ちを曝け出して春田と向き合うよう叱咤する。牧は勇気を出して春田を呼び出すが不運な偶然が重なって擦れ違いが生じたため会えず仕舞いであった(何故春田が現れなかったのか、その事情を牧は知る由もない)。
: 春田と黒澤の結婚披露宴の日。牧は参加せず、することなく傷心の旅に出るため歩いていると春田が自分を追って目の前に現れた。思いもよらぬまさかの出来事に驚きを隠せなかったが口をつくのは春田を突き放すための拒絶の言葉である。しかし、「好きだ」「結婚してください」と叫び、堰を切るように強く抱きしめてくれた春田の真っ直ぐな行動は、頑なに閉ざした牧の心の扉をこじ開けるに十分だった。恋人と呼ぶことを許された背中に素直になった心と手をまわし、力を込めた。
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; 黒澤武蔵(くろさわ むさし)〈55〉