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==== 方法 ====
[[名古屋大学]]と[[大阪大学]]の共同研究チームはC-CPEとクローディンとの複合体の構造を明らかにすることでC-CPEとクローディンとの詳細な相互作用機構およびC-CPEによるTJストランドの崩壊機構を明らかにしようとした<ref>Science. 2015 Feb 13 347(6223) 775-8. PMID 25678664</ref><ref>臨床免疫・アレルギー科 Vol.64 No.3 2015 p299-306</ref>。構造解析に適したクローディンサブタイプのスクリーニングを行った。緑色蛍光タンパク質であるEGFPを融合させたマウスのクローディン27種類をSf9 insect cell(昆虫細胞)で発現させてC-CPEとの結合を蛍光検出ゲルろ過クロマトグラフィー(FSEC)で評価した。網羅的に解析した結果、末梢神経系の髄鞘で主に働くクローディン-19がC-CPE結合能を持つということがはじめて明らかになった。さらにクローディン-19を安定的に発現するSF-7細胞(マウスの精巣の[[セルトリ細胞]]由来の上皮様細胞)にTJを形成させた後、C-CPEを加え、TJストランドの崩壊が起こるかどうかを確認した。その結果、クローディン-19からなるTJストランドがC-CPE添加によって崩壊するこということが蛍光顕微鏡観察および凍結割断レプリカ法による電子顕微鏡観察で確認できた。このクローディン-19は安定でもあったため複合体の構造解析に適しているサブタイプとして選別した。
 
このクローディン-19とC-CPEをそれぞれ、昆虫細胞発現系、大腸菌発現系によって大量発現・精製し、それらを混合することによって、C-CPE/クローディン-19複合体を形成させた。蒸気拡散法で結晶化を試みた。このときクローディン-19のC末端は欠損させた。兵庫県の大型放射光施設[[SPring-8]]でビームラインBL32XUを用いてX線回析データから3.7オングストローム分解能でC-CPE/クローディン-19複合体の結晶構造が得られた。
 
==== 結合様式 ====