「一般化勾配近似」の版間の差分

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[[密度汎関数法]]では電子間の相互作用である交換相関項は[[電荷密度]]で表現されるが、その電荷密度は一様な[[電子ガス]]として解かれた表式を利用するのが局所密度近似である。現実の電荷密度の分布は一様でないので、この一様とする近似を超えて電荷密度の[[勾配 (ベクトル解析)|勾配]]の効果を導入することにより局所密度近似の精度を上げようという試みは古くからあった{{Sfnp|Langreth|Perdew|1979}}{{Sfnp|Langreth|Mehl|1982}}。
 
[[1985年]]、Perdew[[ジョン・パデュー (物理学者)|パデュー]]等による改良{{Sfnp|Perdew|1985}}により精度が向上し、実際の[[バンド計算]]にも利用されるようになった。このPerdewパデュー等による改良版とそれ以降の派生版が一般化勾配近似と呼ばれている。一般化勾配近似により、系の凝集エネルギーなどの精度が改善される。
 
一般化勾配近似には、PW91{{Sfnp|Perdew|Chevary|Vosko|Jackson|1991}}、PBE{{Sfnp|Perdew|Burke|Ernzerhof|1996}}、B3LYP{{Sfnp|Becke|1992}}など幾つかの派生版が存在する。B3LYP(BはBecke、3はパラメータが3つあること、LYPはLee-Yang-Parrの略である)はパラメータの決定が経験的に行われるので、厳密にはこれによる計算結果は[[第一原理]]的に求められていないが、実験結果と良く合う。