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{{Infobox 湖
|名称=精進湖
|画像=[[画像:ShojiKoS.jpg|285px285ピクセル]]<br />定期航空機より撮影した精進湖<br />(2006年11月13日)
|所在地=[[山梨県]][[南都留郡]][[富士河口湖町]]精進
| 緯度度 = 35|緯度分 = 29|緯度秒 = 27
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|透明度=-
}}
{{読み仮名|'''精進湖'''|しょうじこ}}は、[[山梨県]][[南都留郡]][[富士河口湖町]]にある[[湖]]。[[富士五湖]]のひとつで、西から2番目、東から4番目にあたる。[[富士箱根伊豆国立公園]]の特別地域内にある<ref>{{Cite web |url=http://www.env.go.jp/park/fujihakone/intro/files/area_1.pdf |title=富士箱根伊豆国立公園の区域図 |publisher=[[環境省]] |format=PDF |accessdate=2012-02-01}}</ref>。
 
「[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]」の「富士山域」の一部として[[文化遺産 (世界遺産)|世界文化遺産]]の構成要素に含まれている。
 
== 概説 ==
同じ富士五湖の西湖、[[本栖湖]]と同一の水脈を有しているので水面標高も同じく約900m900[[メートル]]で、湖水の水位が連動する傾向がある。最大水深は15.2m2メートルで[[河口湖]]と並び3番目の深さ。0.5[[平方キロメートル]]と五湖中でもっとも湖水面積が狭く、流入河川および流出河川はない。
 
[[2013年]]([[平成]]25年)[[6月22日]]、「[[富士山-信仰の対象と芸術の源泉]]」の構成資産(富士山域)の一つとして、[[文化遺産 (世界遺産)|世界文化遺産]](日本の文化遺産としては13箇所目)に登録された。
 
=== 成因 ===
[[富士山 (代表的なトピック)|富士山]]の[[火山]]活動によって形成された[[堰止湖]]で、[[本栖湖]]・[[西湖 (富士五湖)|西湖]]と同じ水位である。かつては単一の大きな湖([[剗の海]];せのうみ、「背の海」の意か)であったと考えられている<ref>[{{Citation |和書 |last1=竹内 |first1=邦良 |last2=切石 |first2=史子 |last3=今村 |first3=英之 |url=https://doi.org/10.2208/prohe.39.31 |title=富士五湖の水位変動機構] |periodical=水工学論文集 Vol.|volume=39 (|year=1995) P31|pages=31-36 |publisher=[[土木学会]] |doi=10.2208/prohe.39.31 }}</ref>が、富士山の[[溶岩流]]でまず南西の本栖湖と分断され、『[[日本三代実録]]』に拠る[[864年]]([[貞観 (日本)|貞観]]6年)の[[貞観大噴火]]の溶岩流によって西湖と分断された。この際には、溶岩流が湖水と接触したことによって[[水蒸気爆発]]が起こり、半円形の[[クレーター]]が形成されている({{Coord|35|29|18.5|N|138|36|35.6|E|}})<ref>[https://twitter.com/usa_hakase/status/670178000655151104 静岡大学 小山真人] - Twitter、2019年8月閲覧</ref>。
 
=== 名前の由来 ===
精進湖という湖名は、富士参詣者が湖で[[沐浴]]して精進潔斎したことに由来する説や、(かつての単一湖「剗の海」という名称も関連し)富士の背にあたることから「背地」(せのち)と呼ばれたとする説<ref>{{efn2|「セノチ → セウヂ → ショージ」という一種のウ音便は想定できる。cf. [[ミョウガ]]</ref>}}がある(『[[甲斐国志]]』による)。
 
=== 水質と生物相 ===
[[栄養湖]]で[[プランクトン]]が多く、湖色も緑色。1930年代の調査でも富栄養化していた<ref>[{{Citation |和書 |last1=雨宮 |first1=育作 |last2=田村 |first2=保 |last3=羽生 |first3=功 |last4=板沢 |first4=靖男 |url=https://doi.org/10.3739/rikusui.20.97 |title=本栖湖及び精進湖の観測資料 / 1930年頃との比較] |magazine=陸水学雑誌 Vol.|volume=20 (|year=1959) No.|number=3 P97|pages=97-100 |doi=10.3739/rikusui.20.97 |publisher=[[日本陸水学会]] }}</ref>がそれ以降も富栄養化は進行している<ref>[{{Citation |和書 |url=https://doi.org/10.2521/jswtb.5.8 |last=渡辺 |first=仁治 |title=精進湖の富栄養化] |periodical=日本水処理生物学会誌 Vol.|volume=5 (|year=1969) No.|number=1 P8|pages=8-11 |doi=10.2521/jswtb.5.8 |publisher=日本水処理生物学会 }}</ref>ため、透明度は3m3[[メートル]]程度でる。赤潮が発生することもある<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/40004718409/{{Citation |和書 |last1=吉澤 |first1=一家 |last2=有泉 |first2=和紀 |last3=渡辺 |first3=由香里 |title=精進湖で発生した赤潮について] |periodical=山梨県衛生公害研究所年報 (|number=44), |publisher=山梨県衛生公害研究所 |pages=58-61, |year=2000] |id={{国立国会図書館書誌ID|6179387}} |NAID=40004718409 }}</ref>。[[ヘラブナ]]や[[ワカサギ]]、[[ブラックバス]]<ref>[{{Citation |和書 |url=http://ci.nii.ac.jp/naid/110009470658/ |title=山梨県西湖及び精進湖における近年の魚類相の変化と国内外来魚の侵入] |periodical=野生生物保護 : Wildlife conservation Japan |volume=13( |issue=2), |pages=59-66, |date=2012-055-31 |publisher=[[野生生物保護学会]] |doi=10.20798/wildlifeconsjp.13.2_59 |NAID=110009470658 }}</ref>、[[タニシ]]などが生息している。
 
== 周辺 ==
湖岸には、[[甲府市|甲府]]から右左口宿を経て[[駿河国]]へ至る軍用道路である[[中道往還]](現[[国道139号]]、)が通る。精進湖北側から見る[[富士山 (代表的なトピック)|富士山]]は手前に[[大室山 (富士山)|大室山]]を配しているため、「子抱き富士」とも呼ばれる。前景は[[青木ヶ原|青木ヶ原樹海]]であり、樹海の中に[[中道往還]]([[国道139号]])が走っているため、精進湖北側から望む富士山は手前に建造物がなく樹海の緑に覆われ、絶景である。
精進湖北側から見る[[富士山 (代表的なトピック)|富士山]]は手前に[[大室山 (富士山)|大室山]]を配しているため、「子抱き富士」とも呼ばれる。前景は[[青木ヶ原|青木ヶ原樹海]]であり、樹海の中に[[中道往還]]([[国道139号]])が走っているため、精進湖北側から望む富士山は手前に建造物がなく樹海の緑に覆われ、絶景である。
 
かつては湖北部に集落があったが、[[西湖 (富士五湖)|西湖]]で増水による被害が発生したのを受け、似たような地形にあった集落は、[[1972年]]頃に湖南部の[[中道往還]]([[国道139号]])沿いの青木ヶ原樹海内に移住し、新居住地は移住地と呼ばれている。移住地には民宿が点在している。
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== 観光 ==
{{宣伝|section=1|date=2017年9月29日 (金) 02:33 (UTC)|section=1}}
河口湖や山中湖と異なり開発されていない。北側から富士山方面を見ると、[[青木ヶ原樹海]]の中にある道路や建物が見えないため、湖、緑の樹海、富士山が見える大自然の絶景地である。都心から2時間半ほどで行ける。古民家も古くなり、空き家も目立ってきた。その対応として、「The Shoji」を代表するスポットを体験できるフットパスプログラム<ref>{{efn2|「精進湖観光協会」「ヤマザキYショップ」「レストランことぶき」</ref>}}などが実施されている。
* 毎年、[[カヌー]]の全国大会が開催されている。(ただし[[2007年]]は[[佐賀県]]で開催された。)
* パノラマ台:子供の足でも1時間ほどで登れる、精進湖と[[本栖湖]]の間にある標高1,325m1325[[メートル]]の山。精進湖と本栖湖湖畔からハイキングコース入口があり、山下には本栖湖、精進湖、[[西湖 (富士五湖)|西湖]]、[[河口湖]]が見え、[[富士山 (代表的なトピック)|富士山]]と[[青木ヶ原|青木ヶ原樹海]]が一望でき、晴天ならば富士山の横から[[駿河湾]]が見え、北西部側には[[日本アルプス]]が望める絶景に出会える。
* 諏訪神社:天井には[[百人一首]]が描かれている。
* [[精進の大スギ|精進の大杉]]:国の[[天然記念物]]で諏訪神社の入口にそびえる別名「千年杉」。御神木とされ高さ45m45メートル、根回り13.6m6メートル
* 遊歩道:[[青木ヶ原|青木ヶ原樹海]]の中を通る東海自然歩道、自然観察路がある。
 
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== 関連画像 ==
<gallery mode="packed">
File:Aeral Photo of Lake Shoji 1975.jpg|{{国土航空写真}}1975<br>(1975年度
File:Lake Shōji from Panoramadai.JPG|パノラマ台から望む精進湖と[[御坂山地]]
File:Mount Fuji from Lake Shōji.JPG|精進湖から望む富士山
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
'''注釈'''
{{Notelist2}}
'''出典'''
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{commonscat|Lake Shōji}}
* [[日本の湖沼一覧]]
* [[富士五湖]]
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== 外部リンク ==
* {{commonscat-inline|Lake Shōji}}
* [https://www.fujisan-net.jp/data/article/1035.html 富士五湖のデータ比較] 山梨日日新聞社 YBS山梨放送
* {{Cite web
* [http://www1.gsi.go.jp/geowww/lake/koshouzulist.html 湖沼湿原調査] 国土地理院
| url = https://www.fujisan-net.jp/data/article/1035.html
* {{PDFlink|[http://www.yies.pref.yamanashi.jp/fujikazan/web/P365-374.pdf 富士五湖湖底ボーリングコアに記録された富士火山活動史] 富士火山(2007) 荒牧重雄,藤井敏嗣,中田節也,宮地直道 編集,山梨県環境科学研究所,p.365‑374}}
| archiveurl = https://web.archive.org/20181019041345/fujisan-net.jp/data/article/1035.html
| title = 富士五湖のデータ比較
| publisher = [[山梨日日新聞|山梨日日新聞社]]・[[山梨放送|YBS山梨放送]]
| accessdate = 2014-4-1
| archivedate = 2018-10-19
| deadlinkdate = 2021年9月16日 }}
* {{Cite web
*| url = [http://www1.gsi.go.jp/geowww/lake/koshouzulist.html 湖沼湿原調査] 国土地理院
| archiveurl = https://web.archive.org/20151003141816/www1.gsi.go.jp/geowww/lake/koshouzulist.html
| title = 湖沼湿原調査
| publisher = [[国土地理院]]
| accessdate = 2014-4-1
| archivedate = 2015-10-3
| deadlinkdate = 2021年9月16日 }}
* {{Citation|和書
| url = https://www.mfri.pref.yamanashi.jp/yies/fujikazan/web/P365-374.pdf
| accessdate = 2021-9-16
| contribution = 富士五湖湖底ボーリングコアに記録された富士火山活動史
| title = 富士火山
| year = 2007
| last1 = 輿水 | first1 = 達司
| last2 = 内山 | first2 = 高
| last3 = 山本 | first3 = 玄珠
| editor = 「富士火山」編集委員会([[日本火山学会]])
| pages = 365-374
| isbn = 978-4-9903350-0-7
| id = {{全国書誌番号|21260932}} }}
 
{{Normdaten}}
{{日本の湖沼}}
{{富士五湖}}
{{Japan-geo-stubNormdaten}}
 
{{DEFAULTSORT:しようしこ}}
[[Category:富士五湖]]
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[[Category:避暑地]]
[[Category:山梨県の二級河川]]
 
{{japan-geo-stub}}