「隠れた変数理論」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
m →‎隠れた変数理論: link 局所実在主義、 非局所的 は赤リンク解除
29行目:
 
==隠れた変数理論==
[[量子力学]]と矛盾しない隠れた変数理論は[[局所性原理|非局所的]]でなければならない。すなわち物理的に隔離された物体間の因果関係が瞬時にもしくは光速を超えて伝わるものとする。最初の隠れた変数理論は[[1920年]]代後半に[[ルイ・ド・ブロイ]]が提唱した。現在、隠れた変数理論うち最も有名なものは、非局所的な[[ボーム解釈|ボーム力学]]で、物理学者・哲学者の[[デヴィッド・ボーム]]が[[1952年]]に提唱したものだ。
 
ボームの理論は、ド・ブロイのアイデアに基づいており、電子などの量子力学的な粒子と、その動きを支配する隠れた「導波」の'''両方'''の存在を仮定する。よって電子は二重性を持たない純粋な粒子とされる。例えば[[二重スリット実験]](→[[波と粒子の二重性]])を行うと、電子は片方のスリットだけを通過する。しかしどちらのスリットを通過するかはランダムでなく導波に従って決められるために干渉パターンが観測される。
42行目:
最近になって[[ゲラルド・トフーフト]]により、さらに別種の決定論的な理論が提唱された<ref>'t Hooft, G. (1999)Quantum Gravity as a Dissipative Deterministic System,''Class. Quant. Grav.'' '''16''', 3263-3279 ({{arxiv|archive=gr-qc|id=9903084}})</ref>。この理論は、[[量子重力]]の統一理論を定式化するときに明らかになる問題が発端となっている。
 
しかし大半の物理学者は、宇宙の真の理論は隠れた変数理論ではなく、また粒子は量子力学的記述に現れる以外の情報は持っていないと信じている。前述したような[[量子力学の解釈]]も、それぞれ哲学的な問題点を抱えている。[[局所実在論|局所実在主義]]こそが正しく、そして量子力学は究極的には誤りだと考えている物理学者は極めて少ない。
 
==参考文献==