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=== ライネル落屑性紅皮症 ===
[[Fileファイル:Omenn syndrome.png|200px|thumb|オーメン症候群に伴う紅皮症]]
1907年にLeinerが初めて報告した紅皮症で、'''乳児落屑性紅皮症'''とも呼ばれる。生後6カ月までの[[乳児]]、特に[[母乳栄養]]児に多いとされ、頭部または[[肛門]]周囲を初発とする脂漏性病変から次第に顔面や体幹に向って症状が拡大する。紅皮症の拡大に随伴して粘液の混じった緑色の水様[[下痢]]や嘔吐といった消化器症状、[[貧血]]が起こり、症状が遷延すると体重減少や発育障害を来たす。搔痒やリンパ節の腫脹は軽度であるが[[免疫不全]]を伴い、[[カンジダ症]]などを併発することがある{{Sfn|片山|土田|橋本|古江|2006|p=367}}{{Sfn|上野|2002|pp=271-272}}{{Sfn|北村|小嶋|川村|安田|1969a|pp=14-16}}。
 
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=== 丘疹 - 紅皮症 ===
1979年太藤重夫により丘疹 - 紅皮症症候群の名で初めて報告され、1981年には小嶋理一により苔癬様続発性紅皮症の名で報告されたが、皮膚症状が主体であることから太藤は1984年に丘疹 - 紅皮症に改名し、名称も一本化された。高齢者に多く、Herzbergの老人性紅皮症や湿疹続発性紅皮症との異同が議論されている。紅褐色の苔癬状丘疹として発症し、それらが融合して次第に全身に拡大、紅皮症となる。ただし顔面や関節屈面、[[腋窩]]、腹部の皺になる部分は潮紅せず健常時の皮膚色が残存するdeck - cheir signと呼ばれる所見が見られる。搔痒や無痛性リンパ節腫脹はあるが紅皮症一般で見られる発熱などの全身症状は欠く。検査所見としては末梢血の[[好酸球増多症]]が見られ、組織所見でも真皮において血管周囲の好酸球浸潤が認められるなど好酸球主体の所見が特徴である。[[ステロイド外用剤]]に良く反応し、経過は通常1年ないし数年で軽快・治癒する。ただし本症で最も重要なのは患者の30パーセント程度に内臓悪性腫瘍の合併が見られ、内臓悪性腫瘍の[[デルマドローム]]として知られる後天性掌蹠角化症を合併することもあり、内臓病変の検索を行うことが必要となる{{Sfn|片山|土田|橋本|古江|2006|p=389}}{{Sfn|大塚|2011|p=197}}。合併する悪性腫瘍としては[[胃癌]]、[[食道癌]]、[[大腸癌]]、[[前立腺癌]]など多彩であり、腫瘍合併例では治療や再発に一致して症状が消長することが多い{{Sfn|谷口|町田|松立|浦野|2012|pp=90-93}}。
 
=== 皮膚疾患続発性紅皮症 ===
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=== 腫瘍性紅皮症 ===
[[Fileファイル:Sézary's disease.jpg|200px|thumb|[[セザリー症候群]]に伴う紅皮症(左)とセザリー細胞(右)]]
紅皮症の中では数パーセントを占め、原因となる悪性腫瘍の大半は[[白血病]]や悪性リンパ腫といった造血系の悪性腫瘍である。腫瘍細胞が皮膚に浸潤して発症する特異疹としての紅皮症と、反応性病変として発症する非特異疹としての紅皮症があり、リンパ節腫脹や後天性掌蹠角化症を合併することがある{{Sfn|片山|土田|橋本|古江|2006|pp=367-368}}。
 
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* [[副腎皮質ステロイド薬]]
 
{{DEFAULTSORTデフォルトソート:こうひしよう}}
[[Category:症候]]
[[Category:皮膚疾患]]