「セイバーメトリクス」の版間の差分

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野球には、様々な価値基準・指標が存在するが、セイバーメトリクスではこれらの重要性を数値から客観的に分析した。それによって野球における采配に統計学的根拠を与えようとした。しかし、それは野球を知っているものならば常識であるはずのバント・盗塁の効力を否定するなど、しばしば野球の従来の伝統的価値観を覆すものであると同時に、ジェームズ自身が本格的に野球をプレーした経験がなく、無名のライターに過ぎなかったこともあって当初は批判的に扱われた。この理論が一般的に知られるようになった現在でも「野球はデータではなく人間がプレーするもの」という信念を持つ人々からは歓迎されていない風潮がある。
 
セイバーメトリクスの観点においては「アウトを取られなければ試合が終わらない」という考えから出塁率が重視され、提唱者のジェームズは最初は懐疑的に見ていた[[DIPS (野球)|DIPS]]も後に重視する考えを持つに至っている<ref>桑原晃弥『ビリー・ビーン弱者が強者に勝つ思考法: メジャーリーグの名物GM』(PHPビジネス新書、2015年)</ref>。
 
2000年代、[[オークランド・アスレチックス]]のゼネラルマネージャー[[ビリー・ビーン]]は球団の資金力がないなかでセイバーメトリクスを重視したチーム編成を敢行し成功を収めた。また、その改革を描いたノンフィクション 『[[マネー・ボール]]』及び同書を映画化した「[[マネーボール (映画)|マネーボール]]」がいずれもヒットし、セイバーメトリクスはより広く知られるようになった。