メリーさんの電話』(メリーさんのでんわ)は、怪談都市伝説の一種。

概要 編集

ある少女が引越しの際、古くなった外国製の人形、「メリー」を捨てていく。

その夜、少女に電話がかかってくる。その内容は以下のようなもの。

「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」

少女が恐ろしくなって電話を切ってもすぐまたかかってくる。

「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…」

そしてついに「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」という電話が。

怖くなった少女は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。やはり誰かのいたずらかとホッと胸を撫で下ろした直後、またもや電話が…

「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」

類話 編集

その後どうなったかを語らず、「あなたの後ろにいるの」で締め、「余韻の恐怖」を演出するのが基本形であるが、派生として以下のようなパターンもある。

  • 振り向いたら殺される。
  • 少女が刃物で刺される。少女の生死、怪我の具合は様々。
  • マンションが舞台で、電話の度に自分の住む階に近付いてくる。
  • 轢き逃げをしたタクシーの運転手に、被害女性から電話がかかるパターン。名前はメアリー、メリーなど様々で日本人の場合もある。
  • リカちゃん人形の怪奇譚と複合されたパターン[1][2]
  • 上記の派生が複合されたものも存在する。
  • チェーンメールでも伝播され、「メールを送らなければあなたも死ぬ」とされた。「彼女は大阪府岸和田市に住んでいる」、としたものもあった。

元ネタらしきもの 編集

  • 捨てた日本人形がいつの間にか家や部屋に戻ってくる話
  • 死んだ恋人や知らない人(幽霊)が公衆電話から電話をかけてきて、だんだん家に近づいて来る話。最後に家にたどり着いてインターフォンを鳴らす。
  • リカちゃん電話というサービスがあり、リカちゃん電話に電話をかけるとテープが流れてリカちゃんの声が聞ける。そのリカちゃんから電話がかかって来るという怖い噂があった。この噂に上記二つの噂の要素が加わったのち、商標権を気にした人達がリカちゃん人形をメリーさん人形に変更したらしい。
  • 「指輪」というスペインの昔話。ある男が骸骨の指に付いていた指輪を持ち去り家に帰ったが、その骸骨が家まで追ってくる。その際、怪談のメリーさんと同じように段々と近づいて来る描写となっている。時代的に電話は出てこないものの、基本的な構成としてはほぼ同じと考えられる(東京こども図書館編『おはなしのろうそく』27巻に収録)。

映画 編集

メリーさんの電話
監督 三原光尋
脚本 三原光尋
製作 三宅容介
佐伯寛之
出演者 紗綾
菊地あやか
音楽 遠藤浩二
主題歌 Lay「RED」
撮影 西村博光
編集 佐藤崇
製作会社 ポニーキャニオン
アールグレイフィルム
公開   2011年2月12日
上映時間 62分
製作国   日本
言語 日本語
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2011年2月12日に公開された。監督は三原光尋。主演は紗綾菊地あやか

あらすじ 編集

女子高の空手部に所属している美奈子と真由子、そして他の部員達は強化合宿の為に山奥の合宿施設へと向かった。

合宿の終盤、部員の一人沙織が突然発狂してしまう。その事件を境に一人また一人と消えて行く部員達。

美奈子は原因を探るべく30年前に起きたというある事件の謎を調べ始めた。すると圏外のはずの美奈子の携帯電話が突然鳴り響く。

電話に出た美奈子に受話器の向こうから

「もしもし、あたしメリー、今、向かってる」

と少女の声が聞こえて来る。

キャスト 編集

スタッフ 編集

  • 監督 - 三原光尋
  • 脚本 - 三原光尋
  • 製作 - 三宅容介、佐伯寛之
  • プロデューサー - 大垣修也、村田亮
  • 撮影 - 西村博光
  • 音楽 - 遠藤浩二
  • 主題歌 - Lay「RED」
  • 録音 - 良井真一
  • 整音 - 飯森雅允
  • 照明 - 疋田淳
  • 編集 - 佐藤崇
  • 衣裳 - 山ヵ忍
  • ヘアメイク - 坂本美由紀
  • 製作担当 - 井手上拓哉
  • 助監督 - 武正晴
  • スチール - 西永智成
  • 特殊メイク - 藤原カクセイ
  • 造形 - 藤原カクセイ

脚注 編集

  1. ^ 松山ひろし 『3本足のリカちゃん人形―真夜中の都市伝説』 イースト・プレス、2003年、84-87頁。
  2. ^ 木原浩勝・岡島正晃・市ヶ谷ハジメ 『都市の穴』 双葉社〈双葉文庫〉、2003年、218-219頁。

外部リンク 編集