メインメニューを開く

タクシー(taxi)とは、旅客が旅客自動車の運転手に乗車の申し込みを行い、個別契約で旅客輸送を行う公共交通機関、およびその用に供する車両等である。通常、旅客自動車が法令違反にならない場所(横断歩道前後や交差点から一車長分は法令により禁じられている)を、目的地に指定できる。一般的に自動車が用される。離島などでは船舶の場合もある。

前史編集

 
17世紀のハックニーキャリッジの大型四輪馬車。画像はWalter GilbeyEarly Carriages and Roads (1903年) から。

が移動交通手段の中心を担っていた時代では、馬車は、人や荷物の輸送手段として多く用られていた。馬車を所有する者の中には運賃を収受することで、収入を得る者が現れ、タクシーの原型が作られた。日本では江戸時代からの駕籠(かご)や明治からの人力車などが主にその役割を担っていた。

仕組み編集

空港港湾観光地・市街地などに設置されたタクシー乗り場から乗車することができるが、電話インターネットなどで指定場所に迎車で呼び出すことも可能である。高級ホテルレストランなどには、タクシー乗り場があり、利用者の求めに応じてタクシーを呼び出してくれるサービスを行っているところもある。また、日本の大都市では、タクシーが空車で走行する流し営業が行われており、その場合は空車表示で走っているタクシーを見つけ、タクシーに向かって挙手することで乗車が可能である。

運転手に地名や主要建物名称などを告げると目的地に向かう。

旅客が運転手に所定の場所までの乗車の申し込みを伝え、目的地に到着し旅客が運転手に運賃を支払うことで個別輸送の契約は完了する。

ウーバー型配車サービスの普及編集

2009年アメリカで、顧客がインターネット予約システムを利用し、一般タクシーはもとより登録している一般車両を呼び出すUberに代表される新しいシステムの構築が始まり、2014年12月31日現在、世界で約200万人がUberを利用するなど急速に普及が進んだ[1]。なお、日本では、無許可で乗客から料金を得て旅客輸送を行う事は、法令により白タク行為であるとして禁じられている。世界的な普及が拡大する一方で、各国で既存の規制等との軋轢が生じているほか、一般者がサービスを提供することに起因する犯罪も問題視され始めている[2][3]

料金制度編集

運賃料金編集

世界的には、タクシー運賃料金について、およそ2種類ある。一つは走行距離や乗車時間から運賃を自動的に計算するメーター制、もう一つは乗車前に運転手との運賃交渉によって料金を決める交渉制がある。

メーター制
日本の場合、車内に料金メーター(タクシーメーター)があり、走行距離や時間に応じて爾後料金が加算される運賃システムである。初乗り運賃があり、規定の距離を超えるか、一定時間を超えた場合に爾後料金が加算される[4]。降車時に、表示されているメーター料金を現金クレジットカードなどで支払う。公平・明朗な料金収受方法であり、交渉制の国以外では標準的な方式である。
交渉制
乗車前に運転手と交渉し、料金を決める方式。メーターの設置費・維持費はかからないが、交渉力の差で料金が変わってしまうため、公平性・明朗性に欠ける。発展途上国にこの方式のものが多いが、例えば、アメリカであっても、ニューヨークなど一部の大都市を除くと、比較的多く見られる。これは、メーターの正確性について、公的な担保が得られていないことが一因と思われる。

チップ編集

一部の国(主に欧米文化圏)ではチップの概念があり、提示された料金よりいくらか上乗せして払う慣習がある。ヨーロッパ北アメリカの国々では料金の10%-15%程度をチップとして上乗せして支払う。他の国では、釣り銭端数にあたる金額を運転手に渡したりすることでチップとする場合もある。

運転手はチップを受取れることで、乗客に満足してもらいたい気持ちから、旅客の荷物の積み降しといったサービスをする事がある。

運転手編集

指定の場所に旅客を安全に輸送する為、運転手(乗務員)には安全運転の知識・技術のほかに、自分が営業する区域の地理知識が必要とされる。近年ではカーナビゲーションシステムの利用により遠方への輸送が可能になっている。

国、地域によってはタクシー運転業務に従事するのに特別な資格・免許などが必要な場合がある(例として日本の場合、二種運転免許ロンドンタクシーノリッジ試験ニューヨークイエローキャブのメダリオン、韓国のタクシー運転資格など)。

営業に必要な運転免許証や資格要件や車庫設備がなく自家用車などを用いて違法に営業するタクシーを白タクという。空港や大都市中心部などでタクシーを利用しようとしている人に声をかけ、乗車後に高額な料金を請求したり、金品を奪われたりする場合がある。白タクの「白」は、日本において正規のタクシーのナンバープレートが事業用を表す緑色なのに対して、自家用車のナンバープレートが白色であることに由来する。これは法令により定められている。

特筆例として、日本では深夜時間帯などで女性がタクシー乗務員としてに従事していることが挙げられる。これは日本の治安状況が良いという事情によるものである。諸外国においては男女平等が徹底している欧米先進国においても、タクシーの運転に関しては女性の進出はほとんど見られない。なお、台湾においては、夜間に女性が安心して乗車できるよう、女性乗務員のタクシーを呼び出すサービスを行うタクシー会社もある。

車両編集

主に4ドアセダン型の乗用車が使われるが、ロンドンタクシーなどのように専用車両が用いられている例もある。また、ニューヨークのイエローキャブに代表されるように都市ごとに統一された塗装が施されている場合と、日本では、同じ都市内でも塗装色が異なる場合がある。

後部座席のドアは、運転手が乗客に代わって運転席から開閉するドアを採用している国がある。このドアの仕組みをタクシーに採用したのは日本が世界初であり、本来の意味とは違うが自動ドアと呼ばれる。初期のものは完全な手動であり人力で開閉されていたが、空気圧を利用してドアを開閉するのもある[5][6]。現在の香港のタクシーでも、同じ仕組みが用いられている。

日本のタクシー編集

日本では、複数の登録乗務員と許可を受けた複数の営業車両で営業する「法人タクシー」と、経営者と運転者が同じで一両のみ営業運行する「個人タクシー」に分類されている。

タクシーに使用される主な車種編集

アメリカ合衆国ニューヨークシカゴなど)

※1970年代後半から80年代にかけてプジョー・504、505、また1990年代後半にはいすゞ・オアシスホンダ・オデッセイ(初代)のバッジエンジニアリング車)が採用されたことがあるが、耐久性の面で難があった事からいずれも早期に廃車となった。

カナダトロントバンクーバーなど)
イギリスロンドン
インド
オーストラリア
シンガポール (Taxicabs of Singapore)
スペイン
タイバンコク
ドイツフランクフルト
フランスパリ
北欧諸国(スウェーデンストックホルムフィンランドヘルシンキデンマークコペンハーゲンほか)
  • ボルボ、メルセデス・ベンツ・Eクラスなど
ロシアモスクワ
  • GAZのヴォルガを使用している場合が多く、車体は黄色に塗られている。無線予約が可能なタクシー会社も存在しているが、需要に対してタクシーの台数が少ない事から、一般車のドライバーと料金交渉の上でタクシーとして利用する、いわゆる「白タク」の利用が一般的である。
韓国
中国上海北京
香港香港的士 (中国語版)Taxis of Hong Kong (英語版)
  • トヨタ・コンフォート (新旧併せて99%)、日産・セドリックセダン - 日本と同じく窓に日本語で「自動ドア」の表示がある。もちろん、運転手がドアを開けることができるが、実際は乗客が自分で開閉することが多い。また、近年はトヨタ・プリウストヨタ・ノアフォード・トランジット日産・NV200などの導入もある。
  • タクシーの色は、営業区域ごとに色分けされている - 香港島及び九龍九龍地区:赤、新界地区:緑、ランタオ島地区:水色。すべて屋根は銀色。
  • 2001年まではディーゼルエンジンを使用した車が中心であったが、香港政府がその年にLPガス使用車以外の使用を禁止する方針を打ち出した為、ディーゼル車は次第に置き換えられ、現在ではLPガス車やガソリン車のみ使用されている。また、日産車は2005年で香港への輸出をいったん終了した為、新たに導入される車はトヨタ車のみであったが、2014年から再び日産車が導入されている。なお、トヨタ車も引き続き導入されている。
  • 車両は全部新車として購入されているが、日本のタクシーの中古パーツも使われて、初乗り660円のステッカーが窓に残ったままの車や日本からの流用ボディもあった。
マカオ
台湾台北(計程車)
  • トヨタ・カローラ、トヨタ・カムリ、トヨタ・ウィッシュトヨタ・シエンタ日産・ティアナ三菱・ランサー/ランサーフォルティス/グランドランサーなど
  • 全て黄色に塗装されており、簡単に見分ける事が出来る。台北地区で約3万1千台もの車両が営業しており、整備状態の良くない個人営業車も多いが、大手グループの営業車は、トヨタ・カムリなどのグレードの高い車を使用し、車内外ともに良く整備され、車内に花を飾るなどして、利用客が快適に利用出来る様にしている。また電話呼出しに応じている会社も多い。

なおこれらの他にも、個人タクシーやタクシー会社ごとの方針などにより他の車種を利用している場合もある。例えば、東京都内では、トヨタ・クラウンアスリートメルセデス・ベンツSクラスBMW・7シリーズを利用した個人タクシーが実際に営業している。

世界のタクシーの画像編集

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集